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2005.09.26

キャンプにまつわるエトセトラー3-

シュガケン、小田君、ユリちゃん、僕の4人を乗せて車は走りだした。

長老よっしーの家は行徳の駅からちょっと離れたところにある。

今回羽釜でご飯を炊くにあたり、当然の如く羽釜なんかつかったことのない僕は、長老よっしーに参加を要請したのだが断られた。

「なんであたしが、あなたがたの飯炊き婆をやらなきゃいけないのよ」

電気、ガス、水道などの社会インフラがまだ不十分だった時代に幼年期と青春を過ごした長老は、不便さを楽しむキャンプなんかには絶対いかないという。

これでご飯がきちんと炊けるかどうかはなはだ疑問な状態になったのだが、まさかキャンプに電気炊飯器をもっていくわけにはいかないし、ここは小学校の家庭科の授業でならった「水は指の第一関節まで」というのと、「はじめちょろちょろ中ぱっぱ」というおぼろげな米炊き歌を信じて羽釜で炊くしかない。

でも「中ぱっぱ」の後はなんだ?「おでん煮えても蓋とるな」?いや、絶対