2004.07.19

伝説のスーパーパラダイスビーチを求めて(3)

再びミユノスの夜は明けた。エーゲ海の楽園スーパーパラダイスビーチを求めて進む三人の男達。ミユノスの伝説を求めての旅の結末は?

「パラダイスビーチでも、トップレスって事は、間違いなくスーパーパラダイスビーチでは、素っ裸ですよね?」

三人のテンションは朝なのに凄まじく高い。

それはそうだ。三人は今日の昼にはフレンドリーな全裸の外人さん達に囲まれて、エデンとはまさにこのこと!!と思えるようなスーパーパラダイスビーチでのアンニュイな午後を過ごすのだ。

「それにしてもスーパーパラダイスビーチ!!スーパーなんだぜ!!」

「特別」「シークレット」という言葉を何よりも愛する我が友チヒロが、興奮した面持ちでつばを飛ばしながらしゃべった。きっと彼の「好きな言葉辞典」には今後「スーパー」も加わるに違いない。

「そうですね!!」

モトヒロもユウキも声を揃えて言った。

「しかもおまえ、何がスーパーかっていうと、パラダイス。パラダイスがスーパーなんだぜ!!パラダイスと言えば楽園。もうこの時点で最上級。それがさらにスーパー。どうなってるんだってもんよ」

我が友チヒロの顔は緩みっぱなしだ。

「早くいきましょうよ!!楽園でのアンニュイな午後が僕等を待ってますよ!!」

ほとんどヤクをきめちゃってるんじゃないかという目の輝きをしたモトヒロが言った。

「チヒロさん!!モトヒロの股間見て下さい!!もうテントはってやんの!!」

ユウキの声にモトヒロが股間を押さえた。

「若いっていいよなあ~。でも先走り汁はまだ出すなよ」

我が友の言葉に、三人は大笑いをすると、せっせと朝食を平らげはじめた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
地図を頼りに歩いた三人の前に、ついにスーパーパラダイスビーチへの入り口が現れた。

そこからは入り江の中は見えない。だが、フロントのギリシャ人は人通りのないところだからと、入り口の目印を詳細に教えてくれていた。

「ここに間違いないな」

我が友は感動に目を潤ませながら言った。

「絶対ここです。間違いない」

ユウキも確信を持って言う。

「じゃあ、ここからは全裸ですね」

モトヒロの言葉に我が友チヒロとユウキの二人は密かに視線を交わした。

モトヒロはすでに短パンのジッパーをおろしている。

「そうだが、やはりここは偵察を出すべきではないですかね?」

ユウキが言った

「そうだな。ヌーディストビーチは三人とも初めてだし、ここからでは中の様子もわからないからな。失礼のないように、斥候は必要かもしれん。」

我が友チヒロがそういったときには、モトヒロはTシャツにビキニの海パンだけになっていた。

二人はじいっとモトヒロを見た。

「なんだ二人ともいかないんですか?じゃあ、僕偵察でいいですよ。でも、モテたら帰ってこないかもしれませんから、30分しても帰ってこなかったら、来て下さい」

モトヒロは二人に背を向け、Tシャツも海パンも脱ぐと、すべてをデイバックにつめ、楽園への一本道を歩き出した。

「じゃあ、いってきます!!30分ですからね!!」

全裸にデイバックを背負ったモトヒロの姿はすぐに見えなくなった。

残された我が友チヒロとユウキは時計を見ながら待った。

3分・・・・・

5分・・・・・

10分・・・・

「遅いなモトヒロのヤツ」

我が友チヒロが言った。

「やっぱ、東洋人ってことでモテてるんでしょうか?」

ユウキが短パンの股間を引っ張りながら言った

「どうした?」

我が友が尋ねるとユウキは恥ずかしそうな顔をしながら言った

「ははは。ちょっとオレやばいかも。いくらなんでも、ビーチはいる時から勃起してたら恥ずかしいですよね?ここで抜いたほうがいいのかも(-_-:)」

「おいっ!!それはやめろ!!栗の花の匂いさせてヌーディストビーチ入る方が、勃起した状態ではいるより恥ずかしいだろ!!大体こんな日差しのなかで、オナニーをするな!!」

