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2006.10.02

ハイスクールはBE-BOP!!(下)

ついに僕の目の前に現れたK北。どうする?オレ!?

 

う~ん。まさに出会い頭。激しくヤバイ。

っていうか、相手は三人。

こっちは完璧一人だ。

たとえ勝てないバレー部でも、マジメに練習しとけばよかったよん・・・・

そう思いながら、線路を向き、横目で彼らをこっそり見ていると、三人でなにやら話し出した。

そしておもむろにこちらに向かってくる・・・・

ああ、もう接触はさけられない・・・・

でもまったく不利という訳でもなかった。

まずはホームの上なので、「ちょっとこいや~」とエスカレーター下って階下のトイレに連れ込まれないかぎり、暴行はうけない。

それに一人だから、喧嘩になれば徹底的に不利な反面、自分にその気がないのに戦端をひらくバカがいない。

K北が三人となれば、僕の学校の生徒が4~5人いたってなんの助けにもならないし、たとえ運良く撃退できたにしても、その後ずっとこの駅でK北の連中が大量に待ち伏せしているというとっても恐ろしい状況になるのは目に見えている。

シマウマは絶対ライオンに勝てないし、勝ってはいけないのだ。

勝ったら今度はライオンの群れが一気におそいかかってきて、結局はボコボコにされてしまう。

ライオン高校生徒と出会ってしまったら、どう転んでもボコボコにされるのがシマウマ高校生徒の定めなのだ。

とはいえ、こちらもむざむざむさぼり喰われるわけにもいかない。

まず、トイレに連れ込まれそうになったら、徹底的にぐずり、駅員さんの注意をひくしかない。

連れ込まれない為には、とりあえず礼儀正しい態度を取ることだ。

当然相手はガンつけてくるので、それに挑発されてこちらもガンつけかえしたりしたら、間違いなくトイレに連れ込まれてしまう。

怯えている様子をみせてもダメ。

相手はこいつはちょろいぜ!!とばかりに、身ぐるみはぎにかかってくるからだ。

結局は武道家のようにきちんと正対するのがベストの選択なのだが、そんなのできるか(-_-;)?

そうこう考えているうちに、K北三人組がやってきて、僕を囲んだ。

逃げられないッスね・・・・

しかも周囲の人からも、僕の姿は彼らの体が死角になってよく見えないし。

それだけでなんちゃって不良ではなく、実戦慣れしたすばらしい不良さまだと言うことが理解できた(-_-;)

正面のいちばん気合いの入ったパンチパーマの不良さまが至近距離からガンをつけ、そのあと下から上までねめまわすように僕を見ると、再び視線を僕の目に戻した。

ここまできたらしょうがない。

僕は視線をそらさなかったが、怯えや好戦的な雰囲気が出ないよう注意した。

相手を不良さまと思わず、できるだけ普通の高校生と出会ったような対応をする事。

しかもできるだけ礼儀正しく、かつ毅然としてだ。

それ以外に無事にすむ方法なんてないのだ。

「おまえXXだな?」

パンチパーマの不良さまは僕の高校を確認した。

まあ、ネクタイに紺の上下なんていう、サラリーマンの背広みたいな制服はこのあたりでは僕等の高校しかないから、ようするに「お前、シマウマである自分の立場がわかってんだろうな?」って事である。

わかってますよ・・・・・

十二分。

少し色の入ったメガネをしたパンチパーマの不良さまは、どうみても僕より年上だ。

だから僕も、バレー部で先輩に口をきくときのように、「はい。そうです」と礼儀正しく返事した。

もちろん視線をはずしたりはしない。

挑発してはいけないが、視線をこちらから外したらそれで負けなのだ。

後ろの二人がフフっと笑ったのが聞こえた。

ああ、激しくイヤな感じだ・・・・

「お前いい時計もってるじゃん」

それは高校入学の祝いにかってもらった、当時人気のシチズンデジアナだった。

ああ、買ってもらって半年もたってないというのに・・・・・・

とりあえず僕は「ありがとうございます!!」と答えた。

もちろん単純に時計を誉められたのではないのはわかっている。

でも時計をねだられていると気づいたと明確にすれば、この状況では差し出さずにはおれない。

カツアゲなどという不良ワールドの常識なんてまったく知らない優等生を装うしかないのだ。

「お前、その時計、しばらくオレに貸してくれね~か?」

時計カツアゲ キタ―――――(>_<)――――――ッ

僕は心の中で泣きそうになった。

これは親が、私立の入学金など金のかさむなか、けっこう無理して買ってくれたものなのだ。

この時計を差し出せば、この場を無事に切り抜けることはわかっていた。

だけど、時計がなくなった事を親にどう話せばいいのだろう?

僕は内心を悟られないように、パンチパーマから視線をそらさず毅然といってみた。

「これは親から高校の入学祝いに無理言って買ってもらったものなんです。申し訳ありません!!」

言い終わると同時に頭を下げるのも忘れなかった。

顔をあげると、パンチパーマがじっと僕の顔を見ていた。

僕もパンチパーマの目を見た。

強制取り立てか?

このままトイレに拉致られてボコボコの刑か?

