2009.02.16

傘男と年末幽霊騒動 その5

まさかと思いつつ、僕はジュニアと二人で二階に行ってみた。

トイレのドアを開けようとすると、確に鍵がかかっている。

トントンとノックしてみたが、もちろん返事はない。

ジュニアが「ほらね~嘘なんかついてないじゃないじゃないですかあ。」と妙に勝ち誇ったような顔をして言った。

「確に。でもここの鍵はコインであくからさっ(^_^;)」

僕はけげんに思いながらも、コインを出すとドアを開けてあげた。

二人で中をのぞいたが、もちろん中には誰もいない。

「ほら、外でまっててやるからしてこいよ」

僕がジュニアに言うと、彼はトイレの隅から隅までのぞきこんで、僕の顔を見た。

「やっぱいいですよ。我慢します。」

なんだこいつは!!

「なんだよヘタレだな。」

僕はジュニアに言った。

「そういう問題じゃないですよ。相手はドアの鍵勝手に閉めるんですよ?外でまたれてても鍵しめられて、鏡に幽霊の顔うつったらオレ心臓発作おこして死にますよ(*_*)」

「大丈夫だよ。子供だから」

「さっき自分でオレがみたのは子供だけど、全部が全部そうかはわからないって言ってたじゃないですかっ(>_<)」

「じゃあ四階のトイレいけよ。」

「イヤですよ!!さっき自分でメガネ隠されたんでしょ!!余計怖いじゃないですかっ!!大体階段下りてくる途中に、子供が立っていたらどうするんですかっ!!」

「このアメあげろよ」

僕はエプロンのポケットに入ってたアメを取り出した。

「そんなんじゃ納得しないしっ!!幽霊アメでごまかせないしっ!!」

そういうとジュニアは階段をダダダダッっと下に降りていった。

僕は念のためドアを大きく開けたままにすると、その後から階段を降りていった。

しばらくするとまたジュニアが「駄目だ。本当に無理だから」と言って二階にあがっていった。

そしてまた凄い勢いで戻ってくると、泣きそうな顔で「閉まってる・・また鍵しまってるよおっ。・゚゚・(≧д≦)・゚゚・。」と騒ぎ出した。

「いや、騙されないから。さっきしっかりドア開けてきたし。」

「騙してないって。なんでこんな状況でそんなことしないといけないんだよっ( #` ¬´#)」

ジュニアは凄い内股になり股間を手で押さえている。

「しょうがないなあ (-_-)」

僕等はまた、二人で二階にあがった。

トイレに一人でいけないとは、本当に手間のかかるバイトだな。

すると確にドアは閉まっていた。

これにはさすがの僕もビビった。

だってトイレの窓は開いてるけど二階の窓は冬だから全部しまってるし。

風がとおってなければ、ドアが勝手に閉まったりはしない。

いや、仮に閉まっても、カギがかかったりはしないはずだ。

何よりも二人で上がる前、ずっと奥にいた中国人の店員さんが「ドア閉まる音なんてしなかったですよ」といったのだ。 

「ほらねっ閉まってるでしよっ?(`ε´)」

内股のジュニアは生意気にも勝ち誇ったように言った。

僕がドアをノックしてみると、やはり応答はない。

そこで流石に今度はドキドキしながらも、僕はコインで鍵をあけ、ドアを開いた。

ぎい~

ドアは開いたが、当然ながら中にはやはり誰もいない。

「ほら。誰もいないじゃん」

すごい内股のまま、腰をくねくねさせているジュニアが恐る恐るトイレの中をのぞき込んで、叫んだ。

「いるいねえが問題じゃねえだろっ( #` ¬´#)中に人がいないのに鍵かかってるのが問題だろっ(#`皿´)」

なんかタメ口になってるぞ。こいつ(-_-)

「しょうがないなあ。じゃあ待っててやるからしてこいよ。」

多少ムッとしたものの、僕も大人。

そういってやると、股間を押さえたジュニアは今度はおとなしくトイレに入ってドアをしめた。

カチャカチャとベルトのバックルをはずす音がしてから、「そこにいてくださいよ!!」とジュニアが叫ぶ声がした。

そしておしっこを出す音がはじまったとき、僕は「じゃ、したおりるから」と言っってやった。

するとトイレの中から「まってくださいよ~っ!!いかないでっ!!怖いからマジ行かないで (((゚Д゚))) !!」と泣きそうなジュニアの声が。

「お前さっきタメ口だっただろ!!タメ口たたけるならトイレくらい一人でしろ!!」

そう。

僕はアクマで大人ですからねっ!!

