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2006.06.26

めざせ!!ムシ成金!!(3)

注:弟のキャラは大幅にいじってあります。そして当然ですが、実在するかどうかは神のみぞ知る事です(^_^;)

「これなにさ?」

弟が書類をパラパラめくりながら言った。

「仕方がない。説明してあげよう。まず当初の予定にあったクワガタの日本持ち込み計画は中止にした。」

弟はそれを聞いてほっとしたような顔をした。

「まあ、幼虫の段階で持ち込むとか、さなぎの状態で持ち込めば、ガサガサ音たてる可能性もなく、比較的楽に持ち込めると思うが、日本で繁殖したら面倒だ。」

「でも、日本に持ちこまなきゃ、タダの虫だよ。」

弟はしょうがねえなあ~という顔をしながら言った。

「たわけっ!!そんな事で商人がつとまるかっ!!商人たるもの、0から商権をつくりあげてこそ一人前!!既存の商権のなかで利益を求めてウロウロしてもそれは所詮二流だ!!」

またはじまった・・・そう思っているのか、弟はすでに完全にあきれモードに入っていた。

「そこでお前に問おう。中国人が今、もっとも心ひかれているのは何か?」

「そんなの金にきまってるじゃん。大体、そう聞かれて『神』とか『自由』とか言ったら、反政府的人物だと思われちゃうし、党と言いたくても、共産党につくしたところで生活が豊かになるわけじゃないしさ。そんななかじゃ、お金以外に関心の行き場がないじゃん。」

「そうだ。彼らは今、必死になって金を追い求めている。では聞こう。中国人に今一番必要なものは何か?」

「さあ・・・」

「それはな。本当の愛国心だ」

「はあ?あの人達は十分でしょ?愛国心に関しては。」

「いや、私が言っているのは、政府のプロパガンダに煽動された、底の浅い愛国心ではない。政府なんてものが存在するはるか以前から、おのれを育み続けてきた大地への、感謝と誇りの気持だ。」

「まあ、言っている事はわかるけどさ。それがクワガタとどう関係してくるのさ?」

「今や金に狂ったあの国は、自分たちと、その文化を育んだ大地、つまり環境を破壊して、国土を猛烈な勢いで砂漠化させながら発展を続けている。そしてすでにその影響は中国国内だけでなく、汚染の進んだ黄砂となって我が国にも襲いかかっているのだ。かつて人口が増えすぎ、必要とされる水や食料を都市に供給しきれなくなって滅びた古代都市がいくつあることか。中国はあの巨大な国土全体で、その愚を犯そうとしているのだ!!」

「まあ、それはそうだね(^_^;)」

「もし、このまま進めば21世紀中に、なにも生み出すことのなくなった荒廃しきった国土の
上を10億を超える中国人がさまよう事になるだろう。北斗の拳の舞台のように。」

「っていうか、そうなったら難民化して世界中に散らばると思うよ。中国に留まっても飢え死にするだけになれば。」

「そうだ。そして中国だけではなく、世界そのものが混乱の渦にたたきこまれる・・・」

弟がゴクリと唾を飲んだ。

「その恐ろしい未来を阻止するのが、愛国的昆虫王大作戦なのだ!!」

「・・・・・・」

「どうした?」

「いや、だからなんでクワガタが?」

「大地の意思。それは昆虫だ!!」

「そ、そうかな・・・なんか根拠が薄い気がするけど・・・」

「バカもん!!風の谷のナウシカではそうなっているし、古くはミクロイドSにおいてだってそうだ!!」

「アニメの話かよっ!!」

「愚か者めっ!!あれらは70年代、80年代の環境を破壊してすすみ続ける近代文明への警戒心が生み出した作品なのだ!!それは後にトトロとなって、最後にはトトロの森を守ろう!!という社会運動にまで発展していくのだ!!」

「いや、だから何故クワガタがと・・」

「まだわからんかっ!!日本は元来自然に対して深い関心をもってきたから、あの環境を破壊しながら進む高度成長に対して自制心をきかせることができた。まだ少しばかり残っていた、自然に対する敬意が、欲望に歯止めをかけたのだ。一方、虫に対して敬意や親しみを持てない現在の中国人の文化が、環境を破壊して進む発展という洗礼をうけると、それに歯止めをかけるものはなにもない。欲望のおもむくまま、環境を破壊しつくし、自らが滅びるまで止まることはないだろう。だからこの愛国的昆虫王大作戦で、中国人に自らの環境を愛する心を身につけてもらうのだっ!!」

「いったいどんな作戦なんだよっ!!(^_^;)」

弟は嫌々ながら、書類を読み始めた。

 

To be continue.