エーゲ海の真珠といわれる島、しかもそのなかで、楽園の中の楽園といわれるスーパーパラダイスビーチの入り口でマスターベーションする日本人。

恥ずかしすぎだ・・・・

「そうでした。洗う水もないしなあ。フレンドリーに迎えられて、何かの拍子に相手に股間が触れてヌルッとかしたら失礼ですよね。」

ユウキはその場に座り込み、禅の姿勢を取ると瞑目した。

どうやら淫欲を禅で押さえるつもりらしい。

さらに待つこと10分。

ユウキの股間の淫欲ゲージも下がったころ、サクサクという音をさせて、全裸にデイバックを背にしたモトヒロが戻ってきた。

「おおっ!!斥候隊どうだった!!」

我が友チヒロがモトヒロの股間から目をそらしながら言った。

「・・・・・・・・・・」

「ダメなのか?」

「いえ」

「じゃあ、全裸なんだな?」

我が友チヒロは一番確認したいことを聞いた。

「間違いありません。みな全裸です。」

「おおっ!!ということは間違いなく、スーパーパラダイスビーチなんだな?」

立ち上がったユウキが今にも短パンを脱ぎそうな勢いできいた。

「間違いありません。僕ききましたから。」

「じゃあ、なんでそんなに元気がないんだ?フレンドリーじゃなかったのか?」

スーパーパラダイスビーチをあれほどまでに楽しみにしていたモトヒロなのに、何故か元気がないのが気になった我が友は尋ねた。

「いいえ。とってもフレンドリーです。だから僕、「すぐそこに友達が二人来てるから迎えにいく」といって、戻ってきたんです。」

「おおっ!!おまえ、俺達の事を忘れていなかったんだな!!偉い!!偉いぞモトヒロ」

ユウキが全裸にデイバックをしょった、よく見れば情けない姿のモトヒロの肩をバシバシと叩いた。

「チヒロさん!!まだ見ぬ楽園の仲間達が僕等を待ってますよ!!こんなとこにいつまでもいないで行きましょう!!」

ユウキが凄い勢いで脱ぎ出すと、我が友チヒロもそれにつられるようにして、すべてを脱ぎ捨てた。

二人ともモトヒロ同様、荷物をデイバックに入れ、それを全裸の体に背負うとフレンドリーな仲間が待つというスーパーパラダイスビーチに向かって歩き出した。

二人の後ろ姿を見てモトヒロはつぶやいた。

「確かにみんな全裸です。でもビーチはバッフクランに占拠されているんです。ザンザルブの大群が闊歩してるんです。地球のビーチじゃないんですよ・・・」

モトヒロが二人のあとを追わず、デイバックのジッパーを開けて衣類を取り出したことには二人は気づかなかった。

すでに彼らの目の前には、エーゲ海の青い海が広がっていたからだ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
入り口からビーチまでは2分もかからなかった。

「胸を張ってはいろうぜ!!」

全裸にデイバックという恥ずかしい姿の我が友はユウキに言った。

「最初が肝心ですからね」

ユウキもビーサンをペタペタいわせながらも背筋を伸ばして歩く。

そして二人の前には、エーゲ海の青い海と白い砂浜が現れた。

そして彼ら同様、一糸まとわぬ人たち・・・・

彼らはついにやってきたのだ!!

ミユノスの伝説のビーチ。スーパーパラダイスビーチに!!

だが・・・・・・

「チヒロさん・・・・・・」


「おお・・・・・・」


「ですよね?」


「・・・・」

そう。

ビーチにいたのは、間違いなく一糸まとわぬ人たち。

「ハイ!!ガイズ!!チャイニーズかい?」

ぶらぶら

「違うだろ?ジャパニーズだよな?」

ぶらぶら

確かにフレンドリーだ。

「おいおい、そんな荷物早くおろせよ!!ここはミユノス最高のビーチ。スーパーパラダイスビーチなんだぜ!!」

ぶらぶら。

我が友チヒロとユウキは言葉をなくしながら、デイバックを砂の上におくと、その上に寄り添うように腰掛けた

声をかけてきたフレンドリーな人たちはそれを見て離れていった。

伝説のスーパーパラダイスビーチ。

そこは確かにザンザルブに占拠されていた。

ザンザルブ。それは伝説巨神イデオンに出てくる白い三つ足の敵重機動メカ。

そう。

スーパーパラダイスビーチ。


そこは・・・・


エーゲ海の真珠とうたわれるミユノス島にある、ゲイ限定ビーチなのだった!!


