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2006.08.27

いまどきのオナゴ(下)

下克上計画の無惨な最後

大阪の仕事は午前中に終わり、早めに昼食をごちそうになると、僕は午後の新幹線で東京に戻ることにした。

もっとも、途中で栗本をシメにいかないとならないので、のぞみにはのれない。

ひかりで、弟の工場がある某県についたのは3時前だった。

普通の列車で15分ほどで、工場のある駅についた。

駅には栗本が自分の軽自動車で迎えにきてくれていた。

「え~。円さん。きょ、今日はまたなんで?」

「いや~。大阪の出張で疲れたから、若い女性に癒してもらおうと思ってさ。」

「ははははは。それって私の事ですか(^_^;)?」

「いや別に。井上さんだっているでしょ?」

井上さんというのは、派遣会社から派遣されている女の子でまだ21とかである。

「そ、そうですね。ははははは(^_^;)?」

工場につくと、工場長に新大阪でかったお土産を渡し、工員のおやつにでもして下さいと頼んだ。

「私は工場内で仕事があるんで。事務所の方で休んでいてください。」

「うん。そうさせてもらおうかな。」

「栗本シメるんですか?」

「真実ははっきりさせないとねえ。」

工場の事務所に入り、栗本のとなりのデスクに腰をおろすと、井上さんがお茶をいれてくれた。

「はじめまして井上です。」

まだ十代といっても十分通る童顔で、栗本よりもずっとかわいい。

「いつも弟がお世話になっています。」

「いえいえ(^_^;)私なんて派遣ですから。」

「でも栗本さんがやめたりしたら、井上さんにやってもらわないとならないし」

「え?」

栗本がいきなり変な声を出した。

「な、なんで私がやめるんですか?」

「やめたりしたらっていったんですよ。それともなんかやめる予定でもあるの?」

僕は、栗本を見て言った。

井上さんは笑いをこらえていた。

「い、いや、別に・・・・」

「そういえば井上さん」

「はい?」

「ちょっと不思議な話をきいたんですけど。」

「はあ。」

「ここでは、なにやらこの前、栗本さんが東京に来たときに、私がプロポーズしてきたので、栗本さんはそれを断って、戻ってきたという話しになっているとか?」

栗本は机にすわったままうつむいた。

僕と井上さんは、半ば笑いながら、それを見ていた。

「はい。そう聞きました。」

「ふ~ん。で、井上さんはどう思います?」

「どおって。私は円さんとは会った事ないし、栗本さんがそういうならそうだったんだろうなって。」

「なるほどねえ~」

僕は栗本を見た。ずっとうつむいたままだ。

その時電話がなった。

取ろうとする井上さんを手で制して、僕は栗本に「電話とれば?」といった。

栗本が電話をとり、得意先のオーダーをうけはじめた。

同時に僕は「ガサ入れだ!!」と言って、栗本の引き出しをあけた。

お菓子と一緒に伏せた写真立てと携帯があった。

僕が栗本の写真立てと携帯を取りだすと、栗本は電話をもったまま「あっ」といった。

僕はそれをもったまま、栗本の向かいの、井上さんの横に席をうつした。

栗本はこちらを見たまま、オーダーを受けている。

「井上さん。写真立てが引き出しにしまってあったんだけど、普通これは机の上においてあるものじゃない?」

「はい。いつも栗本さんの机の上においてありますよ。さっき円さんを迎えにいく前に机にしまいましたけど。」

栗本は、僕と井上さんが話しているのを、泣きそうな顔で見ている。

「どのくらい前からおいてあるの?」

「え~と私が来てからだから、2ヶ月くらい前ですかね。」

「じゃあ東京いく前だ。」

「そうです。」

僕は写真立てをひっくりかえして、写真を見た。

栗本と同じくらいの歳のヤンキーっぽい雰囲気の男の子がうつっている。

