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2008.01.21

円海VS人民解放軍(4)

「36式ですよ」

よくわからんけど、どうやらアメリカ製のM3のコピーらしい。

中国軍って、こんなものまでコピーしてたんだろうか?

「これってフルオートで撃てるの?」

「もちろんです。」

軍人さんはニコリと笑ってそういった。

注意しなければならない。

M3がどのくらいの速度でフルオート射撃できるかわからないが、小刻みに撃っていっても、30秒かそこいらでマガジンがカラになるのは間違いない。

料金は弾丸一発につきいくらだから、我を忘れて夢中になったりしたら、いったいいくらになるかわかったもんじゃない。

「どうしますか?やめますか?」

考え込んでいる僕に軍人さんはそういうと、ニヤリとバカにしたような笑顔をむけた。

なんだこのやろ~っ!!

若さ故の過ち?むかっとした僕は「やりますよ。とりあえずマガジン二つ分弾下さい」といって、36式短機関銃を受け取った。

 

(-_-)(-_-)(-_-)(-_-)(-_-)

 

統計員と兵隊さん二人を従えて、拳銃用のレンジに僕が向かおうとすると、兵隊さんが「違う、違う」という。

短機関銃用のレンジがあるのかと、二人についていくと、つれていかれたのはなんと最初にAKを売ったライフル用のレンジだった。

「ターゲットは?」

そうきくと、100m先に人型の標的があがってきた。

「あれです。」

僕はきわめて不愉快な顔をした。

そりゃ当然だ。

サブマシンガンの弾丸は基本的に拳銃弾と同じだ。

つまり拳銃の場合普通は20m、がんばって狙って50m先にあてられるかどうかだから、フルオートのサブマシンガンでは50m先だって打ち抜けるもんではない。

それを100m先ってど~よ?

ランボーだって無理だぞ?

こいつら軍人なのか?本当に?

そうおもって銃をもっている兵隊の顔を見ると、ニヤニヤしている。

マガジンをもっているもう一人の顔をみると、やはりニヤニヤしている。

こいつら・・・承知の上でやってやがるなっ!!

僕はとりあえず統計員に最初のマガジンを撃たせる事にした。

「大丈夫かなあ・・・」

統計員は不安そうな声をだしながらも、顔は嬉しそうだった。

そりゃそうだ。

ミリタリー ヲタなら国籍をとわず、フルオートの銃を撃つときには胸が高鳴る。

統計員は慎重に狙いをつけると、引き金を絞った。

ガガガガガガッっと続けて音がしたと思うと、すぐに射撃音はやんだ。

「ひょおお~」

統計員は驚いた顔をしてこちらを見た。

あたったようには見えない。

兵隊さんが双眼鏡で除き「全部はずれてる」といった。

う~ん。標的のさらに先は崖になっているのだが、そこに土煙があがった様子もなかったぞ?

もちろん地面にあたった様子もない。

ってことはあれだけ慎重に狙って撃ったのに、反動で弾丸は崖を飛び越えて飛んでいったということだろうか?

「はい。」

とりあえず満足そうな顔をした統計員が、僕に銃を渡した。

「え?もういいの?」

「はい。もう終わりです。」

「え?」

僕がマガジンを抜き出すと、たしかにカラになっていた。

マガジンがカラになるまで数秒かからなかったぞ・・・・

僕に次のマガジンを渡した兵隊さんの顔は、またしてもニヤニヤした顔だ。

やばいぞ!!

当たらずにやめれば「金が惜しいのかこのヘタレ!!」と思われる。

当たるまでやれば、あっというまに1万円くらいは余計にかかる。

しかも問題なのは、僕の腕ではなく、このサブマシンガンの性能上の問題で100m先のターゲットを撃抜けることはまずありえないということだ。

となると、さんざん金を使って「このへたくそめ!!」と思われてすごすごと帰ることになるってことだ・・・・・

なってこったいっ (>_<)

もちろん今から「サブマシンガンで100m先を撃ち抜けるはずないだろ」といって、ショットガンの時のように50m先にコーラのビンを出してもらうことはできるだろう。

しかし、性能上100m先は打ち抜けないってことは、こいつらが一番良く知っているのだ。

知っていてあえて日本人の僕に「あててみろ」と挑戦してきているのだ。

僕にだって日本男子としての意地がある。

こんなへなちょこのだらしない格好した兵隊風情に、なめられてたまるかっ!!