 
 

(-_-)(-_-)(-_-)(-_-)(-_-)
 

 

しばらくしてジュニアは二階からおりて来ると、おもいっきりうらめしそうな顔で僕をにらんだ。

「ちゃんとまっててくれると思ったのに!!本当に下りたな(`◇´*)!!」

「ピョンピョン空手ならともかく由緒と伝統ある沖縄古流空手の高校生チャンプがおしっこも一人でできないでどうするんですか。しかも昼間ですよ?夜ならともかく。」

僕は丁寧に答えた。

アクマで大人ですからね。

「昼間から幽霊がわるさするこの会社の方が問題だろっ(`Д´)!!」

ジュニアは、怖さのあまり理性がとんで、すっかりタメ口になっている。

これは更なる仕置をしなければ・・・・・・・

「トイレのドア閉めただけじゃないですか。どうせ君だって、学校でいじめられっ子に似たようないたずらしているんでしょう(-_-)?」

「してないしっ!!全然してないしっ( ̄Д ̄;;!!」

「きっと幽霊に馬鹿にされてんるんですよ(-_-)」

「ちげ~よっ!!絶対そんな事ないから(≧ヘ≦)!!」

ジュニアは完全にふてくされてしまった。

 

しばらくして僕は別用で上の階にいき、トイレにいきたくなったので二階のトイレにいった。

おしっこを終えて、チャックをあげていると、誰かが階段を上がってくる音がする。

それがジュニアだとわかったので、僕はすぐにドアの前にしゃがみ、ドアのすりガラスから姿が見えないようにした。

やがて足跡はトイレの前で止まり、ドアをノックした。

やっぱりジュニアだ。

もちろん僕はそのまま静かにしていた。

ジュニアはドアをあけようとしたが、当然鍵は僕がかけたたままなのでドアは開かない。

ドアの向こうで脅えるジュニアが、ゆっくりとあとずさり、階段からそっとおりていく音がした。

僕は笑いを噛みしめながらゆっくり音がしないよう鍵をあけた。

階段をおりていくジュニアの足音が止まった。

僕はしゃがんだままで、トイレのドアをゆっくり開けていった。

トイレのドアが七分程開いたとき、階段を降りる途中で、二階の床から目から上だけだした格好でこちらを泣きそうな顔して覗いているジュニアと目がった。

  

「みぃ~たぁ~なあ  呪m( -_-m)~怨」

  

僕がジュニアの目を見てそう言うと、ジュニアは顔を蒼白にして、階段にヘナヘナとしゃがみこんでしまった。

僕はニヤニヤしながらトイレをでると、階段をおりるとき、しゃがみこんだままのジュニアの肩を、ポンとたたいた。

「何もいないですから。確認しておきました。」

そう僕が言うと、ジュニアは泣きそうな顔をしながらも噛みついてきた。

「ひでえよっ!!なんだよこの会社!!なんで人間ばかりか幽霊まで一緒になって、いたいけな高校生いじめるんだよっ(T◇T)!!」

そう叫びながらもジュニアはトイレに駆け込んだのだった。

ジャア~

流石にちょっと可哀想な気もして、僕が階段で待っていてあげようとするとしばらくしてトイレの中から声が・・・

 

「コノウラミハラサデオクベキカ・・・」

 

ええ~っ!!なんで高校生のジュニアが、『魔太郎がくる!!』のセリフをっ!!

やばい!!これはやばすぎる!!

