中国に真実の愛はあったか?(4)
サクちゃんの優雅な生活をきかされただんじり君は・・・・
僕はサクちゃんの、麻雀とカラオケギャルに囲まれた優雅な日々を、インスタントコーヒーしかないようなホテルばかり5連泊してきただんじり君に語って聞かせた。
「(-_-)・・・・・・」
だんじり君はコーヒーカップを眺めながら沈黙した。
「ハ・・・ハハハ(^_^;)また円さんたら大げさな事言って!!」
サクちゃんが気まずい雰囲気をなんとか打ち破ろうとして口を開いた。
「大体、私が麻雀してるのは会社が休みの土曜の午後ですよ。」
「そうですね。で、部屋にいるのは佐久間さん以外はみな夜の姫君で、常に6~7人いるんですよね。週末の午後だけだけど。」
「いや・・・・まあ、そうですが・・・・」
サクちゃんは愛民の事を思い出したに違いない。
ホテルのセキュリティ用監視ルームを押さえているマネージャーと悪魔のタッグくらい怖い物はない。
いったい僕がどれくらいの情報をもっているかサクちゃんには想像もつかないのだ。
もちろん僕が聞いても、愛民が教えてくれるかどうかはわからないが、後ろめたい事がいっぱいあるはずのサクちゃんにとっては、当然知られていることを前提に、僕に対して対応しなければならない。
ここでウソをついて逃れようとすれば、僕が次から次へと情報を開示していくであろうことは、付き合いの長いサクちゃんには容易に想像がつく。
「ふ~ん。ええ生活しとるなあ。ワシが家に帰っても7つも年上の嫁とうるさいガキが三人いるだけなのに。週末には若い夜の姫君が6~7人でっか。」
周囲にはだんじり君を中心に、冗談抜きで灰色のオーラが漂っているようだった。
「いや、夜の姫君って!!そんなのじゃないですから!!円さんやめてくださいよ!!変な噂がたったらどうするんですっ!!」
「この業界、変な噂はつきものじゃないですか。私なんかオヤジをシンガポール人にされたり、おふくろを中国人にされたり、たまったもんじゃない。」
「それとは問題が違います!!っていうか、一番の極悪人は鄭君ですっ!!」
ニヤニヤ笑いながら三人のやりとりを聞いていた、日本に不法滞在すること二年、強制送還された過去をもつ鄭君がいきなり話をふられ、コーヒーにむせた。
「鄭君が何かしたんですか?」
僕はサクちゃんに尋ねた。
「まずはですねえ、この間二人でいたら鄭君の携帯が鳴るけど、彼はでないんですよ。で、何度もなった後、ようやく出たらすっごく邪険な返事をして切ったんです。」
「ほう」僕はそういいながら鄭君の顔を見た。
「さ、佐久間さん!!その話はやめましょうよっ!!」
鄭君が少しあわてたように言った。
『で、誰?って私が聞いたらですねえ、「ほら、円さんがかわいいなあ~って言ってたあのカラオケの女ですよ。一回やったくらいでしつこく電話してきやがって」なんていってるんですよ!!』
「なにっ!!あのボブカットの女の子か?」僕はじろりと鄭君を見た。
「そうです。ボブカットの女の子です。鄭君は円さんが気に入っているのを知っててヤってしまったんです!!」
「佐久間さん!!」
鄭君は流石にあわてはじめた。
僕は鄭君をにらみつけながら言った。
「相手はそれが商売の一環とはいえ、一度で飽きてしまうならやらんほうがいいな。特に仲間内にあの子いいなと思っている人がいる場合は。」
「そ、そうですね。気をつけます。なんていうか、お酒飲んでいて気がついたら裸でとなりに寝ていたと言う感じで。申し訳ない!!」
まあ、別に可愛いなとおもっただけだからいいや。
口きいたこともないし。
そう思っていると、サクちゃんが再度の追い打ちを鄭君にかけた。
「もっとひどい事があるんです」
「なんや?」
僕がお気に入りの子を寝取られた話を聞いて、ちょっと機嫌が直っただんじり君がサクちゃんに尋ねた。
「私が仕事で遅くなる日にですねえ」サクちゃんが意地の悪そうな顔を鄭君に向けながら言った。
「鄭君がちょっと部屋借りていいですか?って電話をかけてきたんですよ。で、私も忙しかったからあまり考えもせずに、いいよって返事したんですが、会社から帰って私の部屋に入ると・・・」
「佐久間さん!!」
鄭君があわてて、サクちゃんの口をおさえようとした。
それを両手でかわしながらサクちゃんが言った。
「暗いベッドルームで、女と二人、裸でねてたんですっ!!私のベッドでですよっ!!」
「ひどい!!」
「ほんまか?」
僕とだんじり君は信じられないという顔で鄭君の方を向いて言った。
「い、いや、まあ、そんな事もありましたね(^_^;)」
鄭君が照れ笑いしながらしどろもどろで答えた。
「自分の部屋でやればいいだろっ!!」
サクちゃんはその時の怒りを思い出したのかいきなり鄭君を怒鳴りつけた。
「まあ、いずれにせよ、佐久間さんの部屋は、女郎さんの控えの間で、しかも売春宿でもあることが本人のカミングアウトで証明されたわけです。」
僕が総ての話をきちんとサクちゃんの淫乱な生活っぷりに戻して、だんじり君に話を返した。
