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2006.01.30

ゆんたくアクマちゃん47ーイノチノイミー

え~と。

長老よっしーの手術が来週早々に行われることになりました。

そんなわけで、別に成功を祈って毎日加持祈祷をしなくちゃなんて事は全然ないのですが、今週と来週はお休みにさせていただきます。(間違っても「フロントミッション5がラスト5ステージになったからだろ!!」とか、「ジム通いはじめたから毎日行って可愛い女の子探すつもりだろ!!」とか言わんように)

それにしても、あの歳で、よくも1年にわたる抗ガン剤の投与に耐え続けたものと感心します。

抗ガン剤が効かなかったという表現は、なんというか言葉のごまかしで、正確にいうと、「ガン細胞にはきかなかったんだけど、正常細胞にはおもいっきりダメージくわえちゃった!!」ってことですからねえ。

さすがにこれじゃあ、もたないだろう。手術した場合、現時点でどれくらいのリスクがあるのかはっきり言ってもらい、このまま抗ガン剤投与しながら死ぬの待つか、おもいきって腹さばくか決めた方がいいんじゃないと思い、医者に言おうと思っていたら、向こうの方から「やりましょう」と言ってきたとのことで、まあ、よかったかなと。

でもな、半年前に手術の検討だけでもしておけば、肺だって今の倍残った状態で、体力だって十分で手術受けられたのにな。

医者に「私が円さんの立場なら、身の回りをきちんとして、その時に備えます」と沈痛な面持ちで言われた経験をもつ私からすると、戦場でも病気でも、死が間近に迫ってきたのがはっきりと見えたときに、命が大事と死から逃げ回る人間は、死神から逃げられないと思いますね。

捨ててこそ浮かぶ瀬もありっていいますけど、死神に自分の命をたたきつけた上で、念仏唱えるように「捨ててこそ浮かぶ瀬もあり!!」とばかりに死神だけでなく、あの世まで切り伏せるくらいの気力を持って死に立ち向かわないとダメです。

捨てて浮かぶ瀬があるかどうかは、はなはだ疑問ですが、どうせ自分から捨てなくてもとられるんだから、浮かぶ瀬があると確信するんです。

それぐらいの胆力をもってないと、現実に肉体が病に犯されまくる前に、心が死の恐怖でボロボロにされてしまいますから。

「死ぬのは誰だって怖いのだからそんなの無理」っていうかもしれないけど、死というのは誰にでも訪れるもので、そういうモノに対してできるだけ見ないですまそうとしてきたのが、戦後の我々の文化だと思うのです。

命は大事だから他国から軍事的に攻められても、一切抵抗しないで降伏しようっていうような、どっかのおばさん政党みたいな考えは、なかなか良い考えに思えますが、攻める方からすれば「こいつらは命さえつないでおいてやればあとはどうでもいいんだな」って事になっちゃうんで、自らを人間から喰って寝てウンコするだけの動物におとしめてしまう考えだと思うのですよね。

武士道の時代の侍の文化っていうのは、しっかりと死をみつめたところから作られた文化だと思います。

イエスだってゴルゴダの丘で十字架にかかったから、今にいたるまで救世主だってことになってるんであって、あれローマ軍が来るからにげるべ!!って逃げ回ってたら救世主にはならんでしょう。西洋文化を支えるキリスト教だって「命より大切なものがある」ってところからはじまっているのだと思います。

私たちが21世紀に取り戻さなければならないのは「死」を前提にした文化だと思います。

「生」と「死」は対立するものではなく、「生」があるところには必ず「死」があります。

文化は「生」と「死」の間につくるものであって、「生」だけの上につくると変にゆがんだものになってしまうと思うのですよね。

永遠の命が欲しいというけど、永遠ってどのくらいなんでしょう?ほんとうの永遠とは太陽系が滅び銀河が滅び、宇宙そのものが滅びてもつづくものです。

そんなもの肉体をもったまま実現することはできないし、シリコン生命体になっても無理です。

私たちが手にいれられるのは結局はいつかは死に至る命。有限の命です。

命は大事だけど、それは私のものだから大事なんではなく、それが神であれ、運命であれ、ともかく自分で努力して手にいれたものではなく、何者かから与えられたものだから、返す時が来るまで大事に使おうということであって、命乞食宜しく、意地でも与えられた命にしがみつけということではないと思います。

まあ、私がよく知っている中国人みたいに「人のモノだからいいじゃん」って正反対の考えもってる人も世界にはたくさんいるのですが(^_^;)

運命が返せと言うなら気前よく返してやれば良い。大事なのはその時に「ほなかえしたるわ!!」って言えるだけの価値ある生き方を自分がしてきたかどうかということです。

そういう気前の良い人には、激Sな死神も「こんな奴の命とっても面白くない。もっとビビリまくる奴の命いじった方がおもろいわ」ってな感じで、しばらくの間はカマ振り下ろすの延期して、ダンスを踊ってくれるような気がします。

まあ、常に死神と一緒にダンス踊ってるっていうのもゾッとする話ではありますが(^_^;)

まあ、そんな訳で。

再来週に。

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2006.01.23

中国に真実の愛はあったか?(6)

この物語はすべてフィクションです。よしんば私の周辺でこれと似たような事件が起きていたとしても、その関係者からのクレームはうけつけません。フィクションですからね~(^_-)

翌日は6時半に目が覚めた。日本では7時半なのでNHKーBSをつけてシャワーを浴びた。7時過ぎに事務所に電話をかけて鄭君にリーリーがそちらにいっていないか尋ねた。

ホテルは12時を過ぎると宿泊客以外の出入りが禁止になる。

その場合は事務所の方に泊まるよう、サクちゃんを通じてリーリーに伝えてあるのだ。

鄭君の話では、きてないし、連絡もないという。

「やっぱこなかったんじゃないですか?いくらなんでも600キロバスに乗ってくるのは辛いですよ。」

やはりこなかったのだろうか?