「お兄さんですかねえ?」

「返してくださいっ!!」

電話を切った栗本が僕に言った。

「栗本!!」僕は厳しい口調で言った。「すわれ!!」

栗本は一瞬でおとなしくなると椅子に座った。

「栗本!!この写真の男は誰だ!!お兄さんか?」

栗本は黙っていた。

「言えないのか?じゃあ、私がいってやろう。この男は、出入りの宅配業者だ。違うか?」

「くっ・・・」

「何がくっ・・・だっ!!貴様、本社の監察部を騙せると思っていたのか!!」

「あの~円さん?」井上がうすら笑いをうかべながら言った。

「本社に監察部なんてあるんですか?」

「ない。が、ある」

「どういう事なんです?」

「公式には存在しない。だが、私は日本国内のみならず、中国にも多数の情報提供者を抱えている。オヤジが中国でエロサウナや、カラオケいったばあい、私が日本にいてもすぐわかる。もちろんこの会社にも情報提供者を潜りこませてある。たとえば、前の工場長が、パートの工員のおばちゃんとできてしまい家庭崩壊にいたったことも、そのおばちゃんが、やはりパートの19歳の男の子と工場長の二股をかけていたことも私はしっているぞ!!」

「そ、そんな事が?」

「そう、この私の極秘情報網を、我が社では監察部と呼ぶのだ。私がやりたくない仕事をやらないですんでいるのは、オヤジがこの監察部の恐ろしい情報収集能力を知っているからなのだ。私を不機嫌にさせると、一瞬で家庭が不穏な空気につつまれるからな!!」

「す、すごい!!うちの社長に関する情報はないですか?」

井上が急に真剣になって言った。

「何故だ?」

「その情報で、隔週二日のお休みを、週休二日にしてもらおうと・・」

「残念ながら、そこまでインパクトのある情報はないな。ヤツは用心深いから」

「ダメかあ~」

「円さん。そんな話はどうでもいいから、その写真返して下さいよ。」

栗本がちょっとふてくされた顔で言った。

「バカ者!!キミは今、監察部の査問を受けているのだ!!いいか、栗本。お前はこないだ東京に来たときに私がいきなりプロポーズしたけど、断って帰ってきたとか言ってるだろ?」

「・・・・・・」

「本当の所はどうだったか、言ってみろっ!!」

「・・・・・・」

「じゃあ私がいってやろう。井上裁判長。聞いて下さい。こいつは、会社に来るなり、『円さん!!私をお嫁にもらって下さい!!』といきなりオヤジの前で頭を下げたのです。」

「違います(>_<)!!」と栗本。

「え?話がちがいますよ!!っていうか私、裁判長?」と井上。

「こんな写真をデスクに飾っている癖に、他の男に親の前で『お嫁にして下さい!!』ですよ。監察部査問委員会は、この場にこの写真の男を呼び出して、栗本の尋問を続けたいと思います」

「呼ぶんですか?」

井上さんが楽しそうに言った。

「そうです。この携帯の発信もしくは着信記録を見て、いちばん多く記録がある男から順に電話していきましょう。私が電話するのもなんなんで、井上さんお願いします。」

「やめてくださいっ!!」

栗本があせりだした。

「じゃあ罪を認めろ。お前はこの宅配業者とつきあいはじめてプロポーズされた。だが、果たして自分はこの相手と結婚していいのか?と疑問を抱いた。そこで、私がまだ独身であることを思い出し、ここは一世一代の勝負。負けたらこの男のプロポーズ受け入れればいいしと、下克上計画をたて、実行に及んだ。それで間違いないな?」

「くっ・・・」

「栗本さん。ばれてますよ。認めたほうがいいです。」

「井上裁判長。栗本には他にも犯罪疑惑があります。」

「え?」

「栗本池袋ウエストゲートパークナンパ待ち疑惑です。栗本は親御さんから、仕送りをしてもらい東京の短大にいっていた間、ヒマがあると池袋のウエストゲートパークでナンパ待ちしていたようです。まずこちらの疑惑から親を呼び出し追求しましょう。自宅の電話番号は、携帯からすぐ見つかるでしょうから。」

