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2006.12.04

悪夢の香港癬→彼の失敗、彼女の島(7)

それから一週間。

僕の足は猛烈に痒くなった。

痒い!!痒い!!マジ痒いって!!

夜ベットに入ってからも、足の裏をかゆさのあまりハエのようにこすりまくらねばならないほどだ。

これはどう考えても水虫だ。

う~ん。それにしてもこんなに痒いなんて・・・・・

 

(-_-)(-_-)(-_-)(-_-)(-_-)

 

二階では一階とは別の製品ラインがあり、そちらは日本から来た総工程士と専属テクニシャンに生産管理をやってもらっていた。

僕も午前と午後一度づつ工場内を見回るが、きわめて形式的なもので品質に関する責任も、専属テクニシャンが負うことになっていた。

そうはいっても実際問題がおこれば、僕だって無事にはすまない。

世の中は常に、本音と建て前の二本立てなのだ。

幸いな事に二階は事務所の工場に面した壁がガラスになっていて、事務所から包装工程以外の工程がすべてみわたせるように設計していた。

そんなわけで、僕は工場内を巡回する意外にも、午前と午後、二階の事務所から工場内をのぞくようにした。

僕が二階の事務所にあがると、総工程士のヨシさんがタビックスを脱いで何かを足に塗っていた。

ヨシさんは50すぎたオッサンだが、陰気で陰険な感じの前任者とはちがい、遊び慣れた感じのおもろいオッサンである。

「あっ!!もしかして水虫治療してます?」

僕はヨシさんに言った。

ヨシさんは一本抜けた前歯を見せて笑い「長靴商売にはつきものだからな」と言った。

この前歯は、先週飲み過ぎてよっぱらって帰るとき、階段でこけて折ったものだ。

翌日歯医者にいったのだが、ひどい目にあわされたらしく、今度帰国するときに日本で治すといって放置している。

「え~と。その薬はなんでしょう?日本製?中国製?」

「中国製だよ。」

「ききます?」

「う~ん。オレも使い始めて2週間だけどかゆみはとれるかなあ~。でも水虫薬なんてみんなそんなもんだぜ?」

「そうなんだ・・・・」

がっくりした僕を見て、ヨシさんはにやりと笑った。

「なんだ。円さんも水虫かい?」

「え~ わからないんです。なったことないし。でも痒いんですよ」

「みしてみな。」

僕は靴とソックスを脱いでヨシさんに足の裏をみせた。

「ははは。こりゃ立派な水虫だ。これやるよ。」

そういうとヨシさんは机の引き出しから、自分が使っているのと同じ薬を一箱出して僕にくれた。

「いくらでしょう?」

「いや、いいって!!チョビのヤツが備品買いにでかけたときに、いっぱい買ってこさせたから。」

「ありがとうございます。じゃ、今度オヤジがカップ麺かなんかもってきたときにお裾分けしますんで。で、質問なんですが、水虫ってなんでなるんでしょう?」

「そりゃうつされるんだよ。知らないの?」

「はあ。なったことないんで。」

「風呂屋とかさあ、プールとか。長靴とか。」

「長靴かな~?」

「でも円さんの長靴は専用だろ?それに来客用の使うときだって裸足じゃはかね~だろ?」

「そりゃそうですよ」

「じゃあ違うな。」

「う~ん」

僕は考え込んでしまった。足の裏はいまでは皮膚がやぶけ、どうみても水虫状態だ。

ジュクジュクはしておらず、皮膚は白い粉になるような感じではがれていく。

とりあえず僕は靴下も脱いでいるので、ヨードチンキのような色の薬を足にぬりはじめた。

とくにしみるということもなく、こんなの効くのか?って感じだ。

二人で水虫薬を塗っているときに、工場から検査課の女の子がでてきた。

僕に執事(?)を紹介してくれた例の彼女だ。

男二人が靴下を脱いで、足の裏に薬を塗っている姿をみて、彼女は「チチチ」と舌をならした。

彼女のその顔を見たとたん僕は「あっと」声を出した。

そういえばしばらく前に、執事(?)が「今日浴室の電球が切れていたので、交換したところ切れていたほうの電球を落としてしまい、割ってしまいました。破片をかたずけるのに、スリッパかわりのサンダルをつかわせていただいたんですが」というので、僕は特に考えることもなく「あ、そう。」とこたえたのである。

ま、まさか執事が水虫だったのでは?

っていうか、感染経路はそれしかない。

浴室掃除のときなら裸足だろうし。

「なんですか?」検査課の女の子が僕を見てきいた。

ヨシさんは中国語がわからない。

で、僕は「お前のおじさん水虫?」と中国語できいた。

「え~っ!!知らないですよ。」

そりゃそうだ。おじさんが水虫かどうかなんて姪が知っているわけない。

「そっか。」

「うつされたんですか?」

「わかんないけど、思いつくのはそれくらいしかない。でも、別に確信があるわけじゃないから本人には言わないように。」

薬を塗り終わり、僕がソックスと靴をはくと、ダックちゃんが部屋に入ってきた。

「あ~っ丁度よかった!!お手紙がきてますよ~。」

ダックちゃんは今ならさしずめサカナ君のような独特のテンションでそういうと、僕に日本からのエアメールを渡した。

誰だ?

宛名を見ると我が友チヒロからだった。

めずらしいなあ~と思い、ビリビリと封筒を開けて、中にはいってたエアメール用の薄い便せんを広げた。

「11時すぎなら家にいるから電話くれ。大事な話がある。それからクリスマスは休暇とっとけ。絶対だぞ。今年のクリスマスはパラオで過ごすから。じゃ。  XXチヒロ」

それだけだった。

なんだこの手紙は(-_-)?

 

To be continue.

Uploads on coming monday!!

see you (^_-)

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