まあ、それはそれで、がっかりしているであろうサクちゃんをいじって遊べばいいことだが。

7時20分になるとだんじり君が電話をかけてきた上で、部屋にやってきた。

「事務所の方にはきてないそうです。やっぱこなかったんでしょうか?」

「そやなあ。遠いもんなあ。まあ、それはそれで朝飯食いながらサクちゃんいじったればええやん」

生まれ育ちは東京、大阪と違っても、悪魔の考えることは同じだ。

かわいそうなサクちゃん。カリビアンルームをあてがわれたばっかりに。

僕たちはそろって三階でエレベーターをおり、サクちゃんの部屋の前に立った。

「さあ、ガサ入れにはいりますよ!!多分来てないとは思うけど・・・・」

僕はだんじり君に言った。

「ええのか?ほんまええのんか?」

だんじり君は顔には満面の笑みをうかべていたが、多少遠慮しているようだった。

それはそうだ。僕とサクちゃんは共に中国を歩んできた仲だが、だんじり君はここ2~3年の付き合いだし、何よりもサクちゃんは10歳以上年上だ。

果たして年上の、しかも資本金が両手でやっと足りる桁の会社の副社長相手に、早朝ガサ入れをかけていいものか?と考えればたじろがないほうがおかしい。

しかも場合によっては、ベットには裸の女性がいるかも知れないのである。

僕にとって、リーリーは裸を見てしまっても「み~ちゃったみ~ちゃった」ですむ相手だが、だんじり君にとっては初対面の外国人女性だし。

サクちゃんの部屋の前でなにやらこそこそしている僕たちを、掃除をした部屋のチェックをしているフロアマネージャーが不審気に見ていた。

僕は彼に手をふり、別にあやしい者ではないことを知らせると、ドアののぞき穴を指で押さえ、扉をノックした。

「は~い」

「佐久間さん。迎えにきました。あけて下さい。」

僕がそういうと、サクちゃんがドアを少しだけ開けた。

「ずいぶん早いじゃないですか?」

そういうサクちゃんはすでに服を着ていた。約束の30分前。僕なら間違いなくパジャマだ。

「いや~。二人してなんか寝られなくて。」

「そうですか。じゃあ、行きましょう。」

そういってサクちゃんはそのまま部屋を出ようとした。

あやしい!!僕の直感がささやいた。

約束の30分も前に部屋を出られる準備をしているのはおかしい。

それに、いつもはこういう場合、サクちゃんは僕を部屋にいれてくれるし、こんな風に扉を自分の身体の分だけあけて僕を迎えた事はなかった。

「ちょっと待って下さい!!」

そういうと、僕はだんじり君の顔を見た。

だんじり君がごくりと唾を飲んだ。

僕はだんじり君にうなずくと、「ガサ入れだ!!」と叫びサクちゃんを押しのけて、カリビアンルームへと突入した。

サクちゃんが思わず「ああっ!!」と叫んだ。

(-_-)(-_-)(-_-)(-_-)(-_-)

僕とだんじり君が突入したカリビアンルームは朝の光をいっぱいにみなぎらせていた。

その朝の光のなかには、真っ白なベットが二つある。

どちらも寝乱れた様子もなくきれいだったが、そのうちの一つがこんもりとふくらんでいた。

僕もサクちゃんも、にんまりとしてお互いの顔を見た。

「だんじり警部。この部屋は一人で宿泊していると聞いていますが」

僕はこんもりとふくらんだベットを見ながら言った。

「このふくらみはなんでありましょうか?枕でしょうか?」

だんじり君も興味深そうにこんもりしたふくらみを見ながら僕に言った。

「円刑事。ちょっとさわって確かめてみたらどうだろう?」

僕は足の先のあたりをチョンチョンとつついて見た。

ふくらみは動かない。

「反応ありません。やはり枕なんでしょうか?」

僕がだんじり君の顔を見ていうと、うつむいているサクちゃんの後ろから不意に現れた鄭君が「ああ~っ」と大声をあげた。

「ほんとうにきたんですか?」

4人の男の視線を浴びて、白いふくらみは微動だにしなかった。

これはまだ寝ているのだろうか?それとも裸か下着姿なので起きられない?

「だんじり警部。自分が布団の中に手をいれてみたいと思います。」

「うっ・・・いいのんか?」

だんじり君はちょっとたじろいだ。

「はい。参考人の佐久間さんも黙秘するようですし、このままでは埒があきませんので」

僕はふとんの中に手を入れると、ちょうど足の裏あたりをこちょこちょとくすぐった。

こんもりしたふくらみがちょっと動いた。

「警部。どうやら起きているようです。」

「うむ。」

今度は両手を入れて、片手で足首をつかむと、もう片方で足の裏を思いっきりくすぐった。

白いふくらみがすごい勢いで動くと、モジャモジャの髪でがばっ!!とリーリーが起きあがった。

「ちょっと!!なんてことしてくれるのよ!!」

下は足首を掴んだときに服にふれたので、裸やパンツ一丁でないことはわかっていたが上半身もTシャツを着ていた。

「おおっ!!リーリーではないか!!久しぶり!!おはよう!!」

僕は片手をあげると元気にリーリーに挨拶した。

「おはようじゃないわよ!!私は2時過ぎについたんですからねっ!!まだ眠いのよっ」

「すげ~なあ~。ほんとうに来たんだ?」

鄭君が僕に変わって話し出した。

僕ははっと閃くと、鄭君とリーリーがどれくらいかかった?とか話すのをききながらバスルームに行き、シャンプーの容器の中身を半分抜き、中に水を入れてシェイクして部屋に持ち出した。

ベットに上半身をおこしているリーリーのとなりに座ると、リーリーが不審気な顔で「何?」と言った。

僕はにこりと笑うと、黙ってリーリーの頭に、水を入れてシェイクしたシャンプーをふりかけて、頭をゴシゴシと洗い始めた。

「ああっ!!何これ!!」

「リーリー様、本日は当ホテル自慢のカリビアンルームにお泊まりいただきありがとうございます。これは本カリビアンルームの特別サービス、早朝洗頭マッサージです。御気分はいかがでしょう?」

