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2007.03.28

ゆんたくアクマちゃん(56)ー脳に訴えかけてくる作り手の知性とセンス。ピエール・エルメのイスパハンー

めっちゃ風邪ひいてしまったので、更新は4月9日にします。

申し訳ありません_(_^_)_

先日、来月出産予定のかまやつのお花見会ならぬお腹見会(?)がありました。

平日なので、出席者はかまやつ、高速841、我が友、私の4人。

新宿の小田急ハルクで、叙々苑の焼肉会席を食べようかといっていたのですが、臨月を迎えたかまやつが、今日は焼き肉はあ~(ってお前が焼肉くいて~といったんだろうがっ!!)と言いだし飲茶に。

いや、妊婦の腹って、すっごい硬いんですねえ。

以前も触ったことあるから、はじめてって事はないんだけど、びっくり。

お腹の中の赤ちゃんて、足でお腹蹴るだけだと思ったら、「手で恥骨を押す」とか、「仰向けに寝ると私の腰が痛いので、横向きに寝ていると、赤ちゃんはすわりが悪いのか、仰向けになれ!!とお腹の中で暴れる」とか、「最近は赤ちゃんが1時間おきに寝たりおきたりしてるけど、ちょっと前までは私が寝てようが起きていようが20分おきに寝たりおきたりで大変だった。」とかいう話しをきいて、自分の腹の中に別の生命体を宿すことの不思議さをたっぷり堪能させていただきました。

やっぱり足でお腹を蹴られると、エイリアンみたいにお腹がムニュッともちあがるとかで、かまやつは寝てるのに、お腹だけあっちでムニュ、こっちでムニュとかしてるの旦那がみたら怖いだろうなとか思ったり(^_^;)

でも臨月間近の女性は幸せそうでいいです。

飲茶が終わってから、パフェが食べたいとかで、タカノフルーツパーラーへ。

流石にパフェは恥ずかしいとタイ産マンゴーのなんたらを頼んだのですが、我が友はかまやつや、高速841共々、堂々とイチゴパフェを食ってました。

「お前恥ずかしくないの?」というと、「いい年した男が、ここに来る事自体がすでに恥ずかしいことだから、そういう恥じらいは無駄。」と。

そうですか・・・

で、解散となったのだけれども、新宿に来た以上、去年の4月にファイブスター物語12巻を読んで以来食べてみたいと思い続けていた、ピエール・エルメのイスパハンを買いに伊勢丹の地下へ。

店先には焼き物菓子ばかり並んでいたので、「イスパハンはないのか?」と思ったけど、勇気を出して(?)奥に入ったらありましたよ!!イスパハン。

そう、ファイブスター物語の読者にはおなじみの「窒素冷却解凍のピエール・エルメの゛イスパハン″世界一のケーキ!!このバラの香り!」です。

泣きだしたゴチック・ナイアス嬢を10分で御機嫌にさせられるケーキですwww。

2つ買い、家に帰ってからバラのマカロンに木莓とライチ、クリームをはさんだイスパハンを胸ときめかせながら一口。

あれ、たいした事ない?と思ったけど、それはマカロンのとこだけだからでした。

すべての材料が口に入った二口目。

マカロンとクリームの甘味と、ライチ、木莓のそれぞれ異なった甘味と酸味が絶妙のバランスで組み合わされたすばらしい味わい、マカロンのさくっとした食感と、ライチの柔らかさ、木莓の弾力を組み合わせた食感の両方に、知的に興奮しまくる脳。

食べたあと、「おいしーね~」と言えるケーキや、食事のあと食べて、思わず顔がほころんでしまうようなデザートというのはこれまで何度かありましたけど、口にした途端、脳に作り手の知性とか、センスが直接訴えかけてくるケーキ体験というのは、これが初めてでした。

素晴らしいです。

二個買ってよかった!!

流石はスイーツ界のピカソ!!(と、買ったときついていた紹介文に書いてあった)

こういうモノを10代で食べたら、「僕はパティシエになる!!」って絶対思っちゃうだろうな。

もう若くない自分は、このすばらしさを理解できる舌と脳ミソがあるだけで十分満足感謝だけど。

ああ、先月亡くなった長老よっしーに食べさせてあげたかった(-_-)

でも、これ食べたおかげで、今後は甘いモノ食べるたびに、何か物足りなさを感じてしまうかも。

もう一個は翌日たべさせていただきました。(賞味期限は当日なんだけどね!!)