ジュニアがヘタレなのはわかったが、それでも空手二段。

闇討ちなんかされた分にはたまったものじゃない。

 

僕はあわてて三階にあがると、封筒に五千円をつつみポケットにつっこんだ。

僕が下におりていくと、ジュニアはすでにトイレから出て、店頭にいた。

目には本当に涙がにじんでいた。

「ひどいよ!!なんで意地悪するんだよo(`へ´)o!!」

「え?意地悪って何?別に靴の中に画鋲とか入れてないし、お昼の出前にハバネロソースとかもかけてないですけど?」

「そんなんじゃないよ(/□≦、)!!」

ジュニアは今にも泣きそうになって下を向いた。

やはりなんだかんだいっても、高校生には相当こわかったらしい(^_^;)

閉店時間がちかずくと、僕はジュニアを呼んだ。

「はいこれ。」

おりたたんだ封筒を渡すとジュニアはけげんな顔をして封筒を見た。

「な、なんですかっこれ?バイト料はさっきもらいましたよ。」

「ん?お年玉だよ。ちょっと早いけど。」

「なんでお年玉なんてくれるんですか?一昨日会ったばっかりじゃないですか?」

どうもジュニアは、一気に人間不信に陥ってしまい、中に妖しい物が入っていると疑っているようだった。

「いや、子供にはお年玉やるだろ?大人は普通」

「本当にお年玉なんでしょうね?」

「本当だよ。見てみりゃいいじゃん」

そういうとジュニアは封筒の中を覗いた。

「ちゃんと入ってただろ?」

「は、はい。ありがとうございます。いや、てっきり藁人形とか入れられたと思って。」

「なんで藁人形なんていれるんだよ!!」

「いや、まあ、なんとなく。」

「私だって鬼じゃないんだから。  アクマで大人ですから!!

仕事がすべて終わるとジュニアは関口さんと一緒に喜んで帰っていった。

 

 

年が明けて、初出勤の日。

僕は帰るときに、机の上に金平糖と熱いココアをおいた。

どうかあの子が鬱になる前に、成仏できますようにと思いながら。

 

 

The End


2009.02.09

傘男と年末幽霊騒動 その4

実を言うと僕は、この年末、二度ほどお店で幼稚園から小学校低学年くらいの子どもをみていたのだった。

最初はお店の奥から店頭に出ようとした時に、真空包装機とつみあげられた箱の間に青い服を着た子供をみた。

一瞬妹と共に手伝いだか遊びに来た姪かと思ったのだが、その日姪は来てなかったし、一瞬見えただけなので錯覚だと思っていたのだ。

でもその数日後、今度はふと顔をあげた時に、やはりお店の入り口に同じ青い服を着た子供がたっていた。

これは、傘男の時と同じだ!!と思ったので、ああ錯覚ではなく、どっかから迷いこんできてるんだな。
まだ小さいのに死んじゃって可愛そうにと思ったのだが、インフルエンザの弟が、子供にうつるからと奥さんに家を追い出され、お店の四階にとまっていたので、怖がると思い、言わないでいたのだった。

で、メガネはみあたらないし、はてさてどうしようかと思いながら僕がお店の奥にいくと、丁度そこにいた中国人の店員さんが弟に呼び出され、店頭に出て行った。

そこで僕は柏手を二度打つと、両手をあわせ「君がいるのはわかっているからメガネ返してね。ないとこまるから」と小さい声でつぶやき、店頭に戻った。

メガネがないと、仕事も激しくやりずらいのだが、僕は万が一の時に備えて、会社の行き帰りはメガネなしで通勤するようにしている。

メガネがないからといって、何もできなくなったりはしないのだ。

しばらくして、店の奥に戻った中国人の店員さんが、いきなり「円さん!!円さん」と僕をよんだ。

僕が何?と聞くと、階段の上の方を見上げながら「私が店頭出てた間に誰かきましたか?」と訊く。

「来てないよ。なんで?」

「今、上でトイレのドアがしまる音がしましたよ」

僕はこれだっ!!と思って上にダッシュしていった。

二階のトイレのドアは僕がさっき眼鏡を探した時のまま開いていた。

一応探したけどメガネはない。

そこで四階に。

トイレのドアはしまっていたが、ドアをあけると、ななななんとっ!!
 

さっき手探りで探した棚の所に眼鏡がっ!!

やはりっ あの子かっ!! 