『そやな。円ちゃんはカラオケのねーちゃん見て「あの娘ええな~」とかおもっとるだけやけど、佐久間さんと鄭君は、同じ部屋で女抱いて生活してるっていうことが良くわかったわ(-_-)』
「きっと部屋だけでなく、一緒に寝る女性も一部カブってますよ。この二人は。」
僕が二人の顔を見ながら言うと、二人はお互い顔をあわせ、そしてうつむいた。
「マラ兄弟やな。この二人は(-_-)」
「不潔ですよ。日本と中国の淫魔代表コンビです。どっちかがエイズになれば直に両方ともエイズになります。」
これには流石にサクちゃんが「それはあんまりですよ・・・」と力のない声で反論した。
コーヒーも飲み終わり、そろそろチェックインしようかと話しているとサクちゃんの携帯がなった。
話し方と妙ににやけた顔で、仕事の話ではないことがすぐにわかった。
「きっとカラオケのおねーちゃんですよ。」
僕はだんじり君の方へ身体を傾け、わざと小さな声で言った。
「(-_-)・・・・・」
僕が鄭君に目でサクちゃんの携帯を奪うよう合図すると、サクちゃんの隣にいた鄭君は素早くサクちゃんの携帯を奪った。
「あっ・・・・・」
不意をつかれ呆然とするサクちゃんを尻目に、極悪中国淫魔代表の鄭君は携帯の相手と話し出した。
「円さんリーリーです。円さんにかわれって言ってますよ」
鄭君が面白そうな顔をして、僕に携帯を渡した。
サクちゃんはすでにあきらめたような顔で僕を見ている。
「ウエィウエィ(もしもし)」僕は中国語で話しかけた。
「円?ひさしぶり。今佐久間さんと一緒にいるの?」
「そうだよ。リーリーはどこにいるのさ?せっかくだからこっちくれば?」
リーリーは僕等のいる街から600キロほど南の街の名前を言って、遠すぎるよと言った。
「今から高速バスに乗れば夜中にはつくじゃん。きなよ。週末だし。サクちゃんも逢いたいってさっきまでさんざん俺らにのろけてたんだぜ。」
「ほんとう?」
「ほんとうだよ。今、XXのXXホテルだからさ。あさってには俺らは日本に帰るけど明日はいるから。」
「どうしよっかな。佐久間さんに変わってくれる?」
僕はサクちゃんに携帯を返すと席を立ち、チェックインの為フロントに向かった。もちろんコーヒー代の伝票はサクちゃんの前に置いてだ。
「ほんまくるかな?」
だんじり君が楽しそうな顔をして言った。
「どうでしょうねえ。600キロくらいあるから。8時間くらいかかりますよ。」
「その距離バスでやってきたら、サクちゃんに相当惚れとるな。」
「そうですねえ。私だったら電話でこいよって言われて600キロ先の街にいるって言われたら絶対いかないですからねえ。」
僕等がチェックインの用紙に必要事項を書き込んでいると、サクちゃんがやってきた。
「どうでした?」
僕は妙にニコニコしているサクちゃんの顔を見て尋ねた。
「来るっていってましたよ。」
僕もだんじり君も思わず書類から顔をあげてサクちゃんの顔を見た。
「ほんまかいな?」
「まあ、ほんとうに来るかどうかはわかりませんけど。」
そういうとサクちゃんは僕等が来る前に記入していたらしい書類をフロントに出した。
「円さま。こちらがXX(だんじり君の本名)さまの。こちらが円さまのキーです」
フロントの女の子が僕とだんじり君にキーを渡した。
「佐久間様。予約はノーマルツインで承ったのですが、今日はあいにく満室で、こちらの方でカリビアンルームをご用意させていただきました。もちろん料金はノーマルツインの料金ですので。」
「何!?カリビアンルーム?」
僕は思わずサクちゃんの顔を見た。
「なんや?カリビアンルームって?」
だんじり君が僕の尋常ではない反応に驚いて聞いた。
このホテルは三階にプールがある。プールに面して直接プールサイドに出られる部屋がカリビアンルームと呼ばれていて、僕が一人でこのホテルに来るときは大抵この部屋を頼む。値段もノーマルと20ドルくらいしか違わないが、夜は青くライトアップされたプールが見え気分が良い。
僕が仕事で泊まるホテルのなかでは、この部屋が一番好きだ。
因みに今回はだんじり君の出張費の関連でノーマルツインにしたのだが、これだと場合によっては窓の外はところどころ筵をかけた工事中のビルだったりして、激しくげんなりする。
僕はそのことをだんじり君に説明した。
「佐久間さん今日はほんまに運がいいなあ。600キロも離れたとこから女の子が夜中にかけつけ、おまけに部屋はオシャレなプールサイドのカリビアンルームかあ。」
サクちゃんは嬉しそうに笑っている。
ムムム・・・サクちゃんめえ・・・・
俺のカリビアンルームを・・・・・
コノウラミハラサデオクベキカ・・・・・・・・・
To be continue.
Uploads on coming monday!!
see you (^_-)
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