生きてるってすばらしいやね。

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2007.03.26

悪夢の香港癬→彼の失敗、彼女の島(20)

チヨが料理を食べ終わり、デザートをとりにいくというので、僕も一緒にバイキングテーブルに向かった。

我が友チヒロとサワムラさんが二人になるチャンスをつくった訳だ。

「二人やな。」

チヨがすっごい横目で二人のテーブルを見ながらいった。

「いや、何もそんなに横目にならなくても見てないから。こっち。」

もちろん我が友はサワムラさんを見ているし、サワムラさんはまだ食事が終わってないので、皿を見ている。

「チヒロさん、サワムラさんを夜の散歩にさそうやろか?」

「さあ・・・どうかね~?」

「はなさんな~、サワムラさんを見るばっかしやん。なんで?」

見てみると、サワムラさんはお皿に目をむけて、必死にナイフとフォークを動かしていた。

我が友チヒロはそれを見つめている。

二人の間に会話はなかった。

僕とチヨはデザートを選ぶと、二人の様子をうかがい、どうも会話がないままになりそうだと判断すると席に戻った。

「サワムラさん、ど~したんですか?」

チヨがサワムラさんに聞いた。

サワムラさんは、ローストビーフをナイフで切るのに手こずっていた。

「ナイフまちがっちゃったかな?」

サワムラさんがどうやっても切れないローストビーフをみつめて言った。

「ギザギザのついているほうが、肉用ですよ。」

僕はサワムラさんに言った。

「どっちもついてない・・・」

自分のテーブルに並んだ、もういっぽうのナイフを確認してサワムラさんが言った。

う~ん。ボーイがセッティング間違えたんだな。

僕がボーイに頼もうかと思ったとき、我が友チヒロが動いた。

「これ使えよ。」

そういって、自分の未使用のナイフをサワムラさんに渡そうとした。

いいぞ!!我が友チヒロよっ!!

「いらない。」

サワムラさんは、我が友チヒロの手にあるナイフをちらりと見ると言った。

「・・・・・・」

僕とチヨの視線が合った。

これはどういうこと?

何がおこっているの?

「人の好意は素直にうけろよっ!!」

我が友チヒロも、流石にかなりムッとした顔でそういい、肉用ナイフをサワムラさんのテーブルにおいて、デザートを取りにいった。

するとサワムラさんは、ローストビーフに自分の魚用ナイフをぐさりと直角につきたてた。

そこから強引に切るというより、引き離していくと、一片ずつムシャムシャと口にいれ食べきった。

「これは返しておこう。」

そう言って我が友チヒロがテーブルにおいたナイフを返すとデザートを取りに席を立った。

僕はサワムラさんの後ろ姿を見ながらチヨにいった。

「あのさ~。サワムラさんて意外と強情モン?」

「え~。まあ、そういう時もあるけど、仕事の時とかの話で・・・・二人の間に何かあったん?」

「いや・・・まさかオレ、変な地雷踏んでないよな?」

「私や円さんやないやろ?さっきまで機嫌良かったし。」

「ではチヒロか?」

「それ以外ないやん・・・・」

「でも、貸してくれたナイフを使いたくないくらい仲悪くなるようなことあったか?未使用だぞ?」

「さ、さあ・・・私はきずかんかったけどお・・・」

そのうち我が友チヒロが戻ってきたので、僕等は話すのをやめた。

なんか絶望的な予感・・・・

 

(-_-)(-_-)(-_-)(-_-)(-_-)

 

