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2005.12.28

ゆんたくアクマちゃん45ー今年もなんとか

今週の更新は最近のエントリーからどうぞ

地獄の穴が開くのが1日遅くなったようで、ぽっかりヒマになりました。

ああ、でも地獄は明日、あさって、今日の分も一緒に開くに違いない・・・・

月初めから毎日66gのイチゴ味プロティンを飲むようになって、すっごく絶好調の(肉体的に)円海です。

私がプロティンのみはじめたのは思いつきではなく、去年3ヶ月に10キロのダイエットに挑んだとき、途中からなんか体が弱ってきて、で、色々調べた結果食べるモノが炭水化物に偏っていて、タンパク質が本来必要とされる量の1/3から半分しかとれていなかった事に気づいてからですね。

で、プロティンを入れてみたら、すぐ良くなって、それからちまちまと飲んではいたのですが、去年はチョコレート味しかでてなくて、まあ、不味くはないけど美味しくもないわけですよ。

そしたら今年の夏になってキャラメルプリン味とイチゴ味が出ているのを発見。

とりあえずキャラメルプリンを買ってみたら、紛れもなくこれはキャラメルプリンでありなかなか飲める。

でもね、毎日キャラメルプリンのみたいですか?

7.8月の二ヶ月で3キロの大袋を全部食べて(飲んで?)それ以来ご無沙汰。

で、12月。去年のダイエットの努力が遂に14ヶ月目にして無になったことを知った私は思ったわけですよ。

お昼はプロティンだけにしよう・・・・・

で、今度はイチゴ味のプロティンを3キロ買いました。

これがどっかの「イチゴオレ」にそっくりの味でなかなか美味しい。

もともと朝はサプリメントで1日に必要なビタミンミネラル、それに抗酸化剤を流し込むだけなんで、まあ宇宙飛行士の食事といえなくもない・・・

ともかく、1日に必要なビタミン、ミネラル、タンパク質(これは9割方)は朝、昼でとれるようになったので、夜は一応好きなだけ食べてます。

だって12月に夜カロリー取るなといってもさ・・・・・無理!!

でもこれに週2~3回プールにいって、毎回1~1.5キロ泳ぐようにしたら、すっごく体調がよくなりました。

毎年梅雨前の湿度が上がるときと、冬入りのひどく冷え込む時は頭が痛んだのだけど、今年の冬はそれもなし。

ここ数年風邪引き気味だったけど、風邪なんか全然ひかず。

個人的に健康を保つために必要なのは、十分なビタミン、ミネラル、タンパク質、それに脂の摂取比率(オメガ6と3の)だと心底感じた次第であります。

体はどんどん再生されていくものだから、その再生をしていくに十分な栄養を与えてあげないとダメだということですな。

昔冷凍野菜を扱った事がありますが、栽培の時に肥料の割合がどうかで、葉っぱばかり育ってしまって実が小粒になったり、逆に葉がすくなくて実がぎっしりなったりするのを聞いてちょっとびっくりしたのですが、人間もそれと同じようで。

体の弱い人は、一度食生活を見直して、これらが不足(あるいはアンバランス)しているようだったら、一度試してみてください。

因みにプロティンは体重1キロにつき1gが基準だそうです。

アミノスコアが高いものを選びましょう。

では良いお年を!!

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2005.12.25

中国に真実の愛はあったか?(3)