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2006.06.12

めざせ!!ムシ成金!!(2)

注:弟のキャラは大幅にいじってあります。そして当然ですが、実在するかどうかは神のみぞ知る事です(^_^;)

「こ、これは・・・月100匹も日本に持ち込めば、工員の給料出るな・・」

「ボーナスも出る!!」

「停電やら原料の手当ミスで、工場がまわらない日は工員をクワガタ採りに出せばいいな。」

素晴らしい!!工員も森のマイナスイオンだかなんかをあびて健康増進だな。

「でもさあ、クワガタって夏の間しか生きないんじゃない?」

弟が言った。

僕等が育った中野区には、カナブンはいたが、カブトムシやクワガタはいなかった。

カナブン採りや、セミ採りはやったけれども、カブトムシ採りやクワガタ採りは、つい3年前、甥っ子と埼玉の古戦場跡の公園でやったのが生まれてはじめてだ。

で、僕はカブトムシをつかまえたが、果たして越冬するのかはわからない。

正しさにまったく確信はないが、多分越冬はしない気がする。

「夏の間となると、7,8月で1200匹つかまえないとならんな。」

「あのさ、1200匹も捕まえたら、相場が思いっきり崩れるんじゃないの?ムシマニアってそんなにいそうもないし。」

「暴落してしまう・・・」

「大体1200匹も捕まえられるかどうか。それにそんな数のクワガタをどうやって日本に持ち込むのさ。」

「ウーロン茶の箱にウーロン茶と一緒につめて持ち運べばいいだろ?」

「何百箱はこぶんだよ!!」

「一箱に三匹入れたとして、400箱だろ?」

「マジメに計算するなよっ!!」

弟はマジで怒り始めていた。本当に400箱のウーロン茶箱を運ばされそうに感じたに違いない。

「7,8月とわけて、200箱づつなら・・・」

「だから計算するなっていうにっ!!」

「じゃあ、腐れオヤジにやらせよう。あいつは隠居してヒマだから。それに最初の工場たてるときに、香港から船で、不足の資材何百キロも運んだ実績があるし。」

「あの人を仕事に絡ませるのはイヤだよ。」

それは確かにそうだ。うまくいく仕事もうまくいかなくなる可能性が高まる。

「日本への密航者が乗るコンテナに一緒に積むとか」

「それじゃ、オレがへびあたま(変に検索されるとイヤなのでひらがな表記)のフロント企業と間違えられるって!!」

それもそうだな。

「じゃあ、作戦変更。よく考えたら、工員の給料をクワガタで出そうとするからいけないんだ。やっぱ工員の給料は、本来の仕事から出そう。クワガタは7,8月に20匹づつくらい持ち込んでペットショップに売ろう。ちょっとしたお小遣いにはなるから」

「勝手にもってきちゃっていいのかなあ・・・」

「そりゃお前・・・当然密輸だろ?」

「あのねえ、学生じゃないんだよ?なんでオレがそれくらいの金の為に密輸業者にならないといけないのさっ!!」

「でもノートパソコン毎年買い換えられるぜ?」

「毎年買い換えないから。経費でだって落とせるし。」

「ちぇっ!!つまんないのっ!!せっかく何もない山の中に壱万円札がうようよしてるっていうのにさっ!!」

「それはそうなんだけどさ~。犯罪者にまでなりたくないよ。」

「なんとかいい方法ないかなあ~。山の中が天然の1万円札の印刷所なのにもったいない・・・・そうだ!!義手とか義足に隠せばいいんじゃない?」

弟は僕の顔をじっとみた。

「つまり実の弟のオレに、クワガタ運ぶために腕や足をちょん切れと?」

僕は黙った。

弟はあきれたように部屋を出て行った。

 

