円海VS人民解放軍(4)
「36式ですよ」
よくわからんけど、どうやらアメリカ製のM3のコピーらしい。
中国軍って、こんなものまでコピーしてたんだろうか?
「これってフルオートで撃てるの?」
「もちろんです。」
軍人さんはニコリと笑ってそういった。
注意しなければならない。
M3がどのくらいの速度でフルオート射撃できるかわからないが、小刻みに撃っていっても、30秒かそこいらでマガジンがカラになるのは間違いない。
料金は弾丸一発につきいくらだから、我を忘れて夢中になったりしたら、いったいいくらになるかわかったもんじゃない。
「どうしますか?やめますか?」
考え込んでいる僕に軍人さんはそういうと、ニヤリとバカにしたような笑顔をむけた。
なんだこのやろ~っ!!
若さ故の過ち?むかっとした僕は「やりますよ。とりあえずマガジン二つ分弾下さい」といって、36式短機関銃を受け取った。
(-_-)(-_-)(-_-)(-_-)(-_-)
統計員と兵隊さん二人を従えて、拳銃用のレンジに僕が向かおうとすると、兵隊さんが「違う、違う」という。
短機関銃用のレンジがあるのかと、二人についていくと、つれていかれたのはなんと最初にAKを売ったライフル用のレンジだった。
「ターゲットは?」
そうきくと、100m先に人型の標的があがってきた。
「あれです。」
僕はきわめて不愉快な顔をした。
そりゃ当然だ。
サブマシンガンの弾丸は基本的に拳銃弾と同じだ。
つまり拳銃の場合普通は20m、がんばって狙って50m先にあてられるかどうかだから、フルオートのサブマシンガンでは50m先だって打ち抜けるもんではない。
それを100m先ってど~よ?
ランボーだって無理だぞ?
こいつら軍人なのか?本当に?
そうおもって銃をもっている兵隊の顔を見ると、ニヤニヤしている。
マガジンをもっているもう一人の顔をみると、やはりニヤニヤしている。
こいつら・・・承知の上でやってやがるなっ!!
僕はとりあえず統計員に最初のマガジンを撃たせる事にした。
「大丈夫かなあ・・・」
統計員は不安そうな声をだしながらも、顔は嬉しそうだった。
そりゃそうだ。
ミリタリー ヲタなら国籍をとわず、フルオートの銃を撃つときには胸が高鳴る。
統計員は慎重に狙いをつけると、引き金を絞った。
ガガガガガガッっと続けて音がしたと思うと、すぐに射撃音はやんだ。
「ひょおお~」
統計員は驚いた顔をしてこちらを見た。
あたったようには見えない。
兵隊さんが双眼鏡で除き「全部はずれてる」といった。
う~ん。標的のさらに先は崖になっているのだが、そこに土煙があがった様子もなかったぞ?
もちろん地面にあたった様子もない。
ってことはあれだけ慎重に狙って撃ったのに、反動で弾丸は崖を飛び越えて飛んでいったということだろうか?
「はい。」
とりあえず満足そうな顔をした統計員が、僕に銃を渡した。
「え?もういいの?」
「はい。もう終わりです。」
「え?」
僕がマガジンを抜き出すと、たしかにカラになっていた。
マガジンがカラになるまで数秒かからなかったぞ・・・・
僕に次のマガジンを渡した兵隊さんの顔は、またしてもニヤニヤした顔だ。
やばいぞ!!
当たらずにやめれば「金が惜しいのかこのヘタレ!!」と思われる。
当たるまでやれば、あっというまに1万円くらいは余計にかかる。
しかも問題なのは、僕の腕ではなく、このサブマシンガンの性能上の問題で100m先のターゲットを撃抜けることはまずありえないということだ。
となると、さんざん金を使って「このへたくそめ!!」と思われてすごすごと帰ることになるってことだ・・・・・
なってこったいっ (>_<)
もちろん今から「サブマシンガンで100m先を撃ち抜けるはずないだろ」といって、ショットガンの時のように50m先にコーラのビンを出してもらうことはできるだろう。
しかし、性能上100m先は打ち抜けないってことは、こいつらが一番良く知っているのだ。
知っていてあえて日本人の僕に「あててみろ」と挑戦してきているのだ。
僕にだって日本男子としての意地がある。
こんなへなちょこのだらしない格好した兵隊風情に、なめられてたまるかっ!!