青い空。

白い砂浜。

青い海。

そして、美しいビーチで無数にぶらぶらする白いヘチマのようなヨーロッパのペニス達!!


「おい」

我が友チヒロは半ば硬直しているユウキに話しかけた。

「勃起してなくてよかったな」

「しててもしぼみますよ。でも僕たちくっつき過ぎじゃないですかね?」

ユウキがいった。

「確かに。だが、俺達が離れたら、奴らはまた話しかけてくるぞ?」

「そうですね。あきらめます。このまま寄り添って一時間くらいしたら帰りましょう」

「モトヒロのヤツ・・・・」

我が友チヒロの目に、怒りの炎が燃え上がった。

「絶対殺す!!」

「ハ~イ ガイズ!!そんなとこに座ってないで、ビーチバレーしないかい?」

ぶらぶら。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

二人がビーチで寄り添って動けないでいる間モトヒロは戻ってこなかった。

ビーチの入り口にもいない。

我が友チヒロとユウキは前の日以上にトボトボと宿に帰った。

フロントのカウンターに親切なギリシャ人はいなかった。

かわりにいたのはギリシャ女性。

「どうでした?スーパーパラダイスビーチは?」

困ったようなニヤニヤ笑いを浮かべると、カギを受け取り二人は階段を上り始めた。

カウンターの女性が消えたフロントの控え室から、ギリシャ人達の大爆笑が巻き起こった。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

来月からはアテネオリンピック。

ギリシャにいったら、ミユノスのスーパーパラダイスビーチも忘れずに。

いや、きっと海水の温度も高いし、世界最高の塩水露天風呂だと思えば、たいしたことないと思うよ。

The End

NEXT 「恐怖!!台湾夜話」

Uploads on coming monday!!

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2004.07.12

伝説のスーパーパラダイスビーチを求めて(2)

