ある日、中国人の友人が、「日本の料理はおいしいけど、スープがみんな味噌なのはどういう事なんだ?中国人からすると信じられない!!」と言い出した。まあ、日本にもすまし汁はあるけど、ほとんど毎日味噌汁っていえば味噌汁だよなあ。
子供の頃、味噌汁の鰹節を削るのは、ウチでは子供の仕事だった。しかし、オヤジが独立して、母親が仕事を手伝うようになってから、出汁は「かつお風味の本だし」になり、僕も三年前まで、ずっと本だしをつかってた。鰹節を削るのはけっこうかったるいのだ。
本だしをやめるきっかけは、皮肉にも味噌汁作ってるときに、本だしがけっこう多めにはいってしまい、味を見ながら味噌を加えていったら、味噌少なめで意外とおいしい味噌汁が出来た事による。
当時、仕事で時々大阪にいってたのだけど、大阪で食事して思ったのは、「出汁をしっかり取っていると醤油は少なくてもかまわない」ということだった。関西は味がうすいと僕等東京の人は思っているけど、正確には「味付けがうすい」のであって、「味がうすい」のではない。何故、「味付けがうすい」のかというと、出汁がしっかりとってあるので、醤油や味噌といった調味料を大量に入れる必要がないからなのだ。
「命の出汁」の道場六三郎が、何かのインタビューで「命の出汁」の事をきかれて「最近の若い料理人は、最初から決められた量の鰹節しか使わないので、本当の出汁の力を知らない」みたいな事を言っていたのも読んで、僕も家にあったパックの鰹節を全部ぶち込んで出汁をとってみたのだけど、全然ダメだった。
仕方がないので、関西風に煮干しの腹と頭をとって、昆布と一緒に水につけて冷蔵庫で一晩おいて、それを使ったらなかなか美味しい味噌汁が出来るようになった。一年前まで、ずっと味噌汁の出汁はそれを使っていたのだけれど、ある日偶然1400円で、小さな鰹節削りを見つけて、鰹節と一緒に買い、家で鰹節を多めに削って味噌汁を作ると、なんと!!ちゃんとした美味しい味噌汁ができた。
でも、ともかく鰹節削りは面倒くさい。沖縄には家庭用の電動鰹節削りがあると聞いて沖縄の友人に聞いてもらったんだけど、数年前に製造中止になったという。結局煮干し出汁に戻ったのだが、築地にいったとき、鰹節削りを見ていると(6000~12000円くらいする)すっごく妖しげな鰹節削りをみつけた。

見ればわかるように、ほかの鰹節削りが工芸品の風格を持つなか、この鰹節削りはプラスティック製。しかもかき氷機の鰹節削りバージョンっていったキッチュな風格なのだ。おまけに名前が「オカカ7型」。殴っちゃうぞ(-_-;)
きちんと削った鰹節で美味しい味噌汁が作れるのを知った以上、きちんとした鰹節削りがほしい。でも、きちんとしたのは高いし、削るのが面倒な上、刃の角度の調整とか、メンテナンスも必要だ。それに比べてこのオカカ7型は、少なくとも削るのは楽そう。でも6800円の値段が付いている。
買い物に関しては即断即決の僕もさすがに考えた。で、その日は買わずにネットで検索をかけて、調べてみた。
外見のキッチュさによらず、ともかく楽に削れ、刃の調整も必要なく、便利だという意見がほとんどだった。でも6800円。かき氷機もどきなオカカ7型に・・・・
結局のところ僕は毎日味噌汁を作るとして365で6800を割ると18.6。つまり一日18.6円で一年間で償却できると、すっごく経営学的な理由をつけて自分を説得した上で購入した。
それ以来、僕の味噌汁は毎日おいしい。
一人分の鰹節を削るのに、1分かからないし、テレビを見ながらでもできる。
つけものにちょこっと削ったのをのせても美味しいし、冷や奴にも使える。
妹が甥、姪を連れてきたとき、これを見て、味噌汁を飲んで、すぐに購入した。

楽天で探したら5500円で送料無料でやんの。すっごく損した気分だ(-_-;)
鰹節に関しては、僕は築地仲卸の伏高さんからネット通販で買っている。僕が買うのは亀節。伏高さんのHPには、出汁の取り方なども書いてあって、すごく役に立つ。「本がえし」や「五島灘の甘い一番塩」も僕のお気に入りだ。
Recent Comments