一年後。

僕とだんじり君は一週間にわたる、原料の実地調査を終えて以前僕が住んでいた街へと戻るところだった。

だんじり君は大阪のだんじり祭で有名な所出身の僕の取引相手である。

僕等がやっている商売は、原料も製品も基本的に相場モノだ。

本格的な生産シーズンに入る前に、僕は情報を集め、今期加工可能な原料がどの程度あるのか確認する。

もちろん一発で正確な数字は出てこない。

色々なところから情報を取り、実際に原料の状態もチェック。ダブルチェック、トリプルチェックをかけて、情報をふるいにかけていく。

場合によっては生産業者と麻雀仲間の、関連業界や違う業界の中国人から情報を取る事もあった。

同じ業界の人間には警戒心が働いて本音を出さないが、まったく別の業界の人間相手にはぽろりと本音が出ることがある。

麻雀で一人勝ちしているような時にはなおさらだ。

もちろん僕は具体的にこれこれの情報が欲しいなどと言うことはいわない。

一緒に食事をして、「そういえばあそこの親方元気?」などと話をふる。

そうすると「この前麻雀したけど・・・」と話がはじまる。

僕が知りたいのは、ずばりその親方がどれくらいの原料を持っているという情報ではなかった。

相場をつくるのは中国全体での原料の量だから、一生産者がどれだけもっているかにさしたる意味はない。

そういうコアな情報は仕入れるにも高くつく。

また裏切られた場合、こちらの正体がはっきりわかってしまう。

故意に間違った情報をリークされ、ひっかかる可能性も高い。

僕が求めているのは、周辺情報だった。

いくつもの間接的な情報をあつめていくと、相手がこちらにむけて書いているシナリオと、現実の原料状況の両方が浮き上がってくる。

どちらが彼らの書いたシナリオで、どちらが現実の原料状況なのか見分けるのに親方達の麻雀仲間の情報が必要な事があるのだ。

どちらが彼らの書いたシナリオか目処がついたら、僕等はそのシナリオをもって各地をまわる。

そして「自分たちが産地をまわって調べた結果だが・・」といって、中国側の書いたシナリオを喋る。もちろんごく一部だけ真実と思われることを混ぜこんでだ。

すべての相手が大筋でそれを認めれば、間違いなくそちらが彼らが書いたシナリオだ。

そして僕等が帰ったあと、彼らは「うまく日本人をだませた」と喜ぶ。

一方で日本のマーケットの状況に関しては僕は正直に説明した。

そうすることで、中国人達に、僕は日本のマーケット情報を正確に伝えてくれる日本人であると同時に、自分たちのシナリオを信じ込むたやすい相手という印象を与えるのだった。

その結果、翌年も彼らは僕の訪問を喜ぶ上、そのガードは下がる。

そして僕はより一層正確な情報を得ることができるようになるのだった。

(-_-)(-_-)(-_-)(-_-)(-_-)

「しんどかったなあ~」

車のなかでだんじり君が言った。

僕等は朝に隣街から出て、100キロ先の産地へ向かい、そのまま僕が以前住んでいた経済特区の街へと戻るところだった。

往復200キロだが、高速道路があるわけではないのでけっこうきつい。

しかも一週間にわたりコーヒーといえばインスタントしかないような情けないホテルにとまりつづけた後なのだった。

「でも、もう1時間もすれば、美味しいコーヒーと和食が食べられますよ。」

僕はげっそりとした、だんじり君の顔を見ながら言った。

「和食か。一週間たべてないわ。」

中国南部の料理はほとんどが海鮮で、シンプルな料理が多いから胃に脂がもたれるということはない。

だが毎日宴会料理ではイヤになってしまう。

中国がはじめてというようなお客さんだと、僕も気をつかってふりかけやらインスタントの味噌汁などをもっていくのだが、だんじり君は僕と同じ年だし、なにしろ今回は移動につぐ移動で、服を洗濯に出す時間がない。

荷物には着替えがつめこまれることになり、食品を入れておくスペースはなかった。

僕は仕事の出張に関しては、基本的に機内持ち込みの可能なアルミケース一つですます主義だ。

ぼおっとしているだんじり君を見ていると携帯がなった。

サクちゃんからだった。

「円さん。今どのあたりですか?」

サクちゃんの懐かしい声がした。半年ぶりぐらいだった。

副原料の会社の副社長であるサクちゃんは当然様々な情報を持っている。

今向かっている街で、僕等は落ち合う約束をしていた。

「あと40分くらいでホテルにつきますよ」

僕は切れ切れになる電波を気にしながらサクちゃんに言った。

「よかった。ほとんど一緒ですね。」

「はい。コーヒーショップで待ち合わせて、コーヒー飲んでからチェックインしましょう。エスプレッソが死ぬほど飲みたいんです。」

「わかりました。ついたらコーヒーショップに行きます。」

「夕食は日本食にしましょう。」

「はははは。円さんも堕落しましたね。昔は毎日中華でも音をあげなかったのに。」

「堕落じゃないですよ。日本食喰えるところがなかったから我慢してただけです。僕は便利をあえて拒否して、不便を楽しむほどマゾじゃないんで」

「わかりました。うちの会社でおごりますよ。じゃあ後で。」

携帯をしまうとだんじり君が僕の顔をみつめながらぼそりと言った。

「もう中華たべんでいいんやな?」

(-_-)(-_-)(-_-)(-_-)(-_-)

ホテルが見えてくるとだんじり君は俄然元気が出てきた。

「おおっ!!すごいやんけ!!」

現地調査の仕事の時は、最初にせこいホテルに泊まらせてしまう。

大抵は中国のホテルはこんなもんなんだとあきらめるからだ。

もちろん中国にも日本以上に快適なホテルはあるが、いきなりそんな所に泊まらせたら、早く帰ろう早く帰ろうとうるさくてしょうがない。

僕等が今夜泊まるホテルは4つ星だった。

それも本来5つ星なのだが、街の真ん中にたてたので5つ星にするには敷地面積が足りずに4つ星になったホテルだから、サービスも設備も行き届いて、素晴らしく快適だ。

もちろん日本のBS放送も見ることができる。

一階にはビュッフェと日本食レストラン、ちゃんとしたコーヒーを飲ませるコーヒーショップ。それにショットバーがあった。

僕とだんじり君はホテルに入るとベルボーイに予約があることと、コーヒーショップでお茶してからチェックインすることを伝えて荷物をあずかってもらった。

コーヒーショップにいくとすでにサクちゃんとウチの会社の現地スタッフである鄭君が一緒にお茶をしていた。

僕とだんじり君がふかふかした椅子にすわると、深くスリットのはいったドレスを着たウエイトレスが注文を取りに来た。

僕はエスプレッソのダブルを頼み、だんじり君はアイスコーヒーを頼んだ。

「疲れてるじゃないですか」

サクちゃんがぼくらに言った。

「当然でしょ。佐久間さんのように、毎日ハーレム暮らししてた訳じゃないんですから。お湯がちょぼちょぼしか出ないホテルでカラオケもサウナもいかず、毎晩二時まで会議しながらここまでたどりついたんですからね。」