食事が終わると、予定通り僕等の部屋でゲームをすることになった。

最初は心理ゲーム。

これは予想以上に盛り上がった。

「よ~し!!次はジェンガだっ!!」

我が友チヒロが絶叫し、鞄からジェンガを取り出した。

だが出てきたのはジェンガだけではなかった。

一緒に取り出された箱には、赤い付け鼻、マユ、SM女王マスク、ヒゲ、ピンクほっぺなど、しょうもない変装グッズが入っている。

「崩したヤツはこれ一個ずつつけるんだぞ!!」

我が友チヒロがはりきって言った。

ゲームがすすんだが、僕は何もつけない。

一方でサワムラさんはSM女王マスクにほくろ。

チヨはSM女王マスク、つけばな、ピンクほっぺ、ヒゲ。

そして我が友チヒロはカールおじさんのヒゲにぶっといマユ、赤鼻・・・・

「円。なんでお前は負けない?」

我が友チヒロが憎々しげな顔で言った。

「パラオの精霊がついているからな。オレには。」

「円さんを変装させるまではやめられへんわ。」

チヨがマジメな顔でそう言って、またゲームがはじまる。

マジで悔しいらしい。

一応10代の乙女だからな。

だが、いくらやっても、この夜の僕は負け知らずだった。

一方で、他の三人は当然ながら負けがこんでくる。

サワムラさんが負けると、我が友チヒロは変装グッズをつけようとするが、サワムラさんはチヒロの指をさけ、一切さわらせなかった。

そのたびに、僕とチヨの目があった。

「あかんわ・・・・」

「何もそこまで・・・・」

僕等は目が合うたびに、心の中でつぶやいた。

そのうち、なにやらあやしい感じになってきた。

サワムラさんがコマを積むたびに、僕の前に体を投げ出すようにしてくるのだ。

こ、これは・・・・

SM女王マスクの効果で大胆になっているのかっ!?

だが、全然喜ぶ訳にはいかなかった。

目の前には我が友チヒロがいるのだ!!

しかもその目は蛇のように冷たい光を放ち始めている!!

「いや、もう君達が束になってかかっても無駄だよ。私を負かすことはできん。今日はお開きにして帰りなさい。」

やばい!!このままでは僕にその気がなくても、友情に思いっきりヒビがはいってしまう!!そう考えた僕は、解散を提案した。

「そ、そやなあ~。私たちがこれだけひどい格好になってるのに、円さん一人だけ無傷やし・・もうやっとられへんわ。」

微妙な雰囲気を察したチヨがすかさずそう言い、立ち上がった。

「あ、じゃあ私も。」

サワムラさんも立ち上がる。

「じゃあ、オレ部屋までおくっていくわ。」

我が友チヒロがそういって一緒に立ち上がり、三人は部屋を出て行った。

ロビーのバーはまだまだやっているから、二人は無理でも、三人で飲むなり、ビーチを散歩して南十字星をさがすぐらいはするだろうと思い、僕は冷房を全開にした。

空調口から冷たい風がどっと吹き出してくる。

ああ、幸せ・・・・・

すると間もなく。

コンコンコンとドアがノックされた。

誰じゃ?

ドアを開けると、そこに立っていたのは我が友チヒロであった。

「ビーチ散歩しなかったのか?」

「うん。」

我が友チヒロは仏頂面だ。

「そ、そうか・・・」

僕は流石に気の毒になって、余計なことは言わないことにした。

もう明日は朝食を食べて、10時の便でグアムに向かって乗り換えたあと、日本に帰るだけだ。

我が友チヒロのクリスマスは終わったのだ。

「あ~っ!!」

我が友チヒロがいきなり大声をあげた。

「お前何冷房全開にしてんだよおお~っ!!しかも18度!!死ぬだろうがっ!!」

人間は気温18度では死なない。

死ぬほど寒いのは空調の入った部屋のせいではなく、お前の心のせいだろうと言おうとおもったが、僕は黙って空調を切った。

「よしっ。もうオレは寝るからな!!」

チヒロがそう言ってベットに入り頭から毛布をかぶったので、僕も部屋の電気を消し、ベットに入った。

快適な部屋が、じわじわとなま暖かくなってくる。

折角クリスマスに南の島まで女の子を引っ張り出すのに成功したのに、打ちもらした我が友の気持ちはいかばかりか?

ほんの1m足らずの距離を隔てて、限りない絶望と悲しみが横たわっていた。

そして、僕にとってのパラオのクリスマスの夜も、なまあたたかい室温の中、ゆっくりと終わっていこうとしていたのだった。

  

 

To be continue.

Uploads on coming monday!!

see you (^_-)

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2007.03.19

悪夢の香港癬→彼の失敗、彼女の島(19)