「親もですか?」

「井上裁判長。私もそんな事はしたくありません。ですが自分から罪を認めない以上、徹底的に追求しなければ。おっ。XXXX-XX-XXXXこれが自宅の電話番号だ」

僕は栗本の携帯から自宅の電話番号を発見した。

個人情報保護法はこのころないもんね。

「さあ、栗本。どうする。おとなしく罪を認めれば許してやるぞ?今は私と井上さんの二人だけだ。ここで罪を認めても、井上さんに袖の下おくって、皆に黙っていてもらえば、彼氏にも、私は社長のお兄さんのプロポーズ断ってあなたと結婚するということができるぞ。だが認めなければ彼氏に電話かけて言っちゃうから、ボコボコにされてもしらんぞ!!」

「く、栗本さん。ここは認めましょう。認めた方がいいですよ。本当の事なんだし。円さんが携帯の通信ボタンを押すだけで、せっかくの結婚は破談になり、彼氏からはボコボコにされて、親の信用まで失うかも知れないんですよ!!私、いいませんから。やぱり社長のお兄さんです。社長よりワルです。人間じゃなくて悪魔なんですよ。下克上計画なんて最初っから無理なんです。」

「・・・・・・・」

栗本はうつむいたままだった。そのままで言った。

「わかりました。認めます。すべてその通りです。認めるから写真も携帯も返してください。」

「井上裁判長。宜しいですか?」

「はい。返してあげて下さい。」

僕は栗本に携帯と写真立てを返してあげた。

「井上君。こうして同僚や、上司の弱みを握ることが、己を有利な立場におく秘訣だ。おぼえておきたまえ。」

「はい!!監察部長!!」

こうして、また一人、新たな魔女系が生まれた。

その後、栗本は、井上さんも乗せて、僕を最寄り駅ではなく、新幹線の駅までおくってくれた。

僕も夕食を、地元では有名な料亭の支店で二人にごちそうしてあげた。

だがそれはひどく居心地の悪い事となった。

先日弟が、お客さんと一緒にいって、おいしかったというのでいったのだが、どうも地元企業の部長なんかが課長を誘って仕事上の密談をしたり、接待に使う店だったらしく、十代にみえる井上をつれた僕等はエラく目立った。

「これじゃ援助交際のオヤジだよ・・・」

流石の僕も悲しくなるくらいだった。

 

(-_-)(-_-)(-_-)(-_-)(-_-)

 

話が長くなったが、その栗本が電話してきた訳だ。

「円さ~ん。元気ですか」

「あんまり元気じゃないね」

「そんな事、言わないでくださいよ~っ。円さんまだ独身ですよね?」

「だからどうした!!」

「私をお嫁にもらってくださいよ~」

「キミは結婚しただろ?宅配屋の男と。」

「やっぱ失敗でしたあ~っ。」

「離婚したのか?」

「してません」

「じゃあ、二人で仲良くやれっ!!宅配屋は将来有望だ。これからの日本は高齢者社会になって、スーパーで買い物しても、持って帰れない爺さん婆さんばっかになるから、絶対日用品購入も宅配経由になるぞ」