「そやそや。まあ、円ちゃんはようけ知らん女と時々中国語で電話しとったけどな。」

だんじり君が言うのを聞いて、サクちゃんがにやりと笑った。

「経理から手紙預かってますよ」

封筒を差し出した。

「何それ?」

「円さんの彼女からのラブレターですよ。」

「電話の女か?」

「そうです。」

「ゆうたろ。ゆうたろ。オヤジさんにゆうたろっ!!」

「いいですよ別に。僕はオヤジのように不純な付き合いはしてないですから。普通に仲良く友達しているだけですから。」

愛民とは日本に戻ってからも電話で話したりしていて、仕事で彼女のホテルにとまれば、一緒に食事をしたりしていたが、それ以上の関係へと進む気は僕にはなかった。

彼女の方は誘えばいつでも落ちてあげるのにという雰囲気だったが、自分の方からは、やはりそれ以上積極的になる気配は見せなかった。

それでますますこれは普通ではないと感じたので、現状のままの付き合いをつづける事にしたのだった。

まあ、知り合いもいない中国の田舎をまわっているときに、寝る前に電話で話す女性がいるのは悪くはない。

「そうかなあ~。その封筒あけてみ。ラブレターやないか?」

僕は封筒をあけた。手紙と一緒に写真がはいっていた。

「これかっ!!」

だんじり君が写真を取り上げるとサクちゃんに見せていった。

「そうです。」

とサクちゃん

「きれいやんけ!!」

「大連の女性ですからね。背も高いですよ。」

「ホテルのマネージャーなんか?」

「前は客房部だけだったんですが、今はゼネラルマネージャーになったんですよ。客室だけでなく、フロント、レストラン部門、全部仕切ってます。円さん知ってました?」

「知ってますよ。」

「ええなあ~。こんな美人で背が高くて頭のいい彼女がいて。」

「彼女じゃないって(^_^;)」

「は~。わしなんかな、女房7つ上なんよ。」

「7つ?なんでまた?」

「しらんかったん。結婚式のその日まで。」

「はあ?」

「結婚式で昭和何年生まれてって言うやろ?それきいてわかったんや。」

「ウソでしょ?」

「ほんまやて。」

「なんで?結婚するまで年きかんかったの?」

僕もだんじり君につられて段々関西弁のようになってきてしまった。

『いきつけの食堂でしりあったんけどな。付き合いはじめたとき、きいたんや。「いくつにみえるん?」っていうから「同じくらいかなあ」といったら「そうやね」っていうから、上でも1つ2つやと思ってた。』

「7つ年上だったら普通わかるでしょ?いったいいくつの時結婚したんです?」

「23」

「じゃ、奥さん三十路じゃないですか?」

「おう。式始まってから指折り数えてびっくりしたわ。」

「いや、そういう事ではなくて・・・離婚しなかったんですか?」

「でけへんわ。そのかわり結婚式終わってからいうたったわ。」

「なんて?」

「ふざけんなっ!!お前三十路やんかっ!!いたいけな23歳の若者騙しておもしろいんかっ!!って」

「結婚式上げてからいってもねえ。でも奥さんなんて答えたんですか?」

「私はあんたが勝手におなじくらいかなあ?っていうからそうやねっていっただけや。別に24とも25ともいうとらんわアホって。」

「完全に負けじゃないですか。」

『負けやないわ。ワシいうたったもん。「ええかっ!!お前はワシのこと騙したんやからな。離婚はせんでおいたるけど、浮気はさせてもらうで」ってな。』

「はあ。それで奥さんはなんて?」

「浮気ぐらいええわ。そのかわりしっかり生活費いれいやって。」

「負けてるじゃん!!」

「負けとらんわ!!浮気自由の権利を勝ちとったんや。独身の円ちゃんには既婚者が浮気自由の権利を勝ち取ることがどれだけ大変やかわからんやろうけどな。ワシは結婚式が終わると同時に勝ちとったんや。」