ベットの上でみるみる頭を泡だらけにしていくリーリーを見て、サクちゃん、だんじり君、鄭君がゲラゲラ笑った。

「ああっ!!ベットの上で洗頭するなあ~」リーリーが何もできないまま、叫んだ。

「そうおっしゃらずに。スペシャルサービスですので。」

僕はリーリーの髪をしっかり泡立ててやると、バスルームに行って手を洗った。

バスルームから出てくるとベットの上で上半身をおこして頭を泡だらけにしたリーリーは(-_-;)な顔をしていた。

「これでよし!!寝ないでそのままシャワー浴びて髪の毛乾かしたら下のビュッフェでご飯食べよ~ぜえ。待ってるよ~ん」

そういうと僕等は笑いながら部屋を出て行った。

(-_-)(-_-)(-_-)(-_-)(-_-)

だんじり君と鄭君と僕の三人で「真実の愛を見せてもらいましたよ!!」などと言ってサクちゃんをからかいながら、朝食にクロワッサンとクリスピーベーコンにスクランブルエッグ、トマトスープにマカロニのサラダなどを食べて、食後の紅茶を楽しんでいると、後ろから思いっきり頭をグーで殴られた。

「イテテテテ」

当然の如くリーリーが後ろに立っていた。

レストランのマネージャーがトラブルかと近寄ってくる気配を見せたが、僕は手で制止して、リーリーの為にとってあった僕とサクちゃんの間の席に座らせた。

「バイキングだから自分でとってこなくちゃならないけど、言えばサクちゃんが取ってきてくれると思うよ。」

「いいわよ。自分でとってくるからっ!!」

リーリーはお粥に焼きそば他、中華風のメニューを選んで持ってくると食べ始めた。

「よくもやってくれたわね!!」

「何が?」

「ふん!!」

「でもさ、起き抜けにベットで洗頭してもらったことある?」

「あるわけないでしょ!!」

「でも、ぼんやりしてるうちにベットで頭あらってもらって、そのままシャワー浴びればすっきりして丁度いいじゃん」

「まあ、それはそうだけどねっ!!」

「きっと一生忘れられない思い出になるよ。」

「忘れるわけないでしょ!!人が寝てるとこにはいってきて、寝ぼけまなこのとこにいきなり頭洗われればっ!!」

やりとりを聞いていた鄭君とサクちゃんが笑った。だんじり君は中国語がわからないので鄭君に訳してもらってから笑った。

「ま、いいじゃん友達だから。はだかって訳でもないし。お昼はおいしい海鮮料理ごちそうしてあげるからさ。」

「ほんとうでしょうね?」

「円さんはここに五年もすんでいたから美味しいお店いっぱいしってるぞ」

サクちゃんがリーリーに言った。

「じゃあおかわりしないでおこっと」

11時ちょい過ぎに、サクちゃんの会社の株主でもある商社の人が日本からやってきた。

僕等は一緒に昼ご飯を食べ、ホテルにまで戻ってきた。

僕とだんじり君は明日日本に帰るので、午後は2時頃から市内にお土産を買いにいくことにした。サクちゃんはぼくらと逆のコースをたどり営業にいくという。

リーリーは600キロ離れた街に戻ることになった。24時間で1200キロ。中国人は逞しい。

日本からきたばかりの商社マンはサクちゃんの工場の方へタクシーで向かうという。

「佐久間さん一週間くらい戻ってこないなら、佐久間さんの部屋借りててもいいですか?」

彼が言うと、サクちゃんは気前よく了解した。

僕が携帯で愛民に連絡をし事情を話して、彼がついたらサクちゃんの部屋の鍵を渡してもらうよう頼んだ。

「すいません」

「別にいいですけど、会社から経費出るでしょ?」

「そうなんですが、それが・・・・」

彼が言うには、先月このホテルで専務と部長、課長、それにサクちゃんの会社の中国側の株主と会議をして昼飯を食べた。

で、彼の会社がごちそうすることになり、料理の注文をまかされた彼が、ウエィターの勧めに従って注文すると、このあたりにはないタラバカニなどの料理が出て、しかも6人のテーブルで最後に出てきた領収書が日本円にして16万だったという。

僕等は絶句した。

一人あたり2.5万円の食事なんて・・・・・・

「はい。町中ならボラれたって事になるんでしょうが、ホテルなので僕のミスです。その、会社から一年間上海に留学させてもらってたんですが、あまりちゃんとした料理店で注文することなかったんで、XXカニとか、XX海老といわれてもXXの部分がわからなくて、単純に海老だと思ったら伊勢エビ、渡りカニだとおもったらタラバカニってな具合で。料理そのものはすごくおいしかったんですが、請求書みた部長からめっちゃ怒られて、今回も余計な金使うんじゃないぞとそれはしつこく・・・・」

ホテル代は「余計な金」じゃないと思うのだが。

サクちゃんが笑って「なんならこの子も部屋につけてあげますよ」とリーリーを見ながら冗談で言った。

冗談とわかっても、僕もだんじり君もギョッとした。

その雰囲気を見て、リーリーが「今なんていったの?」と僕につめよった。

「さあ。佐久間さんに聞けば?」

リーリーが佐久間さんに尋ねたが、サクちゃんは言っていることがわからない振りをした。

「ねえ、なんていったの?教えてよ」

「さあ?なんでしょうねえ」

「おしえろ!!円!!おしえろっ!!」

「いやあ~ 困っちゃうなあ~」

「言ってもいいですよ」

サクちゃんが言った。

「ほら。本人が言ってるじゃない。教えてよっ!!」

「聞かない方がいいと思うけど。」

「いいからいいなさい!!」

僕はサクちゃんが商社マンの彼に言ったことを訳してあげた。

「はあっ?」

リーリーが怖い顔でサクちゃんを見た。

「私もうかえるっ!!」

リーリーはバスの停留所に向かって歩いて行った。

「だから聞かない方がいいって言ったのに(-_-;)」

そういいながら僕はサクちゃんの運転手に長距離のバス停までリーリーをおくってもらうよう頼んだ。

だんじり君がお土産を買いに行く前に本社に報告を入れるということで、リーリーを送りにいった車が戻ってくるまでの間、僕とサクちゃんはコーヒーショップでお茶をすることにした。