「無理です。宅配屋だって、そういう事は本社がやるんです。配達員は一生配達をして、終わるんですよ~。子供の幼稚園代が必要なんです。結婚してください~っ」

「なんでオレが、お前と宅配屋の旦那の間に生まれた子供を幼稚園にやるために、お前と結婚せにゃならんのだ?」

「だって28になったら来なおせ!!って言ったじゃないですかあ~」

「独身ならだろ?金が欲しければバイトしろ!!バイト」

「しましたよ。」

「何を?」

「牛乳配達」

「はあ?牛乳配達?そんなのまだあんの?」

「な、ないんですか?東京には?」

「子供の頃はあったけど、最近は見ないなあ。大体コンビニどころかスーパーも24時間であいてる所あるんだから、牛乳配達意味ないし。」

「他にもやりましたよ」

「何を?」

「コンビニ店員」

「立派な職業じゃないか。日本ではいちばんメジャーだ。しかもスーパーのレジ係より格好いい感じがするし。」

「そんなことないですよお~。私やってみてわかったんです。私は人様に頭をさげてモノを売る才能はないって。」

そりゃ、前の仕事は、電話でオーダー受けて、電話で出庫かけて、あとは伝票あげるだけだったけどな。

「社長に復職させて下さいって頼んだんですけど、すでに元ヤンの先輩が離婚して戻ってきてるからダメだって言われたんです~っ」

そりゃ、そうだ。彼女は仕事も良くやってるし、レディースあがりなので、自分にも厳しい。

立派な不良こそ立派な社会人たりうるという見本のような女性なのだ。

それにひきかえ栗本ときたら(-_-)

「お願いです。社長に頼んで下さい。」

「まあ、それは無理な話だけど、キミクワガタ飼う?」

「え?」

「弟は、中国からクワガタもってきて育ててネットで売るらしいよ。だからクワガタブリーダーになればいいじゃん。」

「い、いやですよ!!私ムシきらいだし!!クワガタもゴキブリも似たようなもんじゃないですか。」

「でも人に頭下げないでいいじゃん。子供だって喜ぶだろうし。」

「そういう問題じゃないです。あ~ん。マジメに考えてくださいよ~っ。元婚約者じゃないですかあ~。」

ちょっとまて、いつ僕がキミの婚約者だった事がある?

「う~ん。じゃあちょっと考えてみよう。」

僕は電話を切った。

もちろんそんなことを真剣に考えるつもりはなかったので、すっかり忘れたまま一ヶ月が過ぎた。

そんなある日、僕が自宅で本棚の整理をしていると、二冊の本が目についた。

友人が書いたアフィリエイト本だ。

うん、これなら栗本もパソコンさえあれば、幼稚園代くらい稼げるかもな。

人によっては30万とか稼ぐ人もいるそうだし。

僕は手紙を書いた

「栗本さん江
私の友達が書いたアフィリエイト本です。アフィリエイトというのは、自分のHPやブログに広告をのせて、お金を稼ぐお仕事です。彼女の友人には月30万稼いでいる人もいるそうです。まあ、そんなのは無理にしても、幼稚園代くらいは出るかもよ。とりあえず、頭をさげずにすむ仕事でしょうから、頑張って下さい。かしこ」

こうして僕は、またもや離婚の危機に直面した家庭を救ったのである。

多分・・・・・・・

The end.

see you (^_-)

次回の更新は9月12日(の予定)

いや、学生時代、宿題は8月末に一気にかたづけてたんで、今でも8月末から9月の頭は鬱になるんですよ。マジ・・・・

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2006.08.20

いまどきのオナゴ(中)

栗本が人生をかけた下克上計画の作戦とは?

そして一週間が過ぎた。

お昼の時間に弟が言った。

「夕方、栗本さん来るけど大丈夫だよね?」

あ、そうですか。

その週はなんだかんだと忙しく、僕としては早く帰って食事もホカ弁とかで自宅ですませて早く寝たいくらいだったのだが、しょうがない。

ちっ!!