「はあ。それで浮気はやり放題なんですか?」

「いや・・・・」

「権利勝ちとったんでしょ?」

「うん。だけどな、収入全部握られて小遣いもろうとるから、女みつかってもホテル代ないねん。」

「お子さんいましたよね。」

「うん。」

「何人?」

「4人。」

「・・・・・・」
「・・・・・・」

僕もサクちゃんも思わず絶句した。

「浮気自由の権利とっても意味ないじゃん・・・・」

「ほっとけっ!!」

だんじり君の大きな声に、ウエイトレスがこちらを見た。

「まあまあおちついて。」

「おちついとるわっ!!」

だんじり君は愛民の写真を見ると僕に聞いた。

「この子円ちゃんより年下やろ?」

「はあ。」

「いくつ下?」

「え?7つだったかな?」

「なんでやねん!!なんで俺と円ちゃんは同級生なのに、俺は7つ上の女房で、円ちゃんは7つ下の彼女とつきおうとるねん!!年の差が14もあるやんけっ。女房が中学二年の時生まれた子やんかっ!!」

雲行きがヤバくなってきたぞ。

「はははは。僕なんか全然たいしたことないですよ。ここにいる佐久間副社長なんか20歳は年の違う彼女がいるんですよ」

それまで楽しそうに僕とだんじり君の話を聞いていたサクちゃんが思わず、げほっ!!げほっ!!とコーヒーにむせた。

「しかも毎晩カラオケのおねーちゃんが出勤前に佐久間さんの部屋に麻雀しにきてて、それはもう酒池肉林で有名な殷の王様も真っ青ってくらいの爛れた生活を・・」

「な、何いってるんですか!!円さん!!やめてくださいよ!!」

「いや、私は見たままの事を言っているだけですが。」

僕がしれっとして言うと、だんじり君が酒も飲んでいないのに据わった目であとをついだ。

「その話、おもしろそうやんけ。」

To be continue.

Uploads on coming monday!!

see you (^_-)

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2005.12.18

中国に真実の愛はあったか?(2)

90年代後半の中国での物語(多分3割の真実に7割の脚色バージョン)

サクちゃんは翌日午前中に僕の工場にやってきたが、お昼前に急用ができて、自分の工場に呼び戻された。

「すいません。夕食を一緒に食べましょう。」

三時過ぎにその日の僕の仕事は終わり、工場の車でホテルに送ってもらい、六階でエレベーターを降り、自分の部屋に向かうと愛民がサクちゃんの部屋の前に立っていた。

部屋のドアは開いており、愛民は部屋の中を見ている。

僕の部屋は一番奥なので、当然の如くそちらに向かうと、愛民が僕に気づいた。

サクちゃんの部屋からは一人の女の子(といっても25過ぎだろうが)が出てきて、こちらに向かってかって来て、すれ違いざま僕を見てニコリと笑い「ニイハオ」と言ってエレベーターホールへと向かった。

部屋の前で、サクちゃんの部屋の鍵がかかったのを確認する愛民と、話をした。

「今帰ってきたの?」

「そう。土曜だし、原料がなくなったから。今の子は?」

「ああ、佐久間さんから電話があって、部屋にいれてあげてくれって頼まれたの」

「会社の子?」

「はははは」

会社の子ではないらしい。

僕に挨拶をしたので、会社の子かと思った。

もっとも、サクちゃんの会社やこのホテルを含めて、市内に1000人は越えるこのグループの従業員は大抵僕の事を知っている。

この会社がまだ100人ちょっとの頃からの付き合いだからだ。

もともと日本人はめったに来ることのない街でもあるし。

もちろん僕が知っているのは一緒に仕事をする数十人だが、僕が知らなくても相手の方は工場の食堂などで僕を見ていて、「ああ、あの日本人だ」とすぐわかるはずだ。

「私今夜は5時で終わるんだけど、一緒に食事しない?」

愛民が僕の顔を見ながら言った。

「夜は佐久間さんと一緒に食事するけど、一緒でよければかまわないと思うよ。」

愛民がそれでもいいというので、僕は携帯でサクちゃんに電話をして、確認をとった。

「いいってさ」

「何時?」

「サクちゃんは5時に部屋に来てくれっていっているから、ちょっと打ち合わせして5時半かな?」

「じゃあフロントにいるから電話して。」

愛民と別れると僕は部屋に帰りシャワーを浴びた。

別にエロい期待をしてではない。

昼食時以外はほとんど工場にいたので、工場の匂いが髪の毛にしみこんでしまっているのに気づいたからだ。

(-_-)(-_-)(-_-)(-_-)(-_-)

五時になったのでサクちゃんの部屋にいくと、なかではジャラジャラと音がする。

中国でジャラジャラと音がすればそれはまず間違いなく麻雀だ。

ドアベルをならすと、さっき部屋から出てきた女の子が顔を出した。

「小円が来たよ!!」

室内にそう声をかけるとドアチェーンを外して僕を室内に入れた。

中ではサクちゃんがおねーちゃん3人と麻雀をしている。

そればかりかソファやら窓際の椅子にも座っているので、7人のおねーちゃんの中に、男はサクちゃん一人の状況だ。なんだこれは?ハーレムか?

「何やってるんですか・・・(-_-)」

僕はイヤそうな顔をしてサクちゃんに尋ねた。

「ああ、上のカラオケの女の子達ですよ。出勤前に麻雀やって時間つぶしているんです」

いや、それはわかるけどね。

チミはそういうことしてていい身分なのか?