(-_-)(-_-)(-_-)(-_-)(-_-)

 

そのあともクワガタの事は僕の頭の中にナニゲにへばりついていた。

僕はこういう、ある意味バカバカしいというかロマンがあることを考えるのが大好きだ。

何年か前、友達が、「学生時代お世話になった先生がシベリアに冷凍マンモス探しにいくんだけど円さんいきませんか?」と誘ってくれた。

「いきたい!!でもなんで?」

「夏だからヒグマが出るんですよ。円さん射撃できるでしょう?そういう人もいてもいいなって。」

「え?え?え?つまりマンモス探しの人達と同行して、もしヒグマが襲ってきたら銃で撃ってもいいってこと?戦わせてくれるの?ヒグマと?」

銃はどうするんだろう?

「一応ロシア側が銃をもったガードマンつけるみたいだけど、いざとなったらいいんじゃないですか?撃っちゃっても。非常時だし、人もいないシベリアの奥地みたいだから。まあ、私もそこまでは知らないですけど。」

その時、僕は中国で生産の立ち会いをしていたのだが、すぐに東京にメールを入れた。

「この契約おわったら、シベリアに冷凍マンモス探しにいくから。」

誰もが冗談だと思っていたが、冗談ではないとわかると、思いっきり休暇の申請は却下された。

その数ヶ月後、報道番組の特集で、このマンモス探しの旅をやっていた。

当然だが、冗談ではなく本当だったのだ。

しかも、この日本の捜索隊は川沿いにマンモスを探していったのだが、ヒグマが出るということで、内陸部に上陸できないで帰ってきてしまった。

僕がいけば、上陸できたかもしれないのに・・・・

日本でも、マンモスを復活させることができたかもしれないのに・・・・

その時、弟は言ったのだった

「まったく一年で一番忙しい時期に、シベリアに氷漬けのマンモス探しにいくなんて何考えているんだか・・」

だが、その弟のぼやきを聞いた、東京では誰でも知っているチェーンをやってる取引先は、弟を不思議そうな顔で見ていったという。

「なにいってんの?こんな仕事より、マンモスを復活させる仕事の方が大事にきまってるじゃん!!」

ああ、彼の会社の社員だったらよかった・・・・・

そう、男には金になる仕事より、ロマンの方が大事な時もあるのだ!!

 

(-_-)(-_-)(-_-)(-_-)(-_-)

 

僕は3日間にわたって、クワガタを利用したビジネスプランを考えた。

まず日本にもってくるのは却下。

犯罪になってしまう可能性が高いし、僕は愛国者だ。

愛国といっても、日本国政府を愛しているのではなく、日本という土地と自然を愛しているので、唐渡りのクワガタを密輸して、日本の由緒正しいクワガタが駆逐されたりしたら、ご先祖様にももうしわけがたたない。

ということは中国国内にクワガタのマーケットをつくらなければならない。

だが、中国の子供が、僕等が子供の頃のように、チョウチョとったりムシとったりして遊んでいるところなぞ見たことがないぞ?

大体彼らにはクワガタや、カブトムシをかっこいいと感じる感性があるのだろうか?

食べられないモノを採るなんて無駄だと思っているような気がする。

長春でしゃぶしゃぶ屋に入ったとき、ごく普通にクワガタだか、カブトムシだかしらないけど、要するにあの系統の白い幼虫が肉や野菜と一緒に並んでいたから、幼虫に関しては食物として需要があるのかもしれない。

でも「お前等これ喰うの?」ときいたら「タンパク質が豊富だ」といっていたので、うまいから喰っている訳ではないらしい。

ごく普通に肉を食うようになった中国では食材としては廃れていきそうだ。

サソリとかも食べるんだから、クワガタを喰っても良さそうなもんだが、なんか体に効果がないと喰わないだろうな・・・・

それを確認しようと思ったら、まず自分がクワガタを食べて健康になるなり、精力絶倫になるなりしなければならない。

男がカブトムシを食べると、なんとなくいいことがありそうな気もするが、クワガタの場合は女性ではないだろうか?