フロントで待ち合わせていた僕たちは、4人そろってレストランに向かった。

レストランの入り口には昨夜のウエイターが立っていて、僕たちをにこやかに迎えてくれた。

「こちらでよろしいでしょうか?」

僕等のテーブルは、周囲が外人の家族連れで、日本人の団体客の反対側だった。

うん。これなら良いだろう。

「今日はクリスマスディナーのバイキングテーブルをご用意させていただいております。」

ウエイターが手で示す方向を見ると、ローストビーフやら、ターキーやらがガンガンと並んでいる。

以前ここで食事したとき、「本日のスペシャルパスタ」を頼んだダイビング仲間に、単なるソース焼きそばが出てきた事があるからなあ~

確かに非日本、非中国圏のパラオからするとスペシャルなパスタなんだけど。ソース焼きそば。

僕はチヨとサワムラさんに、クリスマスバイキングで良いかどうか聞いた。

「めっちゃおいしそうや!!」

チヨが目を輝かせて言った。

「私もそれでいいです。」

4人ともクリスマスバイキングにすると、ウエイターが「お飲み物は?」と聞いた。

我が友チヒロの目がキラリと光った。

「え~と・・・クリスマスだし、ワインを頼もうかな・・・」

我が友の気迫に押され、僕はウエイターにワインリストを頼んだ。

「クリスマスだからな。いいワインを頼めよ。任せるから。」

我が友チヒロが念を押すようにいう。

任せられても、僕はワインに関してはあきらめている。

ワインと料理の相性なんて数をこなさないとわからないし、大体僕は酒はほどほどにという口だから、これに関して語るには肝臓の許容量が足りない。

で、自分で必死におぼえるよりもソムリエに任せる方がずっと良いワインにありつけるのがわかって以来、ワインに関して学ぶのはあきらめている。

もちろん我が友チヒロもそれは知っているはずで、つまりこの場合は「ドンペリを頼め!!」という事だ。

英語でかかれたワインリストをぺらぺらとめくり、ドン・ペリニョンの値段だけ確認して、「これを。」と頼んだ。

ぼくらは料理を取りに行き、テーブルに戻ってくると、ウエイターがワインクーラーに入れたドン・ペリニョンをもってきた。

コルクが抜かれ、ウエイターが僕のグラスに注ごうとするので、僕は我が友チヒロのグラスに注ぐよう頼んだ。

フルートグラスに注がれたドンペリニョンからは当然の如く、静かに泡がのぼっていった。

「こ、これってシャンパン?」

チヨがきく。

「チヨちゃん。ドン・ペリニョンだよっ!!」

サワムラさんが嬉しそうにいった。

「え~っ!!ドン・ペリニョンって、ドンペリ?」

「チヒロ君がクリスマスだしっていうから。これは僕等二人からのクリスマスプレゼントってことで。」

我が友チヒロがOKをだし、僕とサワムラさんのグラスにもドンペリが注いだあと、ウエイターがちょっと困った顔をした。

僕がすかさず首を横にふると、ウエイターはにっこり笑ってボトルをワインクーラーに戻し、戻っていった。

「な、なんで?なんで私にはないの?」

チヨがおろおろしながら言った。

「当然だろ?子供はお酒飲んじゃダメじゃないか。」

僕は意地悪そうな笑みを浮かべながらチヨに言った。

「え~っ!!何それ?」

「だって19でしょ?未成年でしょ?おっさんの私としては、認められないな。」

そういうと僕はサワムラさんと我が友チヒロの顔を見て、乾杯して一口飲んだ。

「南の島のシャンパンもなかなかいいな。」

我が友チヒロの顔を見ながら言ってみた。

「特にドンペリはな。まあチヨには悪いが、未成年なんだからしょうがない。」

我が友チヒロも調子を合わす。

「え~っ!!本気なん?本当にダメなの?」

「それはダメでしょう。おっさんが未成年者に飲酒をすすめるなんてできないし。」

「そ、そんな・・・私、ドンペリ飲んだことないんよ?」

「そりゃ当然だろ?未成年だし、今回が初の海外旅行なんだから。」

「サワムラさ~ん」

「何?」

「東京モンが意地悪する~。」

「意地悪じゃないとは思うけど。でもパラオはもしかすると18歳からお酒飲めるかも。」

「そうなん?」

「いや、アメリカは確か21からだから、パラオも21じゃん?」

「バナナジュース頼むか?あるかないかわからないけど?」

「なんで私だけバナナジュースやのん!!」

「子供だから。」

思わず、僕と我が友チヒロの声がハモった。

「キーッ!!」

「チヨちゃん、おっさんは許さないけど、お兄さん達は目をつぶってくれるかもよ?」

「お兄さん?」

チヨがサワムラさんの顔を見ながら聞いた。

「ダメだな。お兄様でなければ。」

僕が言った。

「お、お兄様・・・(-_-;)」

「それでは私に言っているのか、チヒロに言っているのかわからん。もっとも成人三人の許可が必要だと思うが。」

「ぐっ!!」