さすがに黙っていることができなくなった僕は、店頭に戻ると、客が途絶えた合間に今までの事をすべてみんなに話した。

すると、てっきり「またはじまった」とか言うと思った弟は「やっぱいるんだ」とつぶやくと下を向いてしまった。

そればかりか、親父までが僕の顔を見て、「子供なのか?」と聞き返したのだった。

弟が言うには、とまっていた間、毎晩シャッターを開けようとする音がする。風でシャッターがガシャーンとか言う音でなく、鍵を開けてガラガラガラと開ける音なので、最初は下まで見にいってたけど、もちろんシャッターなんて開いてないし、鍵も閉まってる。で、戻って来ると、今度は下の階でバタバタ走りまわる音がする。で、見にいくとやっぱり誰もいない。自分は幽霊なんか見えないけど、確に気配はするんで、誰か入り込んで隠れてるとおもって、結局枕元に木像がもってる槍を外しておいて、部屋に鍵かけて寝たと。

すると弟の部下で、手伝いにやってきた関口さんが「またまた」と言ってちゃかした。

「じゃあ四階いって見て見ろよ。枕元に槍おいてあるから」

弟がムキになったので関口さんは黙った。

すると今度は親父が、一人で四階にいると、閉店した後、毎日下から誰かが階段あがって来る。で、見ると誰もいない。最近はもうなれて、ああまたきてんなと思うだけになったけど、あれは子供なのか?と。

いや、これまずいって。

「またしょうもないことを!!」とか言われたほうがよかったって・・・

「いや、オレがみたのが子供だってだけで、それも一緒かどうかわからないから。でも今年はこれだけ売り上げもあがってるし、子供だから座敷わらしみたいなもんかもよ」

僕は、とりあえずその場のくら~い雰囲気をなんとかしようとして言ってみた。

「まあ確になんか悪いモノという感じはなかったね。」

「そうだな」と二人が言って、なんとはなしにこの話は終わりそうになったのだが・・・・

突然バイトできていた関口さんの息子が、「やめて下さいよ~俺めちゃくちゃトイレ行きたいのに、行けないじゃないですかあ~」と泣きそうな声を出した。

高校生の彼は、一応空手の某流派の高校生チャンピオンなのだが。

「なんだよ。お前空手の高校生流派チャンプじゃねえか。根性ねえな」

僕が言うと、関口ジュニアは

「幽霊に空手通じるんですかあ~っ( ̄Д ̄;;きかなかっからチャンプなんて意味ないじゃないですかあ~っ?」と筋肉バカにしてはまともな事をいった。

そういいながらも「ああ駄目だ!!マジ我慢できないっ!!」と言ってジュニアは二階のトイレへと向かった。

しかし、彼が戻ってくるまでに20秒もかからなかった。

凄い早さで僕の所に走ってくると、袖をつかんで、すがるような目をして僕に言った。

「今、上の階に誰もいないですよね?」

「いないよ」

「本当ですよね?」

「本当もなにも、君の隣通らないと、中に入れないだろ?」

「じゃあなんで二階のトイレの鍵が閉まってるんですかあ (lll゚Д゚)」

To be continue.
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2009.02.02

傘男と年末幽霊騒動 その3

 

最初に思ったことは、「やばい!!」だった。

幽霊と目があってしまってはそりゃあやばい。

この世にあらざるモノと目があっちゃうなんて、全然洒落にならない。

だがそう思ったのは、僕だけではなかったのだ。

傘男も、僕と目があったとたん、はっと驚いた顔をしたのだった。

僕たちは同時に驚き、とまどい・・・

 

そして傘男は消えた。

 

それ以降、僕が傘男を見る事はなかった。

雨の翌日でも、いつもの場所にかかっているのは、女性の傘だけ。

傘男の黒い傘はみかけなくなったのだった。

 
 
ナニゲに考えてみると、俗に言う幽霊ってやつが、本当にいるとして、まあ思いっきり「のろってやるぞ!!恨みはらしてやるぞ!!」とやる気満々で幽霊になった連中は別として、ほとんどの幽霊は鬱状態なんじゃないだろうか?

だって自分は確かにここにいるのに、誰も気がついてくれないのだ。

つまり学校で、いじめられっこがクラス全員にシカトされつづけているのと同じ状態な訳で、そりゃ鬱にもなってしまうと思うのだ。

そう思うと、傘男もなかなか可哀想なヤツではないか。

幽霊になってまで、惚れた女なのか、身内なのか知らないけど、玄関の前でじっとたっていたのだから。

僕は、一瞬の間でも傘男の事を怖いとおもったことを、悪かったとおもうようになった。

幽霊とはいえ、元人間。

差別は宜しくない。

かといって傘男に戻ってきて欲しいとはまったく思わなかったけど(^_^;)