そうすると僕が食べても意味がない。

お尻の締まりはよくなるかもしれないが、僕にはそっちの趣味ないし。

食べて何にも効果がなかったら、限りなく意味がない。

っていうか、もしなんらかの効果があるとしたら、すでに中国4000年の歴史のなかで誰かが試し、漢方薬に組み込まれているはずだ。

ってことは、やっぱり「強そう」というイメージがあってはじめて価値が出るってことか・・・

(-_-)(-_-)(-_-)(-_-)(-_-)

一週間後。

僕は弟の席の前に立った

「なに?」

「ふっふっふっ」

「なに笑っているのさ?気持ち悪い」

「この前のクワガタの件だけどな」

弟が一瞬イヤな顔をした。

「義手で運ぶのも、ウーロン茶の箱につめるのもイヤだからねっ!!」

チッチッチッチッ

「これを見たまえ!!」

僕は弟の前に、昨夜寝ないでつくった書類をおいた。

「なにこれ?」

「トップシークレット」「極秘」と書かれた表紙をめくる。

「愛国的昆虫王大作戦計画書?」

To be continue.

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2006.06.03

めざせ!!ムシ成金!!(1)

注:弟のキャラは大幅にいじってあります。そして当然ですが、実在するかどうかは神のみぞ知る事です(^_^;)

「なんに~もない なんに~もない まったくなんに~もない」

去年の事。

弟が中国の出張からやさぐれて帰ってきた。

内陸部に新しい工場を建てるという話があり、現場を視察してきたのだった。

うちの会社はこれまでずっと、中国沿海部の会社との取引をしていたのだが、内陸部のインフラもここ数年でちょっとはマシになってきたし、このあたりでトライしてみようかという事になったのである。

片道車で10時間もかけて、中国の農村地帯を走り抜けようやくたどり着く約束の地(?)

弟はぐったりして戻ってきたのだった。

 

(-_-)(-_-)(-_-)(-_-)(-_-)

 

実は僕は6~7年前に、場所こそ違うが、同じ省に工場を見にいっている。

よせばいいのに、勢いをかって楊総と80億の男が、共同で出資して工場をたてたのだった。

その新工場には車で12時間かけていかなければならない。

飛行機だってあることはあるが、週に1便しかないし、飛行場についてからやはり車で4時間は走らなければならない。

しかもその飛行機ときたら、ちっさくてボロくて、こんなモノにのるなら自分で零戦でも操縦していった方が生存率は高そうと思えるような代物なのだ。

沿海部の仕事が軌道にのり、街も豊かになり、僕等日本人が生活していてもようやく不自由を感じなくなったのに、何故そんな思いまでして、内陸部の田舎までいかなければならん?

大体12時間といっても、高速をぶっとばしていくのとは違う。

中国のど田舎の荒い舗装をした道を、ひたすら走るのだ。

途中にはまっとうなトイレがあるかどうかさえ、わからない。

申し訳ないが、中国の農村の道ばたのトイレのおぞましさときたら・・・

僕が知っているのは、水田の脇にあって、「大」をすると水田に直接おちて、そのまま肥料になるようになっている奴だ。

まあ、それが日本の汲み取り式みたいに、水田に「ぽっちゃん」と落ちてくれれば、水田の上でおトイレとなり、何も不快なことはない(できた米を僕が食べる訳ではないし)

だが、中国では水田にぽっちゃんと落とさないで、岩でスロープをつけて落とすのだ。

しかし、岩は当然すべすべではない。

つまり、出たモノは岩にこびりつくわけで。

そこから先は思い出すのもイヤだ(-_-;)