「せっかく600キロの距離をおいかけてきてくれたのにかわいそうな事を。」

僕はサクちゃんに言った。

「いいんですよ。所詮お金が欲しかっただけだから。1万元貸してほしいって話でした。」

1万元は当時の為替で15万円くらいだ。

「多分故郷に帰るんでしょう。もう28ですから、地方からどんどん若い子がカラオケに流れ込んでくる今では、働く場もないでしょうしね。」

僕はサクちゃんがお金を貸したかどうかは聞かなかった。

ただ田舎に帰るリーリーが、カリビアンルームでの朝の洗頭サービスを、若い頃の思い出として、思い出す事があるだろうかと考えていた。

(-_-)(-_-)(-_-)(-_-)(-_-)

それから半年後。

愛民がホテルをやめて、僕の会社に移籍する事になった。

僕に数々のネタを握られている腐れオヤジが、僕と愛民が仲が良いという噂を聞いて、会社に引き抜けば、必ず僕が過ちをおこすに違いないと読んで、強引に引き抜いたのだった。

腐れオヤジのやることは、いつもこういう邪心からやることなので、僕は父親としての彼はそれなりに評価しても経営者としての彼に関してはほとんど評価しない。

だが愛民がホテルのある街から、僕が住んでいた街の事務所に荷物をまとめて移動すべくタクシーにのったとき、街を出る寸前にタクシーは横からきた車に追突され、彼女も足を骨折して3ヶ月の入院となった。

結局退院後、大連に戻ることになり、腐れオヤジの悪巧みはあっさりと潰れることとなった。

彼女は翌年結婚したが、結婚の翌日の夜、僕に電話をかけてきた。

今でも年に1,2度メールが来る。

だが僕のPCでは中国語のメールは送れないので、僕は毎回「見た」とだけ返事をする。

The End

NEXT 「漂流!!80億の男」(多分)

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2006.01.17

ゆんたくアクマちゃん46ー卵の殻を割れない鳥は1000年たっても飛べないー

今週の更新は右の最近の記事からどうぞ

B型悪魔系にでてくるみゆちゃんのモデルになった人は、今でこそのびのびと仕事をして、時に上司の悪口いいながらも毎日責任ある仕事を楽しくやっています。

そんな彼女も7年前くらいまでは、一部上場企業で人間関係に悩み、しばしば夜中に「これってどう思う?」と相談の電話をしてきたものです。

結局その会社が傾きかけたときに、思い切って自分からやめて、1年間勉強しなおして今の職場に就職。

余計な事になやまず、自分の力をおもいっきり使いながら毎日元気にやっています。

まあ、相談にのってあげて役にたったかたたないかはわかりませんが、地獄の底に沈んだような声で電話してきた友人が、元気で働いているのは喜ばしい事です。

私自身、学生の頃から自分は日本の社会にはアジャストできないだろうなあ。海外でて自分の力試してみるしかないんでないだろうか?とずっと思っていて、就職も比較的早く海外に出してくれる会社を選んでしたし、その会社にいるよりも早く、オヤジが海外に常駐する人間がいるというので、そちらにうつって、中国に行ったわけです。

そんな訳で思うのだけども、人間はなにがしかの卵の殻のなかに閉じこめられている存在だと思います。

それがみゆちゃんのように、会社の中のシステムであったり、独立企業する人のように会社そのものだったりすることもあるし、その国のシステムや、つぐべき家業をもっている人にとっては、「家」そのものかもしれません。

あるいは、そのような明確な形をもたず、自分自身のコンプレックスや、「そんなことは自分なんかにはできるわけない」という思いこみのような、自分の心の中にある殻なのかもしれません。

みゆちゃんが10年近く勤めた一部上場の会社を辞めたとき、将来の保証なんか何もなかったし、私がオヤジの会社にうつったときも、オヤジががんばってつくった中国の人脈があり、将来性は感じられたものの、オヤジが社長と営業をやり、母親が会計と財務をやっているだけで、他には従業員なんかいない、来月の給料も出るかでないかわからない状態でした。起業して独立する人達にしても、それなりの見通しはあっても、やはり成功の保証なんか誰もしてくれないわけです。

卵の殻のなかは暗くて不自由な反面、栄養もあるし暖かいし、なによりも安全です。

実際は、いつ卵ごとつぶされてもおかしくないのですが、卵のなかにいる限り実際につぶされるまで気がつかないですみます。

結局の所、そのかりそめの安全な場所である卵の殻を自ら打ち砕いて、外に出ていく鳥だけが空を自由に飛ぶことができるのだと思います。

もちろん卵を砕いて出た途端に食べられてしまったり凍えてしまう鳥もたくさんいるでしょうが。

でもそれは、羽根も生えず目だけが大きい醜い雛鳥の姿でいるしかない自分の身体だけでキツキツな世界を飛び出し、美しかったり、可愛いらしかったり、雄々しい成鳥になるためには必要なリスクなのだと思います。

でも現実に鳥であるならば、卵の殻のなかにいる間は、ひたすら窮屈さを感じて、一刻も早くここから出たいと思うだけでしょうが、人間の場合は卵のなかに閉じこめられている訳ではないので、自分が醜い雛鳥の形で卵のなかにいる状態でありながら、空を美しく舞う鳥や、可愛くなく鳥、雄々しく羽ばたく鳥の姿を目にする事があります。