いずれにせよ、僕の学校の生徒が、K北の生徒に逆らえば、そうなることは決定しているのだった。

でもやっぱり、ボコられる前から親が買ってくれた時計を渡すことはできない。

ボコられる前に怯えて渡してしまうのと、ボコられて取られるのとでは、まったく意味が違う。

シマウマ高校生といえども、男としての筋は通さなければ、親に対して申し訳がたたないのだ。

「オレはよ~っ」

パンチパーマが沈黙のあと口を開いた。

「K北2年の△△っていうんだ。今後ウチの連中になんか言われたらオレの名前出してダチだって言え!!」

「はいっ!?」

え?ダチ?おいら△△さんのトモダチですか?

「お前名前は!?」

「XX一年の円海ですっ!!」

「よし!!円海だなっ!!オレの名前忘れんじゃねーぞ!!じゃあな!!」

パンチパーマの△△さんは、そういうと僕の背後にいる二人に合図をして、駅のホームを歩いていった。

た、助かった・・・・

と、いうより、K北の不良さまのトモダチができたんだけど・・・

僕はあわてて、生徒手帳を出すと、K北2年△△と書いた。

絶対忘れないようにだ。

この名前は、高校の制服をきている三年間、このあたり最強のライオン高校の生徒達から身を守る為のマジックワードなのだっ!!

 

(^-^)(^-^)(^-^)(^-^)(^-^)

 

そんな訳で僕の高校生活の通学上の安全は確保された。

だが、入学直後の公園での体験に懲りた僕は、制服を着たままで盛り場にいくような事はしなかった。

自分の身を守る為には、無用なリスクはおかさない。

それがわからない同級生は、制服のまま盛り場にでかけ、主としてK北の生徒に金をまきあげられたり、ボンタン狩りにあったり、ボコられたりしていた。

僕等の高校では、服装検査をする風紀委員などいらないくらいだった。

K北のライオン生徒達が、僕等シマウマ高校の生徒にとって、何よりも怖い風紀委員のようなものだったからだ。

 

(-_-)(-_-)(-_-)(-_-)(-_-)

 

高校二年の時、僕が自宅にいると、弟が中学から帰ってきて、いきなり新聞紙を腹にまき、その上からオヤジのサラシを巻くと、制服を着て出て行った。

僕は本を読みながら、妙な事をしているなあ~とおもいつつ、それを見ていた。

1時間ほどして、母親が買い物からもどり、夕食の準備をしていると電話がなった。

僕が電話をとると警察からだった。

母親にかわると、電話の声をききながら、母親の顔がどんどん青ざめていった。

電話を切った母親に「どうしたの?」と僕はきいた。

血の気の多い腐れオヤジが、何かしでかしたのかと思ったのだ。

だが母親の話では、警察にご厄介になっているのは、オヤジではなく、弟のようだった。

一時間後、母親が弟をつれて帰ってきた。

「おかえり」

「おかえりじゃないわよ!!この子は中学生なのに警察なんかの厄介になって!!」

母親がキレた。

弟が話すには、隣の中学から決闘状がとどいた。

で、弟の中学には番長はいなかったのだが、急遽喧嘩はいちばん強い弟の親友が番長となり、番長組織をつくり、決戦となった。

弟は親友から副番長やってくれと頼まれ、それを受けた。

決闘は二カ所でやることになり、弟の中学では本隊と支隊をつくり、相手の本隊が来ると予想された公園に弟の親友が、にわかずくりの番長組織の本隊をつれて乗り込み、弟は数人とともに、相手の支隊が来ると思われる公園に向かった。

だが、相手の本隊は弟の待つ公園にあらわれ、相手の支隊は弟の親友が待つ公園にやってきた。

その結果、決闘は痛み分けになったが、弟の方は当然ながらボコボコにされ、近所の人の通報で警察が来たときに逃げられず、つかまってしまったという事だった。

「でも怪我してないじゃん」

「そりゃそうだよ。こっちは5人なのに、向こうは20人ぐらいできたんだから。もう最初から結果は、わかりきってるじゃん。相手がきたら殴りあわないで、頭抱えてうずくまったよ。そしたらあいつらもう勝ったとばかりに全員で腹だけ狙って蹴りやんの」

金八先生で、三原じゅん子が「顔はやるんじゃないよ。ボディにしな!!」といってから、喧嘩といっても顔面攻撃は少なくなっていた。

「でもオレはそれ見越して、腹にも脇腹にも新聞紙巻いて、さらにその上からサラシ巻いていったから、いくら蹴りいれられても全然痛くないもんね。我慢してるうちに警察がきて、終りさ」

なるほどねえ。

喧嘩にも色々対処法があるもんだ。

「冗談じゃないわよ!!あたしが警察なんかに呼び出されて、どれだけ恥ずかしい思いしたかわかってるのっ!?」

「でもさ~。こっちから仕掛けたんじゃなくて、相手から決闘状おくりつけられたらしょうがないじゃん。やらなきゃ、下校の途中集団で狙ってくるだけだし」

僕は弟をかばってあげた。

だが、翌日、母親は中学校にも呼びだされ、その週はずっと機嫌が悪かった。

  

制服を着ている限り、災難は本人が望まなくてもやってくる。

それは学校というきまりきったコード進行のなかで、それぞれの運命がつくるアドリブ演奏のようなものなのかもしれない。

とりあえず高校の三年間が無事にすんで良かったよん(^_^;)

The end.

Uploads on coming monday!!

see you (^_-)

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