僕は黙って新しいマガジンを銃に押し込むと、スチール製の銃床を肩につけて、慎重にターゲットの腹の部分を狙って軽く引き金をひいた。
ガガッ!!と音がして、ターゲットの後方の崖の上の方に着弾した土煙があがった。
腹狙って撃ったのに、あんなとこに着弾するのか(-_-;)?
当然の如くターゲットには一発もかすってなかった。
ニヤニヤ
ニヤニヤ
二人の兵隊さんがにやけた顔をして僕を見ている。
気がつくと、斜め後ろにはいつの間にか軍人さんがたって、僕を見ていた。
流石にニヤニヤはしてないが、頬にはいかにも楽しそうといったシワを浮かべていた。
くっそおお~っ!!
だが、ここで冷静さを失ったら負けだ。
弾丸を追加して、しかも当てられないという最悪のパターンにはまってしまう。
僕はもういちどレンジをながめて、崖の着弾した位置を思い出した。
それはターゲットのほぼ真上だ。
ということは、弾道は上にはずれるが、左右にはずれていないということだ。
だとしたら、狙いを思いっきりターゲットの手前につけて、そこから上にむけて掃射していけば、当たるんじゃないだろうか?
理屈からいえばそうだ。
マガジンには、まだ15発くらいは残っているはずだから、手前の地面を撃って、着弾の土煙をみながら銃口をあげていき、後ろの崖に着弾の土煙があがったら銃口を下げる。
いける!!これならいけるぞ!!
僕は前足のつまさきをターゲットの方向に向けて、銃床を肩につけると、やや腰を落とし気味に構えた。
狙いはターゲットの10mほど手前にした。
先ほどの崖への着弾の位置からして、これくらい手前を狙えば、間違いなく初弾はターゲットの手前の地面に着弾するはずだ。
息をとめて、ゆっくりと引金を絞る。
初弾は案の定、ターゲットの7mほど手前に土煙をあげた!!
フルオートの銃声のなか、銃口を上に小刻みに上にあげる。4m前、2m前と土煙があがり、ついには土煙は見えなくなったので、その位置で銃口を固定して銃声が消えるまで引金を絞りつずけた。
これなら当たってるだろ?
兵隊さんの一人が双眼鏡をのぞき込んだ。
「あ、あたってる・・・・」
僕が双眼鏡を除いてみると、三発が命中していた。
しかも腹、胸、頭に一発ずつだ。
「うひゃ!!凄いな。三発もあたってるじゃないですかっ!!」
双眼鏡をわたされた統計員が僕の顔を見て笑いながら言った。
その声をききながら、マガジンに弾をつめていた兵隊が双眼鏡をのぞき「おおっ・・・」とため息のような声を出した。
残念だったな。そんなマガジンもういらないから。
もう終わりですからっ!!
「まあ、民間人といえども、これくらいのことはできないと、アメリカをはじめとして世界を相手に4年間も戦争はできんわけだな。良いか悪いかは別として。これが日本人の実力ってものなのだよ。」
そういうと、僕は笑顔で短機関銃を兵隊さんに返した。
(-_-)(-_-)(-_-)(-_-)(-_-)
フロントで日本円にして一万円ちょいのお金を払い、僕等はまたせていたタクシーに乗り込んだ。
タクシーを切り返すときに、入り口のところに軍人さんが立って僕等のタクシーを見ているのが見えた。
見送りとかいうのではなく、単にみている感じだ。
「勝ったな。人民解放軍のアホどもに完璧に勝った。」
僕はタクシーのなかでそうつぶやいた。
僕等を乗せたタクシーは、夕暮れの山をのろのろと街に向かって下りていった。
To be continue.
Uploads on coming monday!!
see you (^_-)