サワムラさんがチヨの顔を横目で見ながらグラスを傾けた。

なんか喉元が涼しげで、いい感じだ。

「おいしいよチヨちゃん。」

「うっ・・・え、円お兄様・・・チヒロお兄様・・」

「ほう。何かね?チヨちゃん。」

「チヨもドンペリ飲みたいです。」

「なるほど。まあ、キミの保護者はサワムラお姉様だからねえ。サワムラお姉様の意見をきかないと。」

「くっ(>_<)!!サワムラお姉様は問題ないと思います。」

「そうなの?」

僕はサワムラさんの顔を見て言った。

「いいんじゃないですか?一杯くらいは。」

「それならいいかなあ~。どうする?」

我が友チヒロの顔を見た。

「まあクリスマスだからな。一杯くらいはいいだろ。」

そういうと珍しく我が友チヒロはワインクーラーからボトルを出し、チヨに注いでやった。

チヨのグラスにも泡がのぼっていく。

「やったあ~。」

「よかったねチヨちゃん。」

サワムラさんが言う。

「ほな乾杯やあ~」

僕等は4人で乾杯した。

 
(-_-)(-_-)(-_-)(-_-)(-_-)

 

食事がほぼ終わった頃、ギターをもった3人組のフィリピン人が僕等のそばにやってきた。

我が友チヒロがまたしても目をキラリと光らせたので、仕方なく僕は手をあげ、彼ら三人を呼んだ。

「ワム!!のラストクリスマスできる?」

「できますよ。まかせて下さい。」

僕はポケットからあらかじめたたんでおいた10ドル札を出し、リーダー格の男の手に握らせた。

もう金銭感覚がわやになってるな(^_^;)

「じゃあ、こちらの女性達に。」

サワムラさんとチヨの後ろに立った三人組が、静かに「ラスト・クリスマス」を歌いはじめた。

(-_-)(-_-)(-_-)(-_-)(-_-) 

 
僕はこのときのチヨとサワムラさんの嬉しそうな顔を今でもはっきり思い出す事ができる。

高いところで風が吹き、海際に植えられたヤシの葉がその風にあおられ地上の光をかすかに浴びながらゆっくり揺れるのも。

遠くで日本人の団体客が笑う声も。

周囲の外人さん達がほほえむ姿も。

 

 

すべては完璧だったのだ。

このときまでは・・・・・

   

 
To be continue.

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2007.03.12

悪夢の香港癬→彼の失敗、彼女の島(18)

その時のログは今も僕の手元にある。

「コーナーにしてはとても流れが早い。ウーロンチャネルが流れている時のような早さで、コーナーまで一気に流される。コーナーでチヒロくんがボーナスの大半(違います!!半分以下byチヒロ)をはたいて買ったハウジングをかかえて、必死に岩にしがみついているのを発見!!チヒロくんピ~ンチ!!と思い助けにいくが(大きなお世話だっ!!byチヒロ)あまりの流れの速さに自分が死にそうになった(すごーく流れがきついのに円さんは何をしにきたのだろうとチヒロさんの斜め後ろで思っていたサワムラbyサワムラ)マスクは相変わらず浸水するし、前日、エクジットバルブのノブがとれてしまったので、逆立ちで腰のバルブからエアをぬきつつ減圧する。(私に自分の技術の高さをみせつけているのかと思いましたbyチヨ)(チヨそんなことするヤツは技術高くないから。円は単なる自滅型のダイバーだから見習わないようにbyチヒロ)誰も助けてくれずに、非情という言葉の意味を知る。」

()は各自が追加書き込みした部分

つまり、僕の命がけの行動は、自然の猛威のなか命をかけて友を救おうとする男と、その素晴らしい友情をみつめる女という、ラブロマンスの王道を行く物語にはならずに、この人は、何故こんなすごい流れの中をはいずって移動しているんだろう?という周囲の軽い疑問をおこすだけで終わったのだった。

それは良しとして・・・・・・

ダイビングを終え、僕等はホテルに戻った。

その日は4人でジャグジーでまったりとして、三人は部屋に戻り、僕はビーチにでてビーチチェアをリクライニングさせて横になっていた。

ヤシの葉のさざめきと静かな波の音のなかで、太陽がゆっくりと傾いていく。

僕の育った東京は、この頃おそらくどこよりもモノが満ちあふれた世界になっていた。

お金さえあれば、世界中のありとあらゆるものを手に入れることができた。

しかもチヨのような今年の春に高校を卒業したばかりの女の子でさえ、南の島の一流ホテルでダイビングしながら、クリスマス休暇を楽しめるだけのお金を得ることができた。

それが僕の生まれ育った国だ。

一方で僕が仕事をしている中国では、風が吹けば砂埃が舞い上がり、街中の商店にいっても買いたくなるようなものはほとんど無く、工場は港に面していたが、ふと潮の引いた岩場で夕日を眺めていると、いつのまにやら周囲には巨大なドブ鼠たちが走り回っていたりする。