カラオケのおねーちゃんなんて地元の人間は一人もいずに、みな流れ者みたいな連中だから、いつ盗っ人に変身してもおかしくない連中だぞ?

「ねえ、私あなたのお父さんしってるわよ。」

麻雀をせずに窓際の椅子に座ってお茶を飲んでいるおねーちゃんが言った。

「そうそう。彼女はあなたのお父さんの事すごく良く知ってるわ」

今度はソファに座ったおねーちゃんだ。

「こういう場合、あなたは彼女のことなんて呼ぶべきかしら?中国の副ママ?」

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麻雀をしている女の子達一同が笑い、サクちゃんの部屋は銀座のクラブのようになった。

腐れ親父めっ!!ぶっ殺す!!

僕がうんざりした顔をしたのにドアを開けてくれた女の子が気づいたのか「ほらほら、麻雀はもう終わり!!みんな出て行って!!」とカラオケねーちゃん達を追い出しにかかった。

どうやらこのグループの仕切屋は彼女らしい。

「はい。お茶」

カラオケねーちゃん達を追い出したあとで彼女がお茶をいれてくれた。

リーリーと名乗った彼女は、ちょっと上向きな鼻をしたファニーな感じの顔立ちで、さきほどのねーちゃん達ほどはスレていないように見えた。

カラオケのケバいねーちゃんというより堅気の女の子のように見える。

僕は化粧をばっちりしたような女性は苦手だ。

苦手というか、うんざりしてくる。

業務用のマスクのような顔には興味がもてないのだ。

僕はサクちゃんと仕事の話をちょこっとして、どこで食事するか相談をはじめた。

「海鮮が食べたいですね。」

僕がそういうとリーリーが「マーばあさんの店にいこうよ」とサクちゃんに言った。

「なんですか?マーばあさんの店って。麻婆豆腐でもつくってるの?」

「いや、国道からこっちに別れる道のところに去年できたお店ですよ。道ばたに屋根とテーブルと調理場、それに水槽おいてやってる店なんですが、安くて美味しいと評判なんです。こないだテレビでもやってましたよ。」

サクちゃんが会社から車を呼び、僕は室内の電話でフロントに電話して愛民を呼び出した。

「国道の所にあるマー婆さんの店に行くんだって。」

「あっ。そこ私も一度いってみたいと思ってたんだ。」

確かにこの界隈では有名な店らしい。

僕等が30分くらいかけて店につくと、すでに店は8割り方埋まっていた。

屋根の下のテーブルに案内されると、僕は水槽を見て回り、牡蠣を卵焼きにしてもらい、石班魚(ハタ)と伊勢エビを清蒸に、メスの卵をぎっしり抱いた青蟹は生姜の薄切りと一緒に炒めてもらい、オコゼはスープ。前菜に小エビを蒸してもらうことにした。それに野菜炒めと焼きそばをつけてもらう。