 

(-_-)(-_-)(-_-)(-_-)(-_-)

 

そして去年の年末。

毎年の事ながら、僕の会社がかかえているお店の年末は忙しい。

忙しいのはいいのだが、客足が速すぎて、始発電車で出勤しなければならないのが、夜型の僕としては激しくつらい。

一日ならともかく、四日連続ともなると気が遠くなる。

しかも冬だから太陽もでておらず、これじゃ夜勤の人みたいで気分もブルーになることおびただしい。

それでも前年、散々辛い思いをしたので、今年は1週間くらい前から夜も10時には寝るようにして、とくに辛い思いをすることもなく最終日の大晦日を迎えた。

毎年大晦日は29,30に比べると楽になるのだが、今年の大晦日は違った。

さすがに29,30並とはいかないが、それでも通常の5倍近い売り上げがある。

そんななか、僕はようやくトイレ休憩をとって、四階のトイレに向かった。

しかしトイレットペーパーがないのに気付き、二階のトイレまでとりにいき、四階に戻りトイレをすませた。

何故四階に戻ったかというと、四階のトイレにはウオシュレットがついているからだ。

しっかり出すモノを出して、お尻も綺麗に洗って階段をおりはじめた時に、僕は自分が眼鏡をしてないのに気が付いた。

あれ?エプロン脱いだ時にはずしたかな?

そう思い三階に戻ると、エプロンはあったのだが、眼鏡はエプロンのポケットの中を探っても出てこない。

もしかするとこれは予備のエプロンで、使っていたエプロンはお店で脱いだか?とお店にもどったのだが、やはりお店にもエプロンはない。

仕方なく三階に戻り、床から机の上、二階、四階のトイレの棚と床までを手探りしてメガネを探したのだが、どこにもメガネはなかった。

はて(@_@)?

果たしてトイレに入る度に眼鏡をはずす人がいるだろうか?

僕のメガネっ子暦は1/4世紀を超えるが、トイレで用を足しながらメガネをはずした事は
一度もない。

あきらかに変だと思った時、僕には閃くものがあった。

そうだ!!

これは・・・・・・・・

 

 

きっとあの子のしわざに違いないと。

 

 

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2009.01.26

傘男と年末幽霊騒動 その2

もちろんその時は単なる目の錯覚だと思った。

僕は「気配」を感じる事はあっても、そういうものを見た事はない。

台湾旅行の時でも、はっきりのしかかられた感覚はあったけど、姿は見なかった。

病院のCCUに入院したときには、声が聞こえたり、うっすらと見えたりしたが、声はともかく、見えたのは自分のイマジネーションが補佐しているという自覚があった。

それに半ば拡がった傘を、地べたに腰を下ろした男と錯覚しても、それはそれでアリな気がするし、何よりもそれ以降、階段をおりた時に、その男をみなかったし、幽霊の類を見たりもしなかったからだ。

ところがそれから数週間が過ぎて・・・・

いつものように朝、階段をおりていった僕は、また階段をワンフロアおりたところにある部屋の玄関の前で、同じ男が、今度は完全な体育座りをして、ぼおっと遠くを眺めている姿をみつけて、「うわっ(>_<)!!」と声を出した。

朝のマンションの玄関前で、体育座りをしているスーツ男を見たら、誰だって驚くに違いない。

大体、うちのマンションは一応オートロックで、住人以外は入ってこれないことになっている。

ひきつった顔で、階段をおりる足をとめた僕だったが、その時にはすでに男の姿は見えなくなっていて、そこには前回同様、黒い傘がかけられていたのだった。

その時はじめて、僕は単なる錯覚ではないのではないかと思い始めた。

彼に「傘男」と名前をつけたのもその時だ。

よくわからないが、あの傘がかけられている時だけ見るということは、傘男はあの傘にとりついているのかもしれない。

でも、傘がかかっているということは、使っている本人は家の中にいるはずだ。

どっかで他人の傘をパクってきたのだろうか?

その部屋にはまだ若い女性が一人ですんでいるのは知っていた。

ということは、元彼とかが忘れた傘を今彼に使わせて、その傘に元彼がとりついている?