ミユノスの夜は明けた。ヌーディストビーチを求めて旅立った我が友が見たものとは・・・・

旅立ちの朝が来た。

オレンジジュースにトーストを食べる三人はすでに気もそぞろ・・・・

「どのくらいの人数がいるんですかねえ~」

ユウキが期待に目を輝かせながら話し出した。

「ヌーディストビーチってことは、僕たちも裸って事ですよね?人数が少ないと恥ずかしくないですか?」

「・・・・・・・」

我が友チヒロとモトヒロの二人は、このときになって「のぞき」にいくのではな「ヌーディストビーチにいく」ことに気づいたのだった。

「いっぱいいるんじゃないか。少ないと恥ずかしいし。ヌーディストビーチに日本人がいるとは思えないから、人数が少ないとジロジロみられちゃいそうだな」

我が友チヒロがいった。

「股間とか見られて「プッ・・・」とかされたら恥ずかしいですよね」

モトヒロ

「硬さでは負けないはずだ!!」

我が友チヒロは日本男子の意地を見せていった。

「でもチヒロさん。女の子と二人でベットインしてるんじゃないんですよ?ヌーディストビーチでち○こ反り返らせて硬さを誇示してるのもちょっと違うんじゃないですか?」

ユウキはやけに冷静だ。

「大変だ!!二次元のカララさんの乳首でも勃起できるのに、リアルで大量のピンクの乳首を見たら、間違いなく反り返ってしまう!!」

モトヒロがあわてて言った。

「それなら硬さを誇示できるだろう?」

我が友チヒロ。

「そんなに沢山の人の前で反り返らせることができたら、おまえAV男優になれるぞ」

ユウキの言葉に、モトヒロはうなだれた。

「反り返ってもダメ、反り返らなくてもダメ・・・どうすればいいんですか?」

モトヒロが情けない声で言った

「ちん○内ももに挟んで女の子の振りしとけば?」

「いっそのこと、小さい日本の旗もって、反り返ったら旗つければ。ウケるかもよ」

昨日は大張り切りだったモトヒロが鳴きそうな顔でつぶやいた。

「もういきたくなくなってきた・・・・」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
夕方。

とぼとぼとフロントの前を通り過ぎる三人を見つけ、昨日のギリシャ人がはなしかけてきた。

「ヘイ!!ガイズ!!今日はパラダイスビーチには行ってきたかい?」

三人は元気なくうなずいた。

「ヘイ!!元気ないなあ~。いいとこだったろ?パラダイスビーチ」

三人はまたしても元気なくうなずいた。

「なんだよ。どうしたんだよ?」

モトヒロが口を開いた

「ノーピンク。エブリガールブラウン。アンド ビッグ」

「ノーピンク?」ギリシャ人

「イエス!!アンド ノープレイボーイ エブリバディ グラビアアイドル」

「パードン?」ギリシャ人にはまったく意味がわからないようだった。

だがモトヒロはこう言いたかったのだ

「乳首がピンクな女の子はいなくて、みんな茶色い乳首で、しかも乳輪がでかかった」
「USプレイボーイのような素っ裸の女性はいなくて、みんなグラビアアイドルみたいにトップレスだった」

「ガールズ ノー ブラジャー。バット エブリバディ パンツ」

ユウキが手振りを交えてなんとか通訳した。

「シット!!今日はショボイ観光客しかいなかったんだな。いつもはバリバリ脱いでるのに」

ギリシャ人は三人を哀れむように言った。

我が友チヒロは、その時、ロビーの椅子を見ていた。座りたかったのだ。

だがこのとき、もし彼がギリシャ人を見ていたとしたら気がついていただろう。

「かわいそうに・・・」という形にした眉の下に、僕が時々見せる危険な瞳が輝いていたことに・・・・

「オーケー ガイズ!!君たちに特別の場所を教えよう」

ギリシャ人がユウキとモトヒロにささやくように話しはじめた。

「これは普通の客には教えないんだ。でも、君たちには教えよう。パラダイスビーチから三つ先の入り江に、すっごくご機嫌なビーチがあるんだ。一般の観光客には絶対教えないシークレットビーチさ」

「チヒロさん!!」ユウキが我が友を呼び戻した。「どうやらちゃんとしたビーチがあるそうですよ。シークレットビーチなんですって!!」

ギリシャ人は真剣なまなざしの三人を前にして、周りをうかがうようにしたあと、小さな声で言った。

「そのビーチでは、みんな全裸だ。君たち全裸になる勇気はもってるんだろうな?」

三人は顔を合わせると「イエス!!」と声を揃えて言った。

ほかの二人は知らないが、我が友チヒロは、「特別」「シークレット~」にはめっちゃ弱い。

「おいおい!!そんなおっきい声を出さないでくれ。奥の連中に俺がシークレットビーチの秘密を話した事がバレちまうよ。そのビーチでは誰もが全裸で、しかも簡単に葉っぱなんかも手に入るんだ。この島ではNO.1の場所さ。その入り江の名前はスーパーパラダイスビーチっていうんだ。まさにこの世の楽園。聖書のエデンがこんなに素晴らしかったら、絶対アダムもイブも禁断の果実なんか口にしなかったっていうぐらいの場所なのさ!!」

三人はゴクリとつばを飲み込んだ。

そして言った。

「マップ プリーズ」

親切なギリシャ人はスーパーパラダイスビーチへの地図を書き、入り江の入り口の絵まで描いてくれた。

「当然の事ながら、スーパーパラダイスビーチには看板なんてないからな。君たちはかならずこの入り口で服を脱いで全裸になってから荷物を持ってビーチに入っていかなきゃダメだぜ。スーパーパラダイスビーチの連中は仲間には国籍や人種を問わずに親切だが、仲間以外のヤツらには冷たいからな。ちゃんと裸で入ってくるかどうかが、単に迷い込んで来ただけのヤツか、仲間の紹介を受けてやってきたヤツかを見分ける基準なんだ。俺のメンツをつぶさないでくれよ」

三人はにっこりと笑みを浮かべると、フロントのギリシャ人に「サンキュー!!サンキュー!!」と言って部屋へ戻った。

後ろ姿を見送るギリシャ人の顔が意地悪にゆがんでいるのも知らずに・・・

To be continue.