空にある太陽はおなじだけれども、照らし出す世界は違う。

僕はこの四年間の中国での生活を思っていた。

四年前はじめて中国に来たとき、僕は生まれる場所が、飛行機で数時間の距離を違えただけで、こんなにも豊かさがちがうのか?と驚いたのだった。

そして、なんとかしてこの人達を僕等と同じような生活ができるようにできないかと思い、仕事をはじめた。

それが無駄だったとは思わない。

だが、太陽ですら人間に等しく光を与えることはできても、等しく豊かな世界を与えることはできないのだ。

空が静かなオレンジにそまりはじめたころ、僕は自分の中で何かがかわっていっていることに気づいた。

それが何なのかは、まだ言葉にできなかったのだが。

部屋に戻る途中、サワムラさんに会った。

「あら円さん。今部屋に戻るんですか?」

「はい。サワムラさんこそ、一人で何してんですか?」

「チヨちゃんがお風呂入ってるので、ホテルのお土産屋さんでものぞいてようかと思って。」

「そうなんだ。イルカのネックレスとかかわいいのありましたよ。8月に来たとき。じゃ、私もご飯の前にお風呂入るんで。」

ホテル内のお土産店の前で別れて部屋に戻った。

ドアを開けると、我が友チヒロはバスルームで鏡に向かいしきりに髪の毛をいじくっていた。

つけっぱなしになったテレビからは英語のナレーションが流れていた。

サメの番組をやっている。

我が友チヒロがバスルームからでてくるなり、僕の顔を見ていった。

「なんだ?なんかお前の周囲に、くら~いオーラが見えるぞ?」

「なんだそれ?」

「いや、冗談だけどなんか変だ。まあ、お前は子供の時から時々急に黙り込んで変になるけどな。」

「チヒロ君。僕は誰もいないプライベートビーチで、風にふかれながらここ数年の人生を振り返っていたのだよ。」

「そっか。まあ、お前のこの4~5年の生活は激変だからな。大体旅行というものを修学旅行しかしないお前が、日本、香港、中国と飛び回り、中国でも1日300キロ車で移動しながら過ごしているなんて考えられないことだ。」

「どうでもいいけど、お前も一度くらいは中国来いや。旅行好きなんだから。」

「イヤだ。お前の手紙読んでいるだけで十分。大体お前だって中国は仕事するところで観光する気になれないとかいってるだろ?」

「オレが観光する気になれないのは、旅行中に公衆便所使うことを考えるとだなあ・・・」

「そうだな。壁ないそうだから。万里の長城行って感動したとしても、そのあとトイレで中国のおっさんの尻の穴からウンコがモリモリでてくるの見せられたら意味ないよな。絶対万里の長城のインパクトより、おっさんのケツから出るウンコのインパクトのほうがすごいもんな。つまりオレが中国に旅行に行っても、記憶に残るのは中国のおっさんのケツから出るウンコの記憶だけってこった。そんな旅行はしたくない。以上。」

「お前はスカトロジストかっ!!もしかするとおっさんではなく、美少年かもしれんぞ。」

「それに興奮できたら、こんなとこまでサワムラをおびき出して来るか!!オレが旅に求めるのは美味しい食べ物、写真にとりたくなるような素晴らしい景色。そして素敵な女性との出会いだ。」

「それはオレも同じだがな。」

「それは違う。お前は素敵な女性との出会いがなくてもいい男だ。実際そういう旅をして4年間くらしているし。」

「うん・・・・・」

「わかった?」

「なんとなく・・って何が?」

「お前が素敵な女性との出会いを求めて旅をしない男だってことだよ。だから今夜も求めるな。クリスマスだけど。いや、チヨだって5年もすればそれなりにかわいくなるかもしれない。求めるならチヨを求めろ。先行投資だ。そういうわけで早く風呂に入れ。予約した時間まであと30分だぞ。」

僕はバスルームに入り、熱いシャワーを思いっきり浴びた。

シャンプーで頭を泡だらけにして、たっぷりと泡立てた石鹸で全身を泡だらけにしたあとで、じっくり時間をかけて熱いシャワーを浴びる。

中国のホテルでは、シャワーの水量も十分ないことが多かった。

熱いシャワーを心ゆくまで浴びられるのは贅沢だった。

タオルで全身を拭き、ヒゲを剃り、ドライヤーで頭をかわかすとパンツをはいてバスルームを出た。

ジーンズにシルクのシャツを着る。

コテージを出て本館の廊下を少しあるくと、オープンエアのカフェの方向で人々のさざめきが聞こえた。

そこに流れている気配は、中国とも日本とも違った。

今日は祭の夜なのだった。

 

To be continue.
 