席に戻るとお茶碗にポットから熱湯を入れ、箸を突っ込みガチャガチャと消毒をし、さらにジッポーのライターを出して炎で茶碗の中と箸をあぶった。

となりでやはり食器をガチャガチャ消毒している愛民がそれを見て「ずいぶんと中国通ね」と言った。

「円は中国に来て7年ぐらいになるのよね?」

リーリーが言った。

「そうだけどなんで知ってるのさ。」

「お父さんに聞いた。」

「はあ。」

「お父さんカラオケ大好きよ。こっち来ていれば毎日来るわ。あたし達みんなで今息子が来てるみたいだけど、全然こないわねって行ってたの。円はカラオケ嫌い?」

「仕事で来てるからね。仕事の時間以外は知らない人と、中国語で話す気にならないんだ。」

「じゃあ、夜は何してるの?」

「日本から持ってきた本を読んだり、音楽を聴いたり、友達に手紙書いたり。」

「ふ~ん。お父さんとは大分違うのねえ~。」

「ヤツはそんなに夜な夜な遊び回っているのかっ?」

「毎晩来るわよ。」

「佐久間さんも一緒だろ。」

「もちろん。」

「ちょっとちょっと。円さん何話しているんですか?」

サクちゃんも僕と同じ頃中国で仕事をはじめたが、中国語はそれほどうまくない。

自分の名前が出たので、自分のことを話しているとわかったらしい。

「別に」

「別にって今、私の名前言ってましたよね?」

「さあ?」

「言いましたよ。なんていったんです?」

「ばれたか。じゃあしょうがない。佐久間さんともう寝た?って聞いたんです。」

「寝てませんよ!!何いってるんですかっ!!」

「ホントですかあ~?その割りにはさっき部屋でやけにかいがいしかったような。」

「変なこと言わないで下さいよ!!」

「しかし、部屋にあれだけの女を侍らしている男が、おねーちゃんには手をつけていないなんて信じられませんね。」

「しょうがないじゃないですか。円さんのお父さんが毎晩私をつれていくから私も彼女たちと顔見知りになって、ああなっているんですよ。」

「では彼女達とは麻雀しているだけで、肉体関係はないと?」

「ないですよ。日本には女房子供がいるんですから。」

「お子さん高校生ですよね。多感な時期ですね。」

「そうですよ。だから余計なこと言わないでくださいね!!」

「海外で一生懸命働いていると思っているお父さんが、実はカラオケねーちゃんと毎晩乱交パーティ・・・いや、麻雀三昧だと知ったら・・・・・」

「土曜だけでしょ!!しかも麻雀ですよ。乱交パーティなんかしたらすぐ公安につかまります。」

僕は運転手に尋ねた。

「サクちゃん現地妻いないの?」

運転手は伊勢エビを食べながら僕の顔を見て言った。

「さすがにここにはいないな。俺の知る限りじゃ」

「リーリー。サクちゃんとやっただろ?」

僕は極めて率直にリーリーに聞いた。

「え~ 私はやってないよ。他の子は知らないけど」

愛民がそれを聞いてクスクス笑った。普通中国の未婚の女の子はこういう話しをすると黙ってしまう。

こいつ処女ではないな。少なくとも。

「警備室で監視カメラの集中監視してるよな?あれってどこの管轄?」

僕は愛民に聞いた。

「客房部よ。」

「つまり愛民の管轄だろ?」

「そうね。」

「って事はサクちゃんの部屋にどの女が出入りしているかチェックしてるよな。」

「記録はあるでしょうねえ。」

「俺は日本の奥さんから頼まれている。あとでチェックさせろ。」

「ちょっとまってくださいよ!!今、奥さんに頼まれてるからチェックするとか言ってたでしょ?」

サクちゃんがあわてて愛民にいった「ウソだから。みんなウソ」

「はあ~」そういうと愛民が手をぱたぱたさせて自分の顔を扇ぐふりをした。

「私はどっちの言うこと聞けばいいのかしら?」

「当然俺だろ?帰ったらコーヒーショップでアイスクリームおごるから。」

「サクマサン イイデスカア~」

愛民がサクちゃんにいきなり怪しい日本語で尋ねた。

「ダメ。ダメにきまってるだろっ!!絶対ダメ」

「じゃあ、佐久間さんの事調べるのやめるから、親父の事話して下さいよ。」

「ええっ」

「話してくれなくてもリーリーに女の子何人か呼ばせて聞き込みしますよ。愛民に立ち会ってもらえば、質問に答えないとホテル内での営業認めてもらえなくなるかもって思って全部吐きますよね?その時佐久間さんの事も聞きますがいいですか?」

僕はこれを中国語で言った。

運転手もリーリーも愛民も笑った。

「言えるわけないじゃないですかあ~。それより、円さん、いつの間に客室の経理とそんなに仲良くなってるんですか?私なんて1年以上住んでいるのに、挨拶以外の話したの今回が初めてですよお・・・」

「それは僕が毎日のようにカラオケに行って女買ったりしない、信用ある男だからですよ。ホテル従業員は紳士の味方なんです。」

「私だってしてないですよ。」

「いいですよ。そういう事で。まあ、調べればわかることだから。」

食事は美味しく、値段も日本円にして5000円ちょいだった。ホテルで食べれば2万円近くとられるはずだ。

僕等はホテルに戻り、僕はコーヒーショップで愛民とチョコレートサンデーを食べた。

もちろんサクちゃんの女性関係を探るような事はしなかった。

掴んでいる可能性があるとさえ思わせておけば、色々な意味で抑止力としては十分なのだった。

愛民が日本語を教えて欲しいというので、今回の仕事が終わるまでの一ヶ月、夕食をホテルのビュッフェで一緒に食べたり、工場で食事を終えてからコーヒーショップでコーヒーを飲み話をしながらホテルで使える簡単な日本語を教えてあげた。

リーリーも時々そこにやってきて、一緒に話をした。

なんだかんだと僕等は友達といっていいぐらいに仲良しになった。

そして僕は仕事を終え、日本に戻った。

To be continue.

Uploads on coming monday!!

see you (^_-)

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2005.12.05

中国に真実の愛はあったか?(1)

90年代後半の中国での物語(多分3割の真実に7割の脚色バージョン)