まあ、色々と考えられるが、そのときでも、まだ僕は目の錯覚という可能性を捨てきれなかった。

なぜなら、それはあまりにもはっきりと見えていたからだ。

そしてまた、傘男を見ない日が数日続き。

雨の朝、僕は傘をもって部屋を出た。

そして階段をおりて、踊り場から下の階へと続く階段へと足を踏み出した時。

またあの場所に傘男はいた。

前の時と同じように、遠くをみつめて。

だが、その時の彼は、地べたに腰を下ろしていたのではなく、立っていたのだった。

僕は思わず踊り場へとあとずさりした。

そしてそっと顔を出してのぞいてみると。

そこには例によって、男の姿はなく、あの黒い傘だけがかかっていたのだった

  
(-_-)(-_-)(-_-)(-_-)(-_-)

  
その時になって僕は、これは目の錯覚ではないと確信した。

傘は腰の高さまでしかなかったし、男は立っていた。

僕は傘のところまでいくと、男の腰から上の部分にあたる磨りガラスに、錯覚を誘う黒い影がないかも確認した。

そこにはカーテンがぴっちりとしめられている。

目の錯覚を誘うようなものはない事を確認して、僕は出勤した。

 

その後数ヶ月、僕は、いわゆる霊視という現象に関して、納得いく説明があるのかを探した。

ルドルフ・シュタイナーあたりからはじめて脳科学の本も読んでみた。

結果僕なりにつくりあげた仮説は、空間には人間の五感では感知できない情報体が存在し、それが共感覚によって、時に認識されるのではということだった

共感覚というのは、モーツアルトや、レオナルド・ダ・ビンチなんかももっていたのではないかと言われる、1万人に1人くらいの確率でもっている特殊な知覚だ。

簡単にいえば、音に色を感じたり、形に味を感じたりする特殊な知覚で、原因にはまだ諸説あるものの、脳の視覚野、聴覚野、味覚野、触覚野、嗅覚野のそれぞれに本来送られるべき情報が、混線することで、本来その情報を処理する部分だけでなく他の部分にも送られてしまうためにおこるのではないかと言われている。

僕が思うに、通常人間の五感では感知できない情報体が空間上には存在する。

しかし、人間はまるっきりそれを感じられないという訳ではない。

むしろ感覚器官は現在も存在しており、感じる事ができるけれども、知覚できない状態にあるのではないか?

なぜなら、その感覚器官は、脳内のどこにもリンクしていないから。

だが、生まれつき、あるいはなんらかのきっかけで、この感覚器からの情報が脳内にリンクすることがある。

それが視覚野であれば霊視のような形になるし、聴覚野なら霊聴となる。

まあ、普通の人でも、霊的にやばいといわれている所にいけば、背中がゾクゾクするということはあるから、どこにもリンクされてないわけではなく、触覚野には微かにリンクされているのかもしれない。

そう考えると、いわゆるこういうオカルト能力の獲得方法に、静かな場所での瞑想のように五感からの情報を最小限にすることが洋の東西を問わずデフォなのも、世間的にはアレな科学者と思われているJ.C・リリーがアイソレーションタンクを開発するのも、道家の龍門気功にばかでかい壺をすっぽりかぶせるような修行法があるのもなんとなく理解できる。

つまり五感からの情報を少なくすることにより、微かに触覚野にリンクされている第六感覚器官からの情報をより鮮明にさせ、その波長を体に覚えさせ、うまくいけば、五感に対して共感覚でリンクさせるようなことを考えているのではないかということだ。

そう考えると、テレビも、ラジオも、文字すら一般の人にとってはないも等しく、夜の明かりもたき火や、ランプの光だけだった近代以前の、今よりもはるかに五感を通じて入ってくる情報が少なかった時代に、霊的な存在との接触があったという話しが多いのも、それなりに納得がいく気がした。

五感からの情報は第六感覚器官からの情報を捉えるには雑音でしかなく、五感から脳に入ってくる情報量が少なくなればなるほど、第六感覚器官からの情報は捉えやすくなるのではないか?