夕方になり会社に戻ると、栗本はもう来ているという。

上がると、事務の橋本さんとアイスクリームを食べながら話している、紺色のリクルート服みたいなのを着た女性の背中がみえた。

橋本さんは栗本とは同じくらいの歳だから、話が合うのか、二人は楽しそうに話していた。

「あ、円さん。栗本さんですよ。」

ぼくはあまり機嫌の良くない顔で栗本を見た。

「こ、こんにちはっ!!栗本です」

栗本は頭をぺこりと下げて自己紹介した。

第一印象?うん。橋本さんは荒川静香を細身にした感じだが、橋本さんの方が可愛いな。

弟が一瞬口ごもりながら「普通」と言った理由がわかる気がする。

普通でなくはないが、どこを誉めたらいいのか迷う感じだ。

こういうとき、僕はアクセサリーとかを誉めるけれども、これといったアクセサリーもつけていないし。

「ああ、こんにちは。今日は何?東京にリクルート活動?」

僕は軽くジャブを放ってみた。

自分でもなかなか意地の悪そうなジャブだ。

「ち、ちがいますよっ。講習です。講習。」

栗本さんはへこむ事無く言い返してきた。

この初対面の人からの意地悪な発言にもめげないフットワーク。

彼氏は過去、少なくとも3人はいるな。

「そういう格好してないといけないいんだ。」

「私も、スーツ着て去年いきました。」

橋本さんがアイスを食べ終わって言った。

そういえばそんなことがあったっけ。

「なるほど。素敵なリクルートスーツですね。」

「円さん。それはあまり誉められている気がしないんですけど・・・」

「誉めてるじゃないですか。素敵なリクルートスーツですねって。」

「そうですか?ありがとうございます。」

橋本さんは僕等のやりとりを面白そうに眺めていた。

そこにオヤジがやってきた。

「おお、栗本さん。来てたのか。」

栗本は椅子から立ち上がり、オヤジに対して、最敬礼をした。

「大社長。お久しぶりです!!お邪魔させていただいていますっ!!」

なかなか要領のいいヤツ。

僕がそう思ったとき、栗本が、僕と、オヤジを交互に見た。

そしていきなり深々と頭をさげながら言った。

「円さん!!私をお嫁にもらって下さい(>_<)!!」

 

(-_-)(-_-)(-_-)(-_-)(-_-)

 

流石は下克上を目指す女。

栗本のいきなりの発言にその場にいた全員があっけにとられた。

流石の腐れオヤジも意表をつかれて、口をあんぐりとあけた。

そして言った。

「お前、いつの間にやっちゃったの?」

やっとらんわっ!!

さっき会ったばっかりじゃっ!!

おのれと一緒にすなっ!!

橋本さんがいきなり鞄を持ち、「私、お先に失礼します」と帰っていった。

「う~ん知らなかった。二人ができていたとは・・・」

「誰ができとるんじゃ!!今、会ったばっかりだろうがっ!!」

僕は頭の腐ったオヤジに言った。

「そ、そうか。じゃあ、まあ二人で話しつけてくれ。」

そういうとオヤジもそそくさと部屋を出た。

きっと弟の所にいって、話して来る気に違いない。

栗本のヤツ。

出会い頭に、しかも親の前でいきなりプロポーズ(?)するとは考えたな。

だが、その程度で私の意表をつくことはできない。

だってあまりにも突拍子がなさすぎて、マンガとしか思えないではないか。

「ふふふ。残念だったな。」

「な、何がですかっ・・・」

「その程度の技で、私を動揺させることなんかできんっ!!」

「な、なんの話です?」

「私はなあ、中国でいきなり知らんヤツから電話をかけられて、『お前のオヤジがオレの妹孕ませた。どうしてくれるっ!!』と言われた事があるんだっ!!」

「えっ?それって逆じゃないですか?普通社長のバカ息子がヤクザの女に手を出してお父さんが脅されるという・・」

「そうだ。だがウチでは逆なんだっ!!」

「で、どうしたんですか?」

「わかった。わかったから遠慮無く生ませろ。オヤジの子供だったらオレが育ててやるから。でも生まれたらすぐ遺伝子調べるからな。もしオヤジの子供じゃなかったらお前がどんな目にあわせられるかわかってて言ってるんだろうな?日本人を怒らせたら、どんなひどい目に会うかわかってるな?731部隊知ってるな?といってやった。」