90年代の前半に、僕が派遣されていた工場が中国でもまっとうな製品が作れるということを証明すると、業界他社も続々と工場を中国に移転させてきた。

その状況の中で思わぬ幸運を掴んだ人物がいる。

僕が工場を稼働させるときに、副原料の担当者として一緒に立ち会ったサクちゃんだ。

サクちゃんといっても、僕より10歳は上だから、もちろん本人のいる所では、長幼の序をわきまえた礼儀正しい僕は「佐久間さん」と呼んでいる。

だが、本人のいない所ではサクちゃん。

別にバカにしているわけではない。

人柄の良い彼は、皆からサクちゃんサクちゃんと慕われているのである。

僕もサクちゃんは大好きだ。

変に肩に力のはいっていない彼は、一緒にいて肩が凝らない男なのである。

アホなのか狡猾なのか判断がつけがたい中国人とのやりとりの後、サクちゃんと一緒に食事なんかをしていると心底くつろげるのだ。

で、このサクちゃんが思わぬ幸運を掴んだ顛末。

原料は中国にあり、工場も2年ほどで以前の5倍の数になった。

だが副原料がなければ製品はつくれない。

そして副原料は、どの工場も日本から輸入していた。

工場が5倍になるということは、原料も副原料も5倍となるということだ。

そして工場は更に増えそうだった。

しかも重要な事は、これまで原料しかもっていなかった中国人が、工場を持ち始めようとしているということだった。

以前中国以外のところで生産していた連中は、中国に工場を移しても、副原料は前から取引のあったところを使う。

だが、そういう関係の無い、中国人の工場はどこから副原料を仕入れるのか?

ここにウチの取引先である中国の会社と、その代理店をやっていた僕のバカ親父、それにサクちゃんのところの社長が目をつけた。

副原料工場を中国にたてて、この急速に拡大する中国マーケットのシェアをがっぽり頂こうというのである。

試算をしてみると、日本から輸入する1/3で生産できる事がわかった。

副原料の生産は、決して難しいものではなかった。

現地の従業員を訓練する必要もほとんどない。

工場を稼働させるのに、最低でも1ヶ月は訓練をさせなければならない僕等とは大違いだ。

生産は極端に言えば、建物と設備さえあればできる。

三社が話し合いの末、日本円にして8桁の資本の工場ができた。

サクちゃんはそこの副社長になったのだ。

サクちゃんの親会社も資本金は8桁だが、8桁前半だ。

子会社のサクちゃんの資本は親会社の3倍。

満面の笑みを浮かべたサクちゃんは僕にこういった。

「ウチは同族企業だから、オーナー一族でない人間が出世できるのは、子会社の社長止まりです。嬉しいですよ。」

だが、サクちゃんの幸運はそれだけではとまらなかった。

1年後、日本の商社がこの事業に目をつけ、出資を申し出たのだ。

工場はその他の会社とも一緒になって集団公司という形態になったが、資本金の額も日本円にして10桁になった。

そして、その会社でも、サクちゃんは日本側の代表として副社長でありつづけたのだった。

そう、資本金8桁の会社の課長だったサクちゃんは、2年で資本金10桁の会社の副社長になりあがったのだった。

ビバ!!チャイニーズドリーム!!

(-_-)(-_-)(-_-)(-_-)(-_-)

5年間の中国在住生活を終えて3年後。

僕はサクちゃんの会社がある、中国南部の街に来ていた。

ここには親父が代理店をしている中国の会社もある。

この会社が日本から受注した製品の生産立ち会いをするのが、その時の僕の仕事だった。

やってきてすでに一週間。

原料の状態も良好で、工場側のよい物を作ろうという熱意も半端ではなく、仕事はきわめて順調に進んでいた。

仕事を終えると、親父が現地事務所として年間契約しているホテルの部屋に戻り、日本からもってきた本を読み寝た。

この部屋は、ホテルフロアの最上階にあるのだが、その上はナイトクラブ&カラオケで、実は夜になると心持ち騒がしい。

サクちゃんの部屋は斜め向かいにあった。

実はこのホテルも、サクちゃんに出資している中国側の会社が保有していて、サクちゃんはスイートルームを年間契約して住んでいるのだった。

サクちゃんの副原料工場は夜の10時くらいまで生産をしており、サクちゃんも帰ってくるのは9時過ぎだった。

僕は自分が中国に住んでいたころの経験から、夜サクちゃんの部屋に押しかけたりはしなかった。

人にもよるだろうが、海外で自分が旅行中で夜ヒマだからといって、毎日居住者である自分の部屋に遊びにこられても迷惑なのである。

とりわけ外国語で1日仕事をしたあとは、部屋に帰ったらじっくり休みたい。

僕も6時に仕事を終えて工場の食堂で幹部用の食事を工場の管理スタッフと一緒に食べると、あとは部屋に帰ってウォークマンで日本の音楽を聴きながら日本の本を読んでいた。

もっとも1日に1回は日本に報告書をファックスしなければいけないので、ファックスのある
1階のビジネスセンターに行くうちに、大連出身の女性マネージャーと仲良くなった。