 

僕は黙って新しいマガジンを銃に押し込むと、スチール製の銃床を肩につけて、慎重にターゲットの腹の部分を狙って軽く引き金をひいた。

ガガッ!!と音がして、ターゲットの後方の崖の上の方に着弾した土煙があがった。

腹狙って撃ったのに、あんなとこに着弾するのか(-_-;)?

当然の如くターゲットには一発もかすってなかった。

ニヤニヤ

ニヤニヤ

二人の兵隊さんがにやけた顔をして僕を見ている。

気がつくと、斜め後ろにはいつの間にか軍人さんがたって、僕を見ていた。

流石にニヤニヤはしてないが、頬にはいかにも楽しそうといったシワを浮かべていた。

くっそおお~っ!!

だが、ここで冷静さを失ったら負けだ。

弾丸を追加して、しかも当てられないという最悪のパターンにはまってしまう。

僕はもういちどレンジをながめて、崖の着弾した位置を思い出した。

それはターゲットのほぼ真上だ。

ということは、弾道は上にはずれるが、左右にはずれていないということだ。

だとしたら、狙いを思いっきりターゲットの手前につけて、そこから上にむけて掃射していけば、当たるんじゃないだろうか?

理屈からいえばそうだ。

マガジンには、まだ15発くらいは残っているはずだから、手前の地面を撃って、着弾の土煙をみながら銃口をあげていき、後ろの崖に着弾の土煙があがったら銃口を下げる。

いける!!これならいけるぞ!!

僕は前足のつまさきをターゲットの方向に向けて、銃床を肩につけると、やや腰を落とし気味に構えた。

狙いはターゲットの10mほど手前にした。

先ほどの崖への着弾の位置からして、これくらい手前を狙えば、間違いなく初弾はターゲットの手前の地面に着弾するはずだ。

息をとめて、ゆっくりと引金を絞る。

初弾は案の定、ターゲットの7mほど手前に土煙をあげた!!

フルオートの銃声のなか、銃口を上に小刻みに上にあげる。4m前、2m前と土煙があがり、ついには土煙は見えなくなったので、その位置で銃口を固定して銃声が消えるまで引金を絞りつずけた。

これなら当たってるだろ?

兵隊さんの一人が双眼鏡をのぞき込んだ。

「あ、あたってる・・・・」

僕が双眼鏡を除いてみると、三発が命中していた。

しかも腹、胸、頭に一発ずつだ。

「うひゃ!!凄いな。三発もあたってるじゃないですかっ!!」

双眼鏡をわたされた統計員が僕の顔を見て笑いながら言った。

その声をききながら、マガジンに弾をつめていた兵隊が双眼鏡をのぞき「おおっ・・・」とため息のような声を出した。

残念だったな。そんなマガジンもういらないから。

もう終わりですからっ!!

「まあ、民間人といえども、これくらいのことはできないと、アメリカをはじめとして世界を相手に4年間も戦争はできんわけだな。良いか悪いかは別として。これが日本人の実力ってものなのだよ。」

そういうと、僕は笑顔で短機関銃を兵隊さんに返した。

 

(-_-)(-_-)(-_-)(-_-)(-_-)

 

フロントで日本円にして一万円ちょいのお金を払い、僕等はまたせていたタクシーに乗り込んだ。

タクシーを切り返すときに、入り口のところに軍人さんが立って僕等のタクシーを見ているのが見えた。

見送りとかいうのではなく、単にみている感じだ。

「勝ったな。人民解放軍のアホどもに完璧に勝った。」

僕はタクシーのなかでそうつぶやいた。

僕等を乗せたタクシーは、夕暮れの山をのろのろと街に向かって下りていった。

 

 

To be continue.

Uploads on coming monday!!

see you (^_-)