世界有数のコンドームメーカーを持つ日本の貿易関係者は、間違っても海外の一夜の相手とノーヘルで相まみえる事はないのである。

「そ、そうなんですか・・・」

「栗本下克上計画破れたりっ!!」

「な、なんでそれをっ!!社長ですねっ!!私の一世一代の大勝負をばらすなんて!!」

「ばらさなくても、そんな技では無理無理無理~っ。キミの故郷では通じても東京では無駄無駄無駄あ~っ」

「うっ、うっ。せっかく社長からお姉さんと呼んでもらえると思ったのにぃ~」

こいつ、本当にそんなこと考えていたのか。

アホだな。

 

(-_-)(-_-)(-_-)(-_-)(-_-)

 

人生最大の計画があっさり破れた栗本に僕は食事をごちそうしてあげた。

「やっぱり東京ですよね。料理もおいしいし。」

「キミ東京はじめてでしょ?」

「違いますよ!!バカにしないで下さい。短大は東京です!!」

「そうなんだ。どこにすんでたの?」

「川口です。」

「東京じゃないじゃん!!」

「大学は東京なんですっ!!川口だって一駅いけば赤羽で東京じゃないですかっ!!でもアパート代が川越えるとやすいんですよっ!!」

「で、休みの日は、池袋のウエストゲートパークでナンパ待ちか?」

「ぶへっ!!」

栗本はグレープフルーツサワーでむせた。

「図星だな。」

「えへっ!!えへっ!!」

完璧にあたりらしい。

「ほら、そうやって東京に出てきても勉強しないで遊んでばっかりいるから都内で就職できないんだよ。」

「そ、そんなことないです。景気が悪かったんですっ。」

「そうかなあ~。初めて会った私にプロポーズできるくらいだから、ナンパされたらすぐホテルまでいっちゃうでしょ?」

「そ、そんなことないですよっ!!カラオケまでですっ!!」

「そう思ってカラオケいくんだけど、歌ってるうちに手を握られて、肩抱かれて、ホテルまでいっちゃうんでしょ?」

「ぶへっ!!」

「正直にお言いっ!!」

「円さんこそ、なんでそんな事を!!」

「私は山口のナンパ大王と呼ばれた男に聞いたのだ。カラオケいって手を握り、拒まなければ大抵はホテルまでオッケーだと。」

「わ、私はそんなことしないです。カラオケだけですっ!!」

「しょうがない。そういうことにしておいてやるか。」

「いや、そういう事にしておいてとかいう話しじゃなくて、本当にカラオケだけなんですっ!!」

「ふ~ん。そうなんだ。」

「そうですよっ!!私は身持ちの堅い女です。○県の女はみんなしっかり者で身持ちが堅いんです。」

「なるほど。ところで話しは変わるけど、今日は勝負パンツはいてきてるの?」

「え?」

「だってせっかく東京に一世一代の狩りに来たんだから、当然はいているでしょ?勝負パンツ。」

「え~と・・・」

「はいてないんだ。普通の木綿ぱんつか。そりゃ失礼」

「違いますよ!!ちゃんと可愛いパンツはいていますっ!!」

「どんなの?」

「白いレースの飾りがついたやつですよ。」

「ふ~ん。下着にはお金をかけるタイプなんだ」

「女の身だしなみです。たとえTシャツにジーンズでも下着は美しく。ブラもおそろいなんです。」

「そうなんだ。」

僕等は会計をすませて店を出た。

「見ます?私の自慢の下着」

「いや。見ない。」

「お持ち帰りしてくれないんですかあ~っ」

「オレの恋愛対象は28からなんだよね。あと4~5年したらチャレンジしなおしてみて。」

僕はタクシーを止めて栗本だけを乗せて、東京駅と運転手にいうとドアをしめてもらった。

走り出すかと思いきや、タクシーの窓が開いた。

「円さん!!タクシー代!!」

そっか。それを忘れてはいかんな。

僕は財布から2000円出すと栗本に渡した。

「気を付けてかえんな。駅でナンパされても知らない人についていくんじゃないぞ!!」

それには答えずにタクシーは走り出した。

こうして栗本下克上計画は終了したかに思えた。

 
(-_-)(-_-)(-_-)(-_-)(-_-)