この仮説には僕的に納得がいった。

どうも気功の練習しているうちに、僕の脳内で、第六感覚器官からの情報を知覚する為のリンクが脳に張られかけてきてしまっているらしいということだ。

そう考えた僕は、とりあえず気功の練習をやめることを考えはじめた。

 

そして

 

また雨上がりの朝がきた。

階段をおりていった僕は、踊り場を下りていく階段に足をかけたとき、また傘男がいるのに気がつき、その場に凍りついた。

なぜなら、その時はそれまでとは違っていたからだ。

傘男はぼおっとして、僕のおりてくる踊り場の方を見ていたのだ。

そして踊り場から下りてきた僕と傘男の視線は、当然の如く、ばっちりとあってしまったのだった・・・・・・・・・・

 

 

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2009.01.19

傘男と年末幽霊騒動 その1

いや~ やっと更新できましたよ(^_^;)  今回はラストまでjかけているので、定期的に更新できます。全4回だけど5回になるかも。3回目以降はいつものノリになっていきますんで。最初の二回は怪談風な書き出しです(-_-)

 

 

その男をはじめて見たのは、一昨年の秋の事だった。

前日の雨があがり、路面は濡れているが、空はきれいな青。

空気も綺麗に澄んで、窓から外をのぞいた僕は、気持ちよい雰囲気での一日のはじまりを感じて、上着を着ると玄関から外に出た。

僕の部屋はマンションの3階にあり、朝はエレベーターには乗らず、そのまま階段をおりていくことにしている。

階段を一つ下のフロアへとおりたところに、その男はいた。

僕が下りていく階段のほぼ正面にある部屋の玄関の前で、だらしない体育座りをしたその男は、着崩したスーツ姿で、いかにも飲んで部屋までもどってはきたものの、カギが見つからずにその場で酔いつぶれてしまいましたという風情で、玄関ドアのわきにだらりとうつむいて座っていた。

僕の住んでいるマンションは家族向けのもので、そんな住人の姿はいままで一度もみたことがない。

階段をおりてきた僕は、その姿を見て驚き、一瞬階段を下りていく足を止めた。

だが、次の瞬間、その男はいなかった。

ただ、雨に濡れた黒い男性用傘が、はめ殺しの曇りガラスにかぶせてある鉄格子にかかっていただけだった。

 

 
(-_-)(-_-)(-_-)(-_-)(-_-)

 

その年の春。

友人がすすめていた野口整体の本を僕は買った。

数ヶ月の間、積ん読にしておいたのだけれども、読み始めるととても興味深かった。

整体といっても、柔道整体とは違い、気にからんだ野口整体は、僕が20代前後に独学でちょこっとやっていた気功に似ていた。

後に野口整体の方は、中国の気功との関連を否定しているという記事を読んだが、活元運動などは、どうみても中国気功の自発動功に似ていた。

そんな訳で、僕はすっごく久しぶりに気功のトレーニングをはじめてみようかという気になった。

といっても、それほど真剣にはじめたわけではなく、基本の小周天という、体に気を循環させる技法を、時々やってみただけだ。

すると1ヶ月ほどしたある日。小周天の最中に、右耳の下半分がいきなり熱くなった。

指先でふれて見ると、触られた感覚がある。

右耳の下半分は、数年前にした手術のあと、感覚が戻らなくなってしまったのだった。

僕はペンをもって、ペン先で耳たぶの所を触れてみた。

たしかに鈍いけれども、耳たぶそのものが触れられている感覚があった。

間違いなく、失われていた感覚が戻ったのだった。

それからしばらくの間、僕は気功絡みの本を集め、気功に関して色々調べてみた。

昔とは違い、天安門事件やら、法輪功事件やらの煽りをくって日本にわたってきた気功師が書いた、日本語の本があり読んでいて楽しかった。

流派により、口伝となっている部分が異なっているためか、Aという流派の本でははっきり書いていない部分が、Bという流派の同じような技法では明確に書いてあったりして、複数の流派の本を読むことで、かなり明確に技法の要点を掴む事ができた。

と言っても、僕は気功師になろうとか思ったわけではない。

若いときも、体内でめぐる気の感覚が明確になっていくにつれ、色々と日常生活をおくっていくのに不都合な事がおこりはじめた記憶がおぼろげにあるからだ。

具体的に何だったかは、何故か思い出せないのだが、若いときにやめてしまったのは、確かに「これってちょっとヤバくね(>_<)?」って事がおこったからなのだった。

それでも知る事は予想以上に楽しく、知れば試してみたくなり、昔以上のスピードで、不調だった体も充実していくのがわかった。

 

 
傘男を見たのは、そんな時だったのだ。

 

 

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