名札には客室部マネージャー 方愛民と書いてあった。身長は170センチ近くあり、中国の南方ではめったに見かけないタイプだ。

なかなかの美人だった。

「またなんで、大連からこんなとこに来てるのさ。」

「ああ、このホテルは広州に本社があるホテル経営のコンサルタントをする会社が管理を請け負っているの。私はそこからの出向。」

「大連の人間が広州の会社で仕事?中国もグローバルになったもんだね。」

「ははは。会社は広州だけど、スタッフは中国全土から来ているのよ。」

「ふ~ん。」

僕は少しだけガードをあげた。

中国では企業が成功すると、大抵はグループ内でホテルを造る。

そして当然ながら、その企業の関連の客はほとんどそのホテルに泊まる。

中国ではホテルに泊まる時には政府発行の身分証明書を出さなければならないから、ホテルの管理をしていれば、どんな人間がその会社に出入りしているかは一目瞭然。

もちろん宿泊している外国人の監視もできる。

本業はホテルの経営コンサルタントであっても副業がないってことにはならない。

実際僕が中国にすみはじめた時に年間契約していたホテルでは、最初の2年間、従業員が僕の事を、公安の指示で24時間監視してたし。

「こっちと、大連では食事も違うでしょ。」

「そうね~。でも広州にしてもここにしても、基本的に料理は美味しいからいいわね。友達の中には全然口にあわないとこに派遣させられた人もいるし。そういう人に比べれば私はマシ。」

「そうなんだ。」

「あなたはどうなの?日本ではナマの魚とか食べるんでしょ?」

「いや、僕は20代の後半は中国すんでいて、ほとんど毎日中華だったから。それに日本でも餃子とか、ワンタンとかは普通に食べるんだ。戦前中国に住んでいた日本人が、引き上げた時に一緒に持ち込んだから。」

「へえ。そうなんだ。」

「うん。他にも、焼売とか焼豚とか青椒牛肉絲、麻婆豆腐、春巻。普通に家庭料理で出てくるよ。」

「ご両親のどっちかが中国系とかでなくても?」

「うん。中国人は中華しか食べないからびっくりするかもしれないけど、日本人は今日は刺身、明日は中華、あさっては洋食みたいに、いろんな国の料理を食べているんだ。」

「ホントに?信じられない。」

「自国の伝統より、海外の事に関して好奇心が強いからね。日本人は。」

「あ~あ。ここの人に教えてあげたいわ。ここの人達ときたら。」

「しょうがないよ。ここは中国でももっとも保守的な傾向があるとこだからさ。このホテルの親会社の幹部に客家のヤツがいるけど、泣いていたよ。」

「でしょうね。地元の人以外には心開かないものね。」

「そうみたいだね。」

「でもあなたは日本人でしょ?あなたのお父さんも。良く10年近く仕事を続けてられるわね。」

「多分親父がバカだからじゃないかな?それに他の地域の中国人より、日本人の方が信頼できると思っているんじゃない?」

「そうかな~。」

「知ってた?ここの会社では取引先の相手きめんのに、こっそり面相見に面相みさせて決めてるんだぜ。」

「本当?あきれた。あ、お友達が帰って来たわよ。」

振り向くとビジネスセンターのガラス越しにサクちゃんがホテルにはいって来たのが見えた。

サクちゃんも僕に気づいてビジネスセンターにやってきた。

「オカエリナサイ サクマサン。」

彼女がサクちゃんに日本語で声をかけた。サクちゃんも「ニイハオ」と答えた。

「またまた、円さんはこんなところでマネージャーと仲良くなって。」

「文化交流ですよ。」

「ハナ金ですよ。これから上のカラオケいくんですよ。一緒にいきましょう。」

「僕は明日も仕事ですから。もう寝ます。それに私が田舎の中国娘相手に仕事終わってからも中国語で喋るの嫌いなの知ってるでしょ?」

「このマネージャーと話すのはイヤじゃないんですか?」

「ホテルのマネージャーと仲良くしておくのは、仕事の一環です。帰りの飛行機の手配。
混み合ってる時の部屋の確保。どれも大事な仕事ですから。」

「なるほどねえ。じゃあ、明日工場の方にいきますよ。お昼一緒に食べましょう。」

そういうとサクちゃんは会社のスタッフを二人つれてエレベーターの方に向かった。

「カラオケいくんじゃないの?」

日本語でも中国語でもカラオケはカラオケだ。

「勘弁してよ。どこの馬の骨だか知らないおねーちゃん相手に中国語で話すの面倒くさいでしょ。」

「私と話すのは面倒くさくないんだ。」

「ホテルのマネージャーと仲良くしておくのは大事な仕事だからね。」

僕はそういって立ち上がった。

「あなた結婚してないでしょ?」

「うん。」

「カノジョは?」

「いないね。」

そういいながら僕はビジネスセンターのドアを開けた。

「ねえ、私をカノジョにしない?」

僕はふりかえって彼女の顔を見た。

悪びれた様子も、不安げな様子もなかった。

「そうだな~。まあ、考えておくよ。嫌いじゃないけどね。」

そういうとドアを閉め、ガラスの向こうの彼女に手を振り、エレベーターに向かった。

もちろん僕の方もワクワクしたりドキドキしたりはしなかった。

中国で長くくらしたけど、素人の女の子が自分の方から逢ったばかりの外国人に「私をカノジョにしない?」と言ってきたのは初めてだった。

これって恋愛の始まりなんかじゃなくて、ある種の腕試しの宣戦布告なんだよね。

お互いに。

To be continue.

Uploads on coming monday!!

see you (^_-)

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