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2004.07.05

伝説のスーパーパラダイスビーチを求めて(1)

エーゲ海の真珠。ギリシャはミユノス島。
美しいこの島で、伝説のスーパーパラダイスビーチを求めてさすらう「我が友」チヒロの物語。

僕が出不精で、仕事とスキューバダイビング以外の目的では、旅をしない事は以前話した。

だが、「我が友」チヒロ(今回は主役なので名前をつけました)は違う。

エジプトにいって水たばこを吸ってきたり、イースター島に一人で行って、イースター島の石をおみやげにくれたり、ヨーロッパにサッカー見にいったり、それはそれは忙しい。

英語も堪能というわけではないのだが、ともかくあっちこっちいくのが好きな男である。

当然といえば当然だが、海外でできる友達もまともなのは一人もいない。

イスラム圏での、「大」をしたときの手でおしりを拭くやりかたを、詳細に説明してくれる女性だとか、北海道でこっそり「葉っぱ」を栽培してる男とか、(当然捕まって新聞にも出ました(-_-;))その「葉っぱ」をキメさせられて、「すっご~くお腹がすくよ」と暗示をかけられ、食べ放題のケーキ屋さんにいって、信じられないほどのケーキを食べて、店内で思いっきり吐いた女とか・・・・

しょうもない(けど面白い)友達ばっかり作ってくる。

そのなかでも僕のお気に入りの話は、「口から龍が出てきた男の話」だ。

これは我が友チヒロが、エジプトで一緒になった友人に聞いた話。

東南アジアの某国。夜、10人くらいの海外放浪仲間がたき火を囲んでビールなどを飲んでいた。

もちろんビールだけのはずはなく、各自お気に入りの葉っぱやら、なにやらをキメて、熱い東南アジアの夜をたき火を見ながらぼんやりと過ごしていた。

そのうち一人がLSDを飲み始めた。

しばらくして、そいつが「気持ワルッ!!」というと、草むらに消えた。

しばらくして、草むらの中から、「ウオ~ッ」という凄まじい絶叫が!!

流石に残りの全員が、まったりとした気分から醒め「どうした!!」と叫ぶと、草むらの中から、凄まじい形相で、LSDをキメたそいつが、走り出して来た。

そいつは火が燃えてるたき火をものともせず、ビーサンに短パンという姿で、踏みしめて走ると、反対側の草むらに消えた。

「ウオ~ッ!!」猛獣に生きながら喰われているような、凄まじい絶叫がまたもや闇の中から聞こえ、再びこちら側に走って来る音がする。

全員で、再度凄まじい形相で走って来たそいつを、たき火の前で押さえつけ、仰向けにしてビンタして、「どうした!!しっかりしろ!!」と言うと、そいつはでっかく見開いた目で「俺の!!俺の口から~」

「龍が出た!!」

そう叫ぶと、自分に馬乗りになってる友人の顔に「ブハッ!!」とゲロを吐きかけ、再度「ウオ~ッ!!」と叫んで気絶した。


どうやら、LSDの幻覚作用で、そいつには自分のゲロが龍に見えていたらしい。

友人達は、気を失ったその男を思いっきり殴りつけた上で(ヒドッ!!)、再びたき火の前で瞑想にふけった。

翌日目をさましたその男は、自分の顔がゲロまみれ、アザまみれなのを見て「俺、どうしてこんな顔に・・・・」

友人達はそろって「昨日おまえはラリって、転がってる丸太に顔からこけたんだよ」と言ったという。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
さて、ミユノス島にやってきた我が友チヒロがホテル(?)で知り合ったのは、ユウキとモトヒロという二人組。