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2007.03.05

悪夢の香港癬→彼の失敗、彼女の島(17)

1本目にコーラルガーデンを潜った僕等は、お昼を取るために小さな島に上陸した。

お弁当を食べた後、皆で記念写真を撮り、小さな浜辺で休憩となった。

2本目はブルーコーナーからドロップオフをずっと進み、ブルーコーナーに行き浮上するらしい。

我が友チヒロは、念入りにカメラとハウジングを整備していた。

カメラが趣味の我が友チヒロは、愛用の一眼レフの為に、オーダーメイドで水中撮影用のハウジングを今回つくったのだった。

カメラとハウジングで、30万近くという代物だ。

ナニゲに見ていると、透明のアクリルのなかで、一眼レフカメラのレンズが伸びたり縮んだりしていた。

「浸水しないといいな。」

僕がナニゲに言うと我が友チヒロは僕の顔を睨み付けた。

「縁起でもないこというなっ!!お前がそういうこと言うと、本当に浸水しそうでこわいわっ!!」

そうですか。はいはい。

写真派のダイバーにとって、浸水は最大の悪夢である。

フィルムはもちろんおシャカだし、大抵はカメラそのものもダメになる。

ブルーホールからブルーコーナーへと抜けるコースは、平均水深も20mを越えるし、ビーチダイビングのように浸水に気づいたからといって、すぐに一人だけ浮上する訳にはいかない。

海水がハウジングに入り出したら、いっぱいになり、カメラとフィルムがおシャカになるところを、水中でまさに息を殺してみていなければならない。

「円さん円さん。血液型何型?」

チヨが僕に聞いた。

サワムラさんと島を探検していたのだが、戻って来たらしい。

「B型。」

「あ~っ!!ウチと同じやあ。」

「チヒロもB型だぞ。」

「ほんま?」

我が友チヒロがうなずいた。

「サワムラさんは何型なんですか?」

僕はサワムラさんに聞いてみた。

「私はA型です。」

そっか。

「そうなんだ。じゃあ円とサワムラは友達になれないよ。円の歴代の彼女にも友達にも、A型は一人もいないんだからな。」

我が友チヒロが嬉しそうに言った。

「えっ?そうなんですか?」

サワムラさんが僕に聞いた。

「まあ、そうなんですけどね。でも最初のA型の友達になるかも知れないし。サワムラさんが。」

「そうですね。光栄です。」

光栄?そりゃどうも。

我が友チヒロを見ると、面白くなさそうな顔をして顔を背けた。

イヤ、そんな人の足を引っ張るようなこと嬉しそうに言うから(^_^;)

 

(-_-)(-_-)(-_-)(-_-)(-_-)

 

ブルーホールは、海中にある縦穴である。

ここをゆっくりと降りていき、底から上を見ると光の加減できれいに見えるという、写真派ダイバーには良いかもしれないが、僕のような浮遊派ダイバーには、魚もいないし、どうでもいいような場所だ。

大体こんなクリスマスシーズンだと、次から次へと、ホールにエントリーしてくる連中が水雷のように上から降下してくるから、上を向いてシャッターを構えても、降下してくるダイバーくらいしかうつらない。

バディを組んだ我が友チヒロも底についたとき、上を見たが、写真を撮るのはすぐにあきらめた。

ホールから出て、ドロップオフをブルーコーナーへと向かう。

ドロップオフというのは海中にある崖のこと。

ここを陸上では崖の上ではなく、崖が落ちた空中にあたる部分を、流れにのって崖下を見ながら進んでいく。

中世浮力がとれれば空を飛んでいるようでダイビングをしていて良かったと思える瞬間なのだが、中世浮力がとれないと崖下までどんどん降下していってしまう恐怖の瞬間となる。