 

二週間後、弟の会社の工場長と話した時に、彼が遠慮がちに僕にたずねた。

「あの・・・栗本なんですが・・」

「何?」

「こないだ東京から帰ってから、円さんにプロポーズされたけど、断って帰ってきたっていってますけど本当ですか?」

「はあっ?」

いつの間にそんな話に。

「で、なんか出入りの宅配便屋さんと結婚するみたいなんですが」

「なんじゃそりゃ?」

電話を切ると、僕は弟に聞いてみた。

「うん。なんかそういう風にいいふらしているらしいよ。」

「なんでオレが初めてあった小娘にプロポーズしなきゃならないんだ?」

「さあ。」

「話が逆になっているだろう?」

「そうだけど。」

翌週大阪に出張の予定が入っていた。

僕は帰りに弟の工場に寄ることにした。

勝手に話をすり替えやがって。

コノウラミハラサズオクベキカ・・・・・・・

 
To be continue.
Uploads on coming monday!!
see you (^_-)

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2006.08.06

いまどきのオナゴ(上)

地方にある弟の工場にあって、東京を忘れられない女の計画とは?

誰もが極悪人と認める、かまやつ、そして魔人ケンチが去年つづけて結婚した。

しかも魔人ケンチには、先月可愛い女の赤ちゃんが生まれたのである。

そのあまりにも父とは似ない、邪気のかけらもない顔は写真で見てもびっくりする。

きっと母親が天使かなにかであるに違いない。(と奥さんに媚びを売る私)

そんなこんなで、僕の回りにも数年前から結婚ブームが来ている。

だけど最近の女子ときたらなんなのであろうか?

結婚式の翌日に電話がかかってきたので、「お前昨日結婚式だったんじゃない?」と言うと「そうだよ。」と平然と答えた子がいたのには言葉を失った。

だが、その後、別の女の子が結婚式の当日夜に僕の携帯に「あ~疲れちゃった」とメールしてきたのには言葉を失うを通り越してアゴがはずれた。

流石の僕もこれには返事をかかずにスルー。

そりゃ僕は両者ともに仲がよかったが、肉体関係はない。

向こうからすれば、単なる仲の良い友達なんだから、別にかまわないじゃんということなのだろうが、こっちは全然よくない。

将来、あるいは現在進行の浮気の相手と、彼女たちの旦那から思われても激しく迷惑だし、何よりも僕が誰かと結婚して、式の当日や、翌日に、女房が他の男にメールしてたり電話していたらイヤだ。

僕はつきあっている間は、自分と一緒のときに他の男の事を考えなければ、病気をうつされない限り、相手が二股とかでも別にかまわないと思うほうだけど、結婚して新婚旅行の間くらいまでは自分の事だけ考えて欲しいと思う。

だから、結婚したばかりの女房が他の男にメールしてたり電話していたら、結婚したことを激しく後悔して、その日から夫婦関係が冷え込みそうな気がする。

いや、マジで。

(-_-)(-_-)(-_-)(-_-)(-_-)

会社にいると内線電話で弟から電話がまわされてきた。

「誰?」ときくと、「出ればわかるよ。」との答え。

電話を外線に切り替えると、まだ若い感じの女性の声だった。

「円さん私です!!わかりますか?」

はてさて。

いわゆる水商売のおねーちゃんから営業電話をかけられる覚えはないので、こういう場合ありそうなのは、中国でつかった通訳である。

でも、どう考えても日本人の発音だしなあ。

高田純次だったら「ああわかるわかる。で、あんた誰?」とか言いそうなのだが、僕は高田純次ほど人間がこなれていないので、ストレートに「どちらさまでしょう?」と聞いてみた。