残念ながら、女の子は一人もいなかった。

まあ、エーゲ海の真珠とよばれるような島なら、女の子は彼氏と来るよね。

一人旅ではこない。

だが三人は、そんなことはちっとも気にならなかった。

なぜなら・・・・

「チヒロさん!!オレ、昨日郊外にいったとき、何見たと思います?」

そういったのはユウキだ。

「オートバイに乗ったカップルですよ」

「そんなの珍しくないじゃん」

我が友チヒロは答えた。

「そうですか?乗ってたカップルが全裸だったとしてもですか?」

我が友チヒロもモトヒロも目が点のようになった。

「全裸でタンデム?」

「そう、全裸でタンデム」

我が友チヒロのいいところ。

それは信じるにせよ、否定するにせよ、とりあえずその目で確かめるまでは、答えを出さないということだ。

ここが自分の世界観に相入れないものは、頭から否定したり、どう考えてもウソ臭くても、自分の気に入る事なら信じてしまうシュガケンなんかとは違うところで、僕も大いに見習わせてもらっている。

そんなわけで、翌日、我が友、ユウキ、それにモトヒロの三人は、ユウキが全裸でタンデムのカップルを見たという郊外に繰り出した。

確かに全裸でタンデムのカップルはいた。

しかも普通にいた。

三人は満足して帰途についた。

「ここはヌーディスト島なんでしょうか?」
モトヒロが言った。

「でも、ホテルのにーちゃんなんかは、服きてるぞ?」
我が友チヒロ

「井手らっきょ島なんですかね?」
ユウキ

「それはイヤですよ!!上島竜平島でもイヤですけど」
モトヒロ

三人は無数の井手らっきょと上島竜平が全裸で闊歩する島を想像してげんなりした。

ホテルに帰ると、フロントとは名ばかりの受付でギリシャ人のにーちゃんが声をかけてきた。

「ヘイ ガイズ!!なんかいいものみれたかい?」

我が友チヒロは言った
「ウイ シー オールヌード カップル タンデム オートバイ ブンブン!!」
(ボクラハ ハダカデ フタリノリシテ ブンブンシテル カップルミタヨ)

もちろん「ブンブン」は振りつきだ。英語の苦手なギリシャ人と話すには有効な手段なのだ(我が友談)

「オウ!!そんなのこの島じゃ、あたりまえだぜ!!まあ、島民はそんなことしないけどな。君たち、まだパラダイスビーチにはいってないのかい?

パラダイスビーチ?なんだそれ?

「チッチッチッ!!この島に来てパラダイスビーチにいかないなんて!!こっからすぐ近くだぜ!!」

「ホワット パラダイス ビーチ?」

「カモ~ン!!エーゲ海の真珠ミユノスに来た癖に、パラダイスビーチを知らないのかい?つまりヌーディストビーチさ!!エブリバディ オールヌード。アンダスタンド?」

英語が不自由な三人にも「エブリバディ オールヌード」というところは理解できた。

パラダイスビーチ。みんなが全裸の夢のようなビーチ・・・・・

三人はフロントのギリシャ人にパラダイスビーチへの地図をもらった。

海賊の宝島への地図のように、その地図を握りしめたモトヒロが言った。

「カララさんのように、ピンクの乳首の外人さんが一杯いるといいな」

「誰だよ!!カララさんて!!」

ユウキ

「伝説巨神イデオンだろ?」

と我が友

「そうです!!チヒロさん、知ってました?」

「おう!!俺の友達に円というのがいるけど、好きだからな」

「イデオンいいですよね~。ちゃんとした時間のアニメで女性の乳首描いたのはイデオンがはじめてなんですよ」

「なんだ!!外人じゃなくて宇宙人じゃん!!」
ユウキはちっとも面白くないといった顔でビールを飲んだ。

そこから、二人はヲタな話をはじめた。

ユウキが席を立った

「俺、明日に備えてすね毛剃ってから寝ます」

何故、すね毛を剃る必要があったのか?それはいまだに我が友チヒロにも謎だそうだ。

かくして、ミユノスの夜はふけていった・・・・

To be continue.

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