そんな時に「素敵だな。自分もいつかはあんな風になりたい。」と思えればいいのですが、「なんだあいつらばっかり偉そうに飛びやがって。俺はこんな狭いところでカツカツなのによお」と文句をいうならまだしも、凄まじく呪いと妬みの入り交じった目でそういう鳥たちを見上げる事しか、しようとしない人もいます。

どちらも、空を飛んでいる華やかな姿だけしか見ようとせず、空を自由に飛べるようになるまでの努力や、リスクに関して想像することすらできない人達です。

殻をわって外に出なければ、鳥に生まれても空を飛ぶ鳥にはなれないということをわかろうとせず、何で同じ鳥に生まれたのに、あいつは飛べて、俺は飛べないんだ!!と不平ばかり言っていたり、空を飛ぶ鳥たちを妬み呪うことでしか自己主張できない人達。

新しい年を迎えて、今年の私の抱負を語るとすれば、今年は空を飛べなくても、殻からは出る鳥になろうということ。

卵の殻を割れない鳥は、それが例え渡り鳥であろうとも、空高く舞い上がることはできません。殻を割らない限り1000年たっても無理です。

また同時に、殻のなかに閉じこもったまま、空を飛ぶ鳥たちを妬ましげな目で見る鳥にだけはなるまいということを戒めにしたいと思います。

そんな鳥の殻をあけてその姿をみれば、羽根も生えそろわない身体に、巨大な目だけを憎しみや妬みの光に爛々とさせた、鬼気迫る醜いものであると思うから。

そうなったときもっとも恐ろしいのは、1000年たっても、自分がそんな姿をしていることに気がつかない事でしょう。

暗くて狭い卵の中には、鏡をおくスペースはないでしょうから。

そういう鳥にだけはなりたくないと、私は思います。

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2006.01.15

中国に真実の愛はあったか?(5)

ついにはじまった僕等の修羅場計画とは?

ホテルの部屋に入った僕はテレビをつけて、一週間ぶりに日本のニュースを見た。

このホテルのビジネスセンターには、日本の新聞がおいてある。

あとで見に行こう。

そんなことを考えながら、ルームバーの冷蔵庫から海南島特産の椰子の実ジュースを取り出してグラスに注いだ。

牛乳好きの僕は、中国で牛乳が手に入らないときは、これを飲む。

もちろん共通点は白い事くらいだが、コーラやペリエでは、気分的にも牛乳のかわりにはならない。

ベットにぐた~っとなって、BSのNHKニュースを見ていると、自分の部屋に荷物をおいただんじり君と、彼についていった鄭君が僕の部屋にやってきた。

「なんや。円ちゃんの部屋も外は工事現場か?」

僕の部屋の窓の外、通り一つ向こうでは高層ビルの建築がすすんでおり、床と柱の骨組みだけの殺風景なビルの骨格が広がっていた。

すでに今日の仕事は終わってしまったのか、人影はない。

「そっちも?」

だんじり君は窓際の椅子に腰掛けうなずいた。

「サクちゃんの部屋はどないやろ?」

「プールがひろがり、その向こうには湖ですね。時々プールサイドをビキニの外人さんが通ったり」

「何!!ビキニの金髪美人かっ!!」

「そういう時もあります。」

「むむ・・・でも窓の外をビキニの金髪美人が通らなくても、夜には可愛い女の子が遠い街からやってくるんやろ?」

「ですねえ。」

僕はだんじり君に答えながらもニュースを見ていた。

「そんなん・・・そんなんあかんでえ!!円ちゃん!!そんなの許してはあかん!!大体佐久間さんは50過ぎやんけ!!なんで50過ぎのおっさんが若い女とカリビアンルームで暑い夜を過ごし、儂等がつくりかけのビルみながら寝なあかんのや?」

「まあ、運命でしょう。」

「どないしたんや!!そんなことで男がたつかい!!ここは佐久間さんをギャフン!!といわしたらなあかんで!!」

そういわれると僕にもカリビアンルームを取られた(訳ではないけど気分的に)恨みがムラムラとわき上がってきた。

僕はベットからおきあがり、アルミのスーツケースをあけると中からコンドームを取り出した。

もちろん僕が個人的にエロい目的でもっていたわけではなく、昔一緒に仕事をしたM商事の商社マンから、「自分がやらなくても、お客さんがやる気になったとき、コンドームがなかったらどうする?海外にお客さんをアテンドして、そのお客さんを性病にして帰すのは商社マンの恥だ!!コンドームくらいいつももっていないと、夜中にコンドーム探して町中タクシー走らせることになるぞ!!」と厳しく指導されて以来、海外出張の時は常に標準装備としてもっているものだ。

コンドームを二つ取り出して、不気味に笑う僕を見てだんじり君が言った。

「コンドームやんか・・・どないするんや?」

僕はコンドームの封を切りながら、だんじり君に説明した。

「これからサクちゃんのところにカリビアンルームを見せて下さいといって見学にいきましょう。そして二手にわかれて、サクちゃんの部屋にコンドームをおいておくんです」

ごくりとだんじり君が唾を飲み込んだ。

「一個はバスルームのゴミ箱に。もう一個はサクちゃんが寝ていない方のベットのわきに落としておくのです。で、それが終わったらすばやくサクちゃんを食事に誘い出し、その後はカラオケでもサウナでも行って、サクちゃんの彼女が来るくらいの時間に戻ります。サクちゃんは軽くシャワーを浴びて彼女が来るまで一寝入りするはずですから、部屋に落とされたコンドームには気づかない。で、サクちゃんの彼女が600キロも離れたところからやってきて
気がつくと・・・・」

だんじり君と鄭君が同時に笑った。

「すでに他の女に使ったと思われるコンドームがベットわきとバスルームに計二個」

だんじり君が満面の笑みを浮かべて言った。

「修羅場や!!最高の修羅場やっ!!」

僕はパッケージから引っ張り出したコンドームをくるくると拡げると、両手でくちゃくちゃにした。

「これでよし」

三人とも狂ったように笑いだした。

600キロもの距離を乗り越えてきたリーリーとの愛のカリビアンルームが、たった二個のコンドームで、一瞬の間にベクトルが正反対になり、悪夢の修羅場にかわるのだ。

こんな見事なシナリオがあるだろうか?