「ひ、ひどい・・私の事忘れたんですか?」

いや、そういう事を言う女性が会社に電話かけてくる事はないのだけど。

僕は、仕事関係で知り合った女性を口説いた事なんてないのだ。

そしてプライベートで知り合った女性に会社の名刺を渡すこともない。

もしかすると数年前、出血多量で死にかけたときに、記憶の一部が飛んでいるので、その飛んだ部分にあった女性なのかもしれない。

ともかく相手の勘違いでなければ気安い関係な相手であるらしいので、僕は悪魔の本性をちょこっと出して言った。

「誰かな?用がないなら切りますよ?」

「えっ!!ちょっとちょっと待ってくださいよお~。私ですよ。栗本です!!」

栗本?思いつくのは作家の栗本薫くらいだ。

「知らないなあ。どこの栗本さん?」

「ひどいですよお~。弟さんの会社にいた栗本です。円さんとは結婚を誓い合った仲じゃないですかあ~。」

そういわれて思い出した。弟の某S県にある工場で事務をやっていた子だ。

「思い出した。でもいつ結婚を誓い合った?話をつくるな。」

「え~?そうでしたっけ?まあいいや。」

良くないだろ?

激しく良くないだろ?

僕は五年前の事を思い出した。

 

(-_-)(-_-)(-_-)(-_-)(-_-)

 

栗本は弟のやっている工場で、元レディースの事務員さんがやめたあとに入ってきた女の子である。

仕事はマジメで、客先からのオーダーの受付と出庫をまかされていた。

弟の工場は、ここからは数百キロ離れた場所にあるので、僕は直接あったことはないのだが、時々電話で話をした。

まあ、話していても面白いし、仕事もテキパキこなすようなので、印象は悪くなかった。

弟のウケも概して良い。

実はウチの弟のウケが良いというのは、並大抵の働きぶりではないのである。

そんなある日、工場の出張から帰ってきた弟が僕にいった。

「にいちゃん。栗本さんがにいちゃんと結婚したいっていってるよ。」

はあ?

会ったことないんですけど?

「でも栗本さんは写真をみてるし、いつも電話で話してるからいいんだって。」

誰がいつも電話ではなしてるんじゃ?

「栗本さんていくつ?」

「23じゃない?」

「かわいい?」

弟はちょっと考えた。

「う~ん。まあ普通。」

ぶっちゃけ僕は弟の「普通」がどの程度かわからない。

だが、言い方からして普通でも上の方ではないのはわかった。

「ふ~ん」

僕は軽く流した。

当時は仕事も、プライベートも忙しく、ニューカマーの席なんて僕の人生にはなかったのだ。

「栗本さんさあ、来週こっちに出張してくるんだよね。」

「なんで事務員が東京に出張してくんの?」

「スーパーが発受注伝票をコンピュータ処理にかけやすいよう統一するんだって。その講習。」

「そうなんだ。」

「で、栗本が、社長!!絶対お兄さんにあわせて下さいっていうんだよ。」

「あ、そう。まあせっかく出てくるんだから、夕飯くらいごちそうしてあげてもいいよ。」

「うん。じゃあ食べさせてあげてよ。木曜日だから。栗本は『私絶対社長のお兄さんを落としてみせます。私とお兄さんが結婚したら、社長は私のことお姉さんって呼ぶんですよ(^O^)』とかいってんの。自分で栗本下克上計画とか言ってるよ。」

「で、下克上の踏み台がオレか?」

「まあ、そういう感じ。」

「踏み台にできるほどの器量があるのか?」

「だから普通だと思うんだけど、どうやって、にいちゃんを落とすつもりなのかなって。」

「ふ~ん・・・」

この僕を下克上の踏み台に?

面白い。

相手になってやろうじゃないか・・・

To be continue.

Uploads on coming monday!!

see you (^_-)

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