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2006.11.12

悪夢の香港癬→彼の失敗、彼女の島(4)

先週は更新予約してあったのですがうまくいかず、金曜日に更新しています。先週分は右側Recent Postsの(3)です

 
 

階下の遠いところで、数人の声が聞こえた。

きた!!きっと一階のところで集合しているに違いない。

ああ、ホテルに住んでいればよかった。

ホテルなら保安要員がいるし、スタッフは一人残らず友だちなのだ。

ホテルを出たが為に、狂った中国人達に、中華鍋(いや、フライパンか)で料理されそうな勢いだ。

っていうか、まだ8時過ぎなのだが、これは一晩中続くのだろうか?

マジで鬱になってきたんですが・・・・

そんなことを思いながらも、僕の頬は思いっきりこわばっていた。

逃げ場がなくなったところにおいつめられ、言葉の通じない外国人に、唯一の出口でガンガンやられたことある人いる?

そりゃもう怖いさ。

半端じゃない。

声はやみ、3~4人の足音が、階段を上ってくる。

はあ~。

マジでホラー映画の世界だ。

僕は唯一の武器である熱湯入りバケツに手をかけた。

指先をつっこんでみるが、熱さのあまりすぐひっこめ、自分の口でしゃぶらなければならなかった。

これなら間違いなく、連中を撃退できる。

だが、そのあとは?

家族に熱湯攻撃をかけられた腹いせに、10倍くらいの中国人が押し寄せるかもしれない。

そうなったら食用油をまいて、階段に火をつけて封鎖するしかないな。

まあ、火が燃える中を突入してくるバカはいないし、突入してきたって鉄格子がある。

その鉄格子だって熱くなってるだろうから、とりあえず火が消えるまでは突入してこない。

火がつけば、消防隊が来るかもしれない。

この際、ドアを開けてあの気の触れたババアに身柄をとられるより、消防隊にもってかれた方がマシってヤツだ。

もっとも1.8リットルの食用油一つでそこまでできるかまったく自信がないのだが。

因みに、知り合いに電話をかけることも考えたが、会社はすでに誰もいない。

そして僕は、会社の人間の自宅の電話番号をまったく知らない。

だって、中国において、一般家庭に電話が通るのは、この一年後なのだ。

ああ、夜間トラブルがあっても、電話で助けをもらえないならやっぱりホテルにすんどきゃ良かった。

再度そんなことを思っていると、ズボンに白シャツといった、昭和30年代の日本人のような格好をしたおじさん二人と、先ほどのババアが五階の踊り場に顔を見せた。

僕は問答無用とばかりに、熱湯バケツを鉄格子の上にドン!!とのせた。

「ウェイウェイウェイ!!」

先頭の男が僕に声をかけた。

これは標準北京語だ。

電話かけるときの「モシモシ」に相当する言葉だが、この場合は「ちょっとちょっと」って感じになる。

言葉が通じるのか?

「なんだ!!夜に人の家の玄関ガンガンフライパンでたたきやがって!!」

僕は厳しい声で言ってみた。

数で負けている場合、勢いでもまけたら袋だたきにされかねない。

袋だたきにされなくても、こちらが弱気に出て、相手が勢いづいてしまえば、やばい事になる。

「標準語は話せるのか?」

相手の男がいった。

「少しな!!」

僕はこたえた。

「だったら、そのバケツを降ろしてくれないか?オレの言っていることわかるか?バケツを降ろしてくれ。俺達もフライパンはもってないから。」

確かにババアはフライパンをもってなかった。

うん。この男は話せるらしい。

僕は熱湯バケツを鉄格子から降ろしていった。

「お前等人の家に夜やってきて玄関をフライパンでたたきやがってなんだ!!強盗か!!」

強盗ってことはないかと思うが、とりあえず会話が成立するとなったら、こちらが何故水をぶっかけようとしたか相手にも理解できるようにしておかないとまずい。

「ちがう!!俺達は民生委員だ!!外国人が住んでいるというので確認にきた!!」

民生委員というのは、昔の日本の五人組みたいなもんだと僕は理解している。

自治組織みたいなもんだが、相互監視組織でもあると。

「じゃあわかったろっ!!かえれ!!」

「いや、家の中を確認させてほしい。」

「ダメだ!!お前等が民生委員だと証明できないだろ!!名刺やるから、明日会社に連絡して、会社が確認してからなら確認させてやる。そうでなければ公安局つれてこい!!」

因みにこの場合の公安とは、日本でいう警察官である。

もう一人の男が階下へ降りていった。

公安を呼びにいったのだろうか?

「この国では外国人が好き勝手に住んではいけない事になってるんだ。」

残った男が言う。ババアはその後ろにひかえていた。

「ちゃんと許可はとってある。居留証もある。本当に民生委員なら、確認できるだろう?なんでしてない?」

確認できるかどうかなんてわからないが、とりあえずそういってみた。

男は黙っていた。

やがて階下から階段を上ってくる足音がした。

先ほど降りていった男が、菜っ葉色の服を着た公安を一人つれて戻ってきたのだった。

 

 

To be continue.

Uploads on coming monday!!

see you (^_-)

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