ブルーホールからブルーコーナーへのドロップオフは深く、底まで落ちたら多分帰ってこれない。

流れにのりながらじっと下を見ていると、サメがずっと下を泳いでいるのがわかる。

パラオではごく普通にサメを見るが、ダイバーが襲われることはない。

夏に3mくらいのハンマーヘッドを見たときは、ポイントにいたのは僕とヨシミさんだけだったが、ハンマーヘッドのほうが逃げていった。

僕は左手に深度計をもって、深度が落ちすぎないよう気を付けながら崖に沿って進んだ。

途中振り返ってチヨや、サワムラさんを見るが二人とも落ちていくこともなく順調にすすんでいた。

もちろん我が友もだ。

途中先頭を進んでいたヨシミさんが振り返り、全員に崖から離れるよう手で合図した。

ドロップオフにむけて直角に海の流れが来ていると、ドロップオフにぶつかったとたん流れは上か下に逃げる。

その流れに巻き込まれると、あっというまに流れに乗って浮上させられたり、沈下させられることになる。

僕は素直にドロップオフから離れつつ進んだ。

ブルーコーナーはこのドロップオフ沿いにちょっとつきだした岬のような場所だが、もちろん海中にある。

そこには常に7~8匹のサメの群れと、数知れない大きなバラクーダ(鬼カマス)の群れがいて、当時は世界中のダイビングスポットでも10本の指に入るくらい人気があった。

僕等がたどり着くと、すでに5~60人の先客がいて、コーナーの岩に必死につかまっていた。

それはまるでウーロンチャネルの流れている時のような凄さで、岩の上をとばされながらも、BCのエアを一気に抜き、岬の上に着陸するような感じで僕も岩にとりついた。

片方の腕でポケットから3mのロープを出すと、それを岩にまきつけ、反対側のカラビナをBCのDリングにつけて、岩にとりついた手を離しBCにエアを少しだけいれる。

僕の体は流れに煽られ、浮き上がった。

こうすればブルーコーナーの流れの速い時でも、両手をあけてじっくり魚を見ることができるのだ!!

これぞ今年の夏、パラオに来たときにヨシタニさんから盗んだ必殺技、マンカイト!!

別名白影の術!!(わからない人は、ウィキペディアで仮面の忍者赤影を調べよう!!)

魚を見るどころではないくらい吹いている海中でも、サメやバラクーダは泳ぐこともなく、ヒレの角度でバランスを取るだけで一点に留まっていた。

こういうのは見ると感動する。

まあ、ビニールが飛ぶような風の日だって人間は立っていることが出来るわけだから、単に陸に住むものと海に住む者という違いに起因する事だと言ってしまえばそうなんだけど。

そんな事を考えながらサメをじっとみて、なんとかあの流れの中でも一点にとどまれるテクを盗めないかと考えていた時、マスクの隅に我が友チヒロの姿がうつった。

みてみると、彼は片手に総額30万のハウジング入りカメラをかかえ、必死で岩につかまっていた。

その体は、流れに煽られていて、今にも岩につかまっている手を離してしまいそうではないかっ!!

もちろん写真なんかとれる状態ではない。

これは我が友最大のピンチ!!

助けにいかなければっ!!

僕はロープを取り込みながら、再度BCのエアを抜いて岩の上に降下すると、流れに逆らい匍匐前進するように我が友チヒロの方へと向かった。

その時、前にいた別のグループに離脱の指示がでて、全員がふわっと浮き上がった。

僕は確認もしないで後ろに流れてくるバカタレの身体を岩の上に密着するようにして避けた。

ガキっ!!

そいつの体はかわせたものの、巻き上げた小石が飛んできて、僕の頭にあたったっ(>_<)

いって~っ!!

が、そんな事を言っている場合ではない。

我が友は流れの抵抗を少しでも減らすべく、ハウジングを腕で抱きかかえているが、それでも身体を煽られているのだっ!!

僕は痛む額をこらえて我が友チヒロのもとへと進んだ。

助けなければ!!我が友を助けなければ!!

流れのあまりの凄さに、マスクがずれて浸水してきた!!

オーッ!!オレがピンチじゃん(>_<)!!

それでも我が友のもとへと向かう僕を、我が友の斜め後ろに位置していたサワムラさんが見ていた。

サワムラさんも必死に岩につかまっている。

おおっ!!きっとこの凄まじい流れの中、我が友チヒロを助けるべく、必死に海中匍匐前進している僕を見て、サワムラさんは猛烈に感動しているに違いない。

ついにこの物語は、自然の猛威のなか命をかけて友を救おうとする男と、その素晴らしい友情をみつめる女という、ラブロマンスの王道を行く展開になったのだっ!!

これぞクリスマスイベント!!

すごいぜオレ!!

すごいぜパラオ!!

 

 

To be continue.

Uploads on coming monday!!

see you (^_-)

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