まさに大どんでん返し!!

ひとしきり笑い終わった時、だんじり君が口を開いた。

「いいアイデアや。でも東京の子は甘いの~。岸和田ではそんなんじゃツメが甘いいわれるわ。」

そういうとだんじり君はベットサイドにある僕の飲みかけの椰子の実ジュースを持ち、しわくちゃのコンドームをとりあげた。

そして白い椰子の実ジュースを慎重にコンドームのなかに小量注ぐと、自分の手の中でしわくちゃにした。

だんじり君が手を開いたときに、その手のひらの上にあったのはどう見ても使い終わったコンドームだった。

僕等は再度爆笑した。

そして、僕がバスルームに。だんじり君がベットわきにと分担をきめ、お互いに一個ずつ椰子の実ジュースがはいったコンドームをポケットに忍ばせるとサクちゃんの部屋に電話をかけ、カリビアンルームの視察へと向かったのだった。

(-_-)(-_-)(-_-)(-_-)(-_-)

ドアをノックして、僕等三人はサクちゃんのカリビアンルームへと突入した。

まずは僕が冷蔵庫をあけて中をのぞいた。

「ペリエに、サンキストオレンジ、椰子の実ジュース。ビールにコーラ。同じですね。僕等の部屋と。」

「当然ですよ。単にプール際にあるってだけじゃないですか。大体円さんは泊まってるでしょ?何度も。」

「そうですけど、ホテルって常にサービス向上に努めているじゃないですか。」

「そりゃそうだけど、ルームバーの内容なんて変わりませんよ。」

「うおっ!!さすがや、すごいなあ。」

だんじり君がプールに面したサッシのドアから外をのぞいて言った。

「佐久間さん。これどうやってあけるの?」

そういわれてサクちゃんはサッシのドアの方へと行った。

打ち合わせ通りだ。

僕はすかさず入り口わきのバスルームに入り込むと、ゴミ箱のなかに椰子の実ジュースのはいったくちゃくちゃのコンドームを入れた。

どう見ても一仕事終えて捨てられるのを待つばかりのコンドームだ。

僕がバスルームから顔を出すとサクちゃんとだんじり君はサッシドアからプールサイドへと出ていた。

鄭君が僕の顔を見るとポケットからコンドーム二個分のパッケージだけを取りだし、部屋のゴミ箱に笑いながら捨てた。

「佐久間さ~ん。やっぱアニメティなんかは違いますよ~」

僕が声をかけると、サクちゃんは部屋に戻ってきた。

バスルームに来ようとするサクちゃんに、同じく部屋に戻ってきただんじり君が声をかける。

「このドア、どうやって鍵かける?」

「ああ、こうです。」

サッシの鍵は閉められた。これで食事に出てしまえば、サクちゃんがサッシドアの前に来ることはないだろう。

だがカリビアンルームにはじめてとまるリーリーは、かならずライトアップされたプールを見ようとするはずだ。

「ほら、シャンプーなんかは一緒だけど、僕の部屋には爪ヤスリとかがないんですよ。それにバスローブも二つあるけど、僕の部屋は一つです。」

「そりゃ円さんが一人で泊まるからでしょう?」

「え?じゃあ、佐久間さんは二人で泊まるってあらかじめホテルに言ってあったんですか?」

「いってませんよ。カリビアンルームだからでしょ。」

「ほら!!やっぱりカリビアンルームとスタンダードツインは違うじゃないですか。」

「バスローブの数だけじゃないですか。」

「でも僕は今シャワー浴びて、バスローブ使ったから、濡れてるんです。夜寝る前にシャワー浴びるから二ついるんですよ。これ一個僕の部屋にもって帰っていいですか?」

「ダメですよ。どうせ、そうやって一個もって帰るつもりでしょう?私がホテルにバスローブ盗んだと思われるじゃないですかっ!!」

「リーリーが持っていった事にすればいいじゃないですか。」

「持っていったのは円さんでしょ!!人のせいにしない!!」

「チェッ!!」

「佐久間さん。なんか電話違いますよ」

部屋の方でだんじり君が言った。

部屋の方の仕込みが終わったのだ。

「違うわけないでしょう。同じです。みんな同じ!!」

そういいながらバスルームを出て行くサクちゃんに僕も続いた。

「そうかなあ~。鄭君なんか違うとおもわん?」

「はあ。いっしょですよきっと。」

「多少違っていても、電話にはかわりないからいいじゃないですかっ!!」

「まあ、そうやけどなあ。さあ、そろそろ六時や。日本料理食べにいこか?」

「そうですね。日本料理いきましょう。佐久間さんおごってくれるんですよね?」

「はあいいですよ。いきましょう。一階ですから。早くいきましょう。」

(-_-)(-_-)(-_-)(-_-)(-_-)

こうして仕込みを終えた僕たちは、夕食に久しぶりの日本食を食べ、そのあとサクちゃんをサウナに連れ出した。

サウナに入り、垢すりをしてもらい、90分のマッサージを終えると10時チョイ前で、僕等は再びコーヒーショップに戻り、サクちゃん、だんじり君、鄭君はビールを。僕はオレンジジュースを頼んだ。