従い、僕の中国における、車での移動許容時間は、「大」を我慢できる時間ということだ。

因みに便秘にまったく縁のない僕は、1日に2回から3回のお通じがある。

そうすると8時間が限界となる。

12時間は大幅にオーバーだ。

しかも田舎道をいくとなると、食事も道路の脇の、食べたら最後肝炎をうつされそうな食堂で、鮮度的に大丈夫なのか?と思うようなモノを食べなければならなくなる可能性が高い。

つまり腹を下して、いきたくない道ばたのトイレにイヤでも駆け込まなければならない可能性が高くなるということだ。

バナナとか、お菓子を買って乗り込むという手もあるが、当時の中国製のお菓子は、まだまだ不味い。

そして1日を果物だけで過ごすなどということは、僕には絶対にできないのだった。

で、イヤでも道ばたの食堂にお世話にならなければならなくなる。

食器に関しては、中国式に熱湯を自分が使う茶碗に注ぎ、箸を入れてガシャガシャとやる方法を用い、なおかつ僕はライターの炎で箸と茶碗を炙っていた。

料理に関しては、焼きそば、もしくはチャーハンと、卵焼き、そして豆腐料理(たいてい紅焼豆腐)しか口にしない。

これらは、しょっちゅう出る食材をつかっており、腐りかけの食材を用いられる可能性が低く、しかも食べられないくらい不味いということはまずない。

以前、炒めた野菜なら大丈夫だろうと思い追加で頼んだが、野菜だけでなく、虫も炒められて出てきた。

それぐらい気にしていては中国では何も食べられないが、根のほうにひっついていた虫くんは、火の通りも悪く、なかなかレアな状態だったので、流石に食べるのを控えた。

大体こんなものを食べて、東京生まれの東京育ちの僕が、訳のわからない寄生虫に寄生されたら恥ずかしい事、この上ない。

そんな訳で、僕はその内陸部の工場には関わるのを避けていたのだが、どうしても行きたいと言う人がいて泣く泣く突撃することになってしまったのだった。

僕は念の為、米軍のMREレーション(戦闘糧食)を3パックと蚊取り線香を鞄に入れ、さらにポケットのいっぱいついたサバイバルベストに、芯を抜いたトイレットペーパーやら、途中で事故に遭った場合に備えての医薬品やら、小型の懐中電灯(中国の農村ではホテルでさえもしょっちゅう停電するので必須)ビクトリノックスのナイフなどなどを身につけて、内陸部の町へと向かった。

思ったほど状況はひどくなく、たいしたこともなく現地についたのだが、そこにあったのは僕が中国に来たばかりの頃によく目にした風景だった。

つまり土埃の道路に、タバコと缶飲料と若干の果物をおいた小さな屋台。そして自転車で移動する人・人・人だ。

そこでは楊総の所の顔見知りの工場スタッフが待っていてくれ、工場や町を案内してくれた。

「ここはいい町だぞ~」ついた翌日、工場への車を運転しながら彼が僕に言った。

日本からつれてきたお客さんは、前をいく車のなかだ。

「なんでさ?」

「工場のオープニングの時に、町一番のホテルで、地元の有力者を招いてパーティすることになったんだ。で、見積もり頼んだら一人30元(当時のレートで450円くらい)っていうからさ、それじゃあまりにひどいだろってんで100元にしてくれって頼んだわけ。」

「ふむふむ。」

『そしたら料理長が泣きそうな顔できてさ~「す、すいません。私30元以上のコースってつくった事ないんです。100元の料理なんて何をお出しすれば良いのでしょう?」って聞くのさ。』

福建省あたりでも、山地の村には毎日ご飯に塩かけて食べるのがせいいっぱいで、お正月にだけ豆腐が一品つくというような所もあると聞いていたので、まあ、そんなところだろう。

「町一番のホテルの、最高級コース料理が30元か。まあ、物価が安いのはいいことだよな。でもホテルでそれじゃあ、ここの連中は一体何くってるんだ?」

「普通に喰ってるよ。単に物価が安いだけだ。」

確かに朝、ホテルの食堂でお粥と春巻き、叉焼包(チャーシューまん)の食事をすると、
たった1.5元だった。

安い・・・・

「だろ?まあ、ホテルはまだいいんだけどさ、街中の食堂は、ともかく辛いんだよ。四川あたりの連中ならともかく、オレ達には喰えないっつーの。食材は普通にあるんで、会社の食堂の料理人こっちにつれてきて、毎日料理させてるよ。」