三人で話しているとサクちゃんの携帯がなった。

リーリーだ。

「2時くらいにつくそうですよ」

サクちゃんが僕等に言った。

「なんや。せっかく佐久間さんの彼女見てから寝よう思ったのに」

だんじり君が残念そうに言った。

僕等も2時までは、まってはいられない。

「じゃあ明日の朝食一緒にしましょう。8時でどうです?」

僕はサクちゃんに言った。

「いいですよ。8時ですね?」

「はい。僕等は6階だから、三階のカリビアンルームにお迎えにいきますよ。8時に」

「またそんな・・・・」

僕等は一緒にエレベーターにのり、サクちゃんを降ろすと6階で降りた。

鄭君は会社の事務所に戻っていった。

事務所にはちゃんと従業員用の部屋があるのだ。

「明日は7時半にサクちゃんの部屋にガサ入れをかけましょう!!」

僕はだんじり君に言った。

「ほ、ほんまか?」

「もちろんです。二人の間に600キロの距離を超えるだけの愛があったかどうか、僕たち二人が見届けるのです。」

「部屋のなかまで押し込んでか?」

「大丈夫です。リーリーとは仲いいから。多少はおこるかも知れないけど。」

「すごいな。東京の子も。」

「明日は7時半ですから。寝坊しないで下さいよ」

「わかったわ!!はよ寝よっと。」

楽しそうな顔をして部屋に戻るだんじり君を見送って自分の部屋に入った僕は、テレビのチャンネルをNHKのBSにあわせてシャワーを浴びた。

出てきてペリエを飲みながら、海外のニュースを一通りみると眠くなり、モーニングコールを6時半に頼んで眠りについた。

To be continue.

Uploads on coming monday!!

see you (^_-)

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2006.01.09

中国に真実の愛はあったか?(4)

サクちゃんの優雅な生活をきかされただんじり君は・・・・

僕はサクちゃんの、麻雀とカラオケギャルに囲まれた優雅な日々を、インスタントコーヒーしかないようなホテルばかり5連泊してきただんじり君に語って聞かせた。

「(-_-)・・・・・・」

だんじり君はコーヒーカップを眺めながら沈黙した。

「ハ・・・ハハハ(^_^;)また円さんたら大げさな事言って!!」

サクちゃんが気まずい雰囲気をなんとか打ち破ろうとして口を開いた。

「大体、私が麻雀してるのは会社が休みの土曜の午後ですよ。」

「そうですね。で、部屋にいるのは佐久間さん以外はみな夜の姫君で、常に6~7人いるんですよね。週末の午後だけだけど。」

「いや・・・・まあ、そうですが・・・・」

サクちゃんは愛民の事を思い出したに違いない。

ホテルのセキュリティ用監視ルームを押さえているマネージャーと悪魔のタッグくらい怖い物はない。

いったい僕がどれくらいの情報をもっているかサクちゃんには想像もつかないのだ。

もちろん僕が聞いても、愛民が教えてくれるかどうかはわからないが、後ろめたい事がいっぱいあるはずのサクちゃんにとっては、当然知られていることを前提に、僕に対して対応しなければならない。

ここでウソをついて逃れようとすれば、僕が次から次へと情報を開示していくであろうことは、付き合いの長いサクちゃんには容易に想像がつく。

「ふ~ん。ええ生活しとるなあ。ワシが家に帰っても7つも年上の嫁とうるさいガキが三人いるだけなのに。週末には若い夜の姫君が6~7人でっか。」

周囲にはだんじり君を中心に、冗談抜きで灰色のオーラが漂っているようだった。

「いや、夜の姫君って!!そんなのじゃないですから!!円さんやめてくださいよ!!変な噂がたったらどうするんですっ!!」

「この業界、変な噂はつきものじゃないですか。私なんかオヤジをシンガポール人にされたり、おふくろを中国人にされたり、たまったもんじゃない。」

「それとは問題が違います!!っていうか、一番の極悪人は鄭君ですっ!!」

ニヤニヤ笑いながら三人のやりとりを聞いていた、日本に不法滞在すること二年、強制送還された過去をもつ鄭君がいきなり話をふられ、コーヒーにむせた。

「鄭君が何かしたんですか?」

僕はサクちゃんに尋ねた。

「まずはですねえ、この間二人でいたら鄭君の携帯が鳴るけど、彼はでないんですよ。で、何度もなった後、ようやく出たらすっごく邪険な返事をして切ったんです。」

「ほう」僕はそういいながら鄭君の顔を見た。

「さ、佐久間さん!!その話はやめましょうよっ!!」

鄭君が少しあわてたように言った。

『で、誰?って私が聞いたらですねえ、「ほら、円さんがかわいいなあ~って言ってたあのカラオケの女ですよ。一回やったくらいでしつこく電話してきやがって」なんていってるんですよ!!』

「なにっ!!あのボブカットの女の子か?」僕はじろりと鄭君を見た。

「そうです。ボブカットの女の子です。鄭君は円さんが気に入っているのを知っててヤってしまったんです!!」

「佐久間さん!!」

鄭君は流石にあわてはじめた。

僕は鄭君をにらみつけながら言った。

「相手はそれが商売の一環とはいえ、一度で飽きてしまうならやらんほうがいいな。特に仲間内にあの子いいなと思っている人がいる場合は。」

「そ、そうですね。気をつけます。なんていうか、お酒飲んでいて気がついたら裸でとなりに寝ていたと言う感じで。申し訳ない!!」

まあ、別に可愛いなとおもっただけだからいいや。

口きいたこともないし。

そう思っていると、サクちゃんが再度の追い打ちを鄭君にかけた。

「もっとひどい事があるんです」

「なんや?」

僕がお気に入りの子を寝取られた話を聞いて、ちょっと機嫌が直っただんじり君がサクちゃんに尋ねた。

「私が仕事で遅くなる日にですねえ」サクちゃんが意地の悪そうな顔を鄭君に向けながら言った。

「鄭君がちょっと部屋借りていいですか?って電話をかけてきたんですよ。で、私も忙しかったからあまり考えもせずに、いいよって返事したんですが、会社から帰って私の部屋に入ると・・・」

「佐久間さん!!」

鄭君があわてて、サクちゃんの口をおさえようとした。

それを両手でかわしながらサクちゃんが言った。

「暗いベッドルームで、女と二人、裸でねてたんですっ!!私のベッドでですよっ!!」

「ひどい!!」
「ほんまか?」

僕とだんじり君は信じられないという顔で鄭君の方を向いて言った。

「い、いや、まあ、そんな事もありましたね(^_^;)」

鄭君が照れ笑いしながらしどろもどろで答えた。

「自分の部屋でやればいいだろっ!!」

サクちゃんはその時の怒りを思い出したのかいきなり鄭君を怒鳴りつけた。

「まあ、いずれにせよ、佐久間さんの部屋は、女郎さんの控えの間で、しかも売春宿でもあることが本人のカミングアウトで証明されたわけです。」

僕が総ての話をきちんとサクちゃんの淫乱な生活っぷりに戻して、だんじり君に話を返した。

『そやな。円ちゃんはカラオケのねーちゃん見て「あの娘ええな~」とかおもっとるだけやけど、佐久間さんと鄭君は、同じ部屋で女抱いて生活してるっていうことが良くわかったわ(-_-)』

「きっと部屋だけでなく、一緒に寝る女性も一部カブってますよ。この二人は。」

僕が二人の顔を見ながら言うと、二人はお互い顔をあわせ、そしてうつむいた。

「マラ兄弟やな。この二人は(-_-)」

「不潔ですよ。日本と中国の淫魔代表コンビです。どっちかがエイズになれば直に両方ともエイズになります。」

これには流石にサクちゃんが「それはあんまりですよ・・・」と力のない声で反論した。

コーヒーも飲み終わり、そろそろチェックインしようかと話しているとサクちゃんの携帯がなった。

話し方と妙ににやけた顔で、仕事の話ではないことがすぐにわかった。

「きっとカラオケのおねーちゃんですよ。」

僕はだんじり君の方へ身体を傾け、わざと小さな声で言った。

「(-_-)・・・・・」

僕が鄭君に目でサクちゃんの携帯を奪うよう合図すると、サクちゃんの隣にいた鄭君は素早くサクちゃんの携帯を奪った。

「あっ・・・・・」

不意をつかれ呆然とするサクちゃんを尻目に、極悪中国淫魔代表の鄭君は携帯の相手と話し出した。

「円さんリーリーです。円さんにかわれって言ってますよ」

鄭君が面白そうな顔をして、僕に携帯を渡した。

サクちゃんはすでにあきらめたような顔で僕を見ている。

「ウエィウエィ(もしもし)」僕は中国語で話しかけた。

「円?ひさしぶり。今佐久間さんと一緒にいるの?」

「そうだよ。リーリーはどこにいるのさ?せっかくだからこっちくれば?」

リーリーは僕等のいる街から600キロほど南の街の名前を言って、遠すぎるよと言った。

「今から高速バスに乗れば夜中にはつくじゃん。きなよ。週末だし。サクちゃんも逢いたいってさっきまでさんざん俺らにのろけてたんだぜ。」

「ほんとう?」

「ほんとうだよ。今、XXのXXホテルだからさ。あさってには俺らは日本に帰るけど明日はいるから。」

「どうしよっかな。佐久間さんに変わってくれる?」

僕はサクちゃんに携帯を返すと席を立ち、チェックインの為フロントに向かった。もちろんコーヒー代の伝票はサクちゃんの前に置いてだ。

「ほんまくるかな?」

だんじり君が楽しそうな顔をして言った。

「どうでしょうねえ。600キロくらいあるから。8時間くらいかかりますよ。」

「その距離バスでやってきたら、サクちゃんに相当惚れとるな。」

「そうですねえ。私だったら電話でこいよって言われて600キロ先の街にいるって言われたら絶対いかないですからねえ。」

僕等がチェックインの用紙に必要事項を書き込んでいると、サクちゃんがやってきた。

「どうでした?」

僕は妙にニコニコしているサクちゃんの顔を見て尋ねた。

「来るっていってましたよ。」

僕もだんじり君も思わず書類から顔をあげてサクちゃんの顔を見た。

「ほんまかいな?」

「まあ、ほんとうに来るかどうかはわかりませんけど。」

そういうとサクちゃんは僕等が来る前に記入していたらしい書類をフロントに出した。

「円さま。こちらがXX(だんじり君の本名)さまの。こちらが円さまのキーです」

フロントの女の子が僕とだんじり君にキーを渡した。

「佐久間様。予約はノーマルツインで承ったのですが、今日はあいにく満室で、こちらの方でカリビアンルームをご用意させていただきました。もちろん料金はノーマルツインの料金ですので。」

「何!?カリビアンルーム?」

僕は思わずサクちゃんの顔を見た。

「なんや?カリビアンルームって?」

だんじり君が僕の尋常ではない反応に驚いて聞いた。

このホテルは三階にプールがある。プールに面して直接プールサイドに出られる部屋がカリビアンルームと呼ばれていて、僕が一人でこのホテルに来るときは大抵この部屋を頼む。値段もノーマルと20ドルくらいしか違わないが、夜は青くライトアップされたプールが見え気分が良い。

僕が仕事で泊まるホテルのなかでは、この部屋が一番好きだ。

因みに今回はだんじり君の出張費の関連でノーマルツインにしたのだが、これだと場合によっては窓の外はところどころ筵をかけた工事中のビルだったりして、激しくげんなりする。

僕はそのことをだんじり君に説明した。

「佐久間さん今日はほんまに運がいいなあ。600キロも離れたとこから女の子が夜中にかけつけ、おまけに部屋はオシャレなプールサイドのカリビアンルームかあ。」

サクちゃんは嬉しそうに笑っている。

ムムム・・・サクちゃんめえ・・・・

俺のカリビアンルームを・・・・・

コノウラミハラサデオクベキカ・・・・・・・・・

To be continue.

Uploads on coming monday!!

see you (^_-)

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2006.01.01

あけましておめでとうございます

今年も宜しくです。

_(_^_)_

DSC00009

東京のお雑煮は、鰹出汁に鳥肉を入れてうまみをだし、お酒を少々。

塩で味付けして、醤油を気持だけたらします。

具は角餅にかまぼこ、三つ葉。

いたってシンプルです。

さあ、これからフロントミッション5やるか!!

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