たどりついた工場はこぎれいで、あとは日本に輸出するための陸送がきちっとしてるならば、なんとかなるかな?という感じではあった。

「でもさあ、何にもないところにいきなり工場もってきたりしただろ?原料処理するのに水も大量にいるしさ。で、この辺は地下水で、そのまま飲めるくらいのいい水が出るんだけど、こないだ一軒の家がいきなり5メートルも陥没しちゃってさ。で、調査したら周辺500m四方くらいが地下水抜いたおかげで地面の下がでっかい空洞になってやんの。どうなっちゃうのかね?2年くらいしたら、この町地下水抜きすぎて穴ぼこだらけになっちゃうんじゃねえ?」

「ってお前はどうするんだよ?」

「おれ?二年後にここにいるわけないじゃん。しらねーよそんな事。ここの市政府は、俺達が資本と技術もってきてくれたことに大喜びだしさ。地盤沈下がおこって、ここの連中が困ったって、どうするかは市政府の連中が考えることで、俺らが考える事じゃないもんね。」

あのな~。ウチの会社は10年前、キミ達がここと似たりよったりな状態にあったとき、まさに資本と技術もって君達の町にいったわけだが、なんとかキミ達を豊かにしてやろうとは思ってたけど、そんなひどい事は考えてなかったぞ?

お前等は鬼か(^_^;)

もちろん僕はあきれこそすれ、そんな内心の思いを口に出したり、本気で怒ったりはしない。

それが中国的なメンタリティだし、立場が逆なら、この内陸の町の連中が、今僕の隣にいる彼に対しておなじことを考えるし、するだろうから。

「あ、忘れてた。」

車を運転しながら、彼がいった。

「もう一つ安くて重宝してるものがあった。」

「何さ。」

「50元でできるぞ!!」

「?」

「お・ん・な!!女だよっ!!」

50元・・・やすっ!!

当時彼のいた沿海部の町では300元くらいが相場だし、僕がかつて住んでいた街では1000元前後が相場だった。

「むこうで1人買う金で6人買えるんだな。まあ、それぐらいなきゃ、こんな所でやってられね~けどな。」

「安すぎないか?いくらなんでも?」

「オレもそう思ったけど、単に物価の問題で、病気持ちとかってことは無いぜ。お前もやってく?」

「何が悲しくて、私が一発750円の女と寝なくてはならんのだ?」

「だって日本人は世界中の売春婦のもっともいい客だって、こないだ雑誌に書いてあったぜ。」

「それでも日本の人口は1億2000万くらいだからな。キミ達中国人の10分の1以下だろうが。キミ達中国人の方が、日本人より10倍好き者だってことだろうが。」

「でも日本人の客はみんなヤリたがるじゃね~か。」

「そりゃそうだけど、私は女に関しては美食主義者なの。喰えりゃなんでもいいって訳ではないの。」

「パオイー先生の癖にっ!!」

パオイー(鮑魚)というのは鮑の事だ。

僕が中国にいるとき、週に一度一人で紅焼鮑魚といわれる鮑の煮込みを食べることが知れ、それを知っている連中は影で僕の事を「鮑魚先生」と呼んでいやがるのである。

「私が喰うのは本物の鮑。キミのとは違うの。」

「どっちだって300元くらいじゃね~か。」

「今、キミが週に一度喰ってるのは50元だろうがっ!!」

「50元だって鮮度はいいっ!!それに週一度じゃねーぞ!!週三度だっ!!」

バカかお前は(-_-;)

「私は300元出して中国の食文化の極みともいえる紅焼鮑魚を食べ比べているのだよ。贅沢ではなくて、料理文化の研究をしているのだ。だがキミの鮑喰いは単なる性欲だろうっ!!しかも奥さんがいるくせに、週に三度もっ!!」

「うるさい!!500キロ以上離れた所にいたら女房だって抱けないだろっ!!」

「それにしても週三度は多すぎだろ?奥さんとだって週三度やらねーだろうがっ?まさか毎回とっかえひっかえ違う女買ってやってるんじゃねーだろうな?」

「そりゃ、こういう機会でもないと色々と比較できないだろ?収入の限られているサラリーマンなんだから。」

「比較とかいって、そのうち病気持ちの女にあたって恥かくからな。」

そういうと彼は急に真面目な顔をして僕を見た。

「お前さあ~。持ってるよな?日本製のコンドーム。」

「もってね~よっ!!」

「ウソつけっ!!客つれている時はいつも持ってるだろうがっ!!」

確かに僕はコンドームを持っている。海外で仕事している者のたしなみって奴だ。仕事を始めた頃、一緒に仕事をした大手商社の課長に、「せっかく海外までアテンドした客が、病気うつされて家庭問題になって担当はずれたりしたら水の泡だろ!!自分がやらなくても、コンドームはちゃんともっておけ!!」と説教された事もあるのだ。

「頼むよ。あとでわけてくれ。どうも中国製のコンドームは不安だ。」

僕は以前日本製のコンドームの優秀さを信じない彼の目の前で、水道の蛇口から日本製のコンドームに水をガンガン入れてみせた事がある。

素晴らしき日本の技術の象徴とも言えるコンドームは3リットル近い水を入れても割れる気配がなく、途中でイヤになって水入れるのをやめてしまった程だ。

「中国人には中国製で十分だろ。」

「十分だけどやっぱ危険だ。」

「大丈夫だ。鮮度はいいんだろ?」

「良く考えたら鮮度がよくても、細菌や寄生虫はいるかも知れない。」

「中国人だから大丈夫だ。中国人は世界で一番強固な胃腸をもっている民族だから。消化しろっ!!」

「オレの鮑は胃腸で食う鮑ではないからな・・むしろ喰われるといったほうが・・」

「じゃあ消化されろっ!!」

「・・・・・・・・」

 
(-_-)(-_-)(-_-)(-_-)(-_-)

 

長くなった。

時間は戻って去年。

「そりゃないでしょ。あるわけがない。」

僕は弟にいった。

「そうなんだけどさ~。本当に何もないんだよ。日本だと、田舎でも、なんらかの遺跡だとか、観光できるとことかあるじゃん。本当に何もないの。川、山、畑、田んぼ、人。それだけ。」

「いいところだな。きっと2000年前と違うのは、テレビを見れる事と電線がひいてある事と、馬車じゃなくてガソリンエンジン車が走ってることくらいなんだろうな。」

「マジでそうかもしれない。」

弟は大きくため息をついた。

「あ、でもさあ。一つだけあったよ。クワガタ。あそこは山で珍しいクワガタがとれるんだってさ。」

「クワガタ?」

僕の目がキラリと光った。

「うん。結構有名らしいよ。日本名も教えてもらったけどさ」

「思い出せる?」

「うん」

「検索しろ!!ネットで検索するんだっ!!」

「なんで?」

「きまってるだろ?今やムシキングでクワガタやカブトムシは子供達の人気者だぞ?それに珍しい種類なら、こっそり日本に持ち込めば、高い値段がつくかもしれん!!」

「え~?でも高い値段がつくのは、南米とかの虫なんじゃない?中国のクワガタなんて値段つかないんじゃない?」

「かもしれんが、日本名があるって事は、日本にも流通しているのかもしれん。小銭もうけのチャンスかもしれないぞ!!」

「そっか。検索かけてみるわ。」

それから30分後。

弟が階段をかけおりてきた。

「あ、あった・・・・」

僕と弟は、階段をあがり、弟のパソコンをのぞき込んだ。

確かにそこには中国産のクワガタの写真が出ていた。

そして値段も。

「イチ、ジュウ、ヒャク、セン・・・・・」

僕と弟が二ヶ月ぶりくらいに視線を合わせた瞬間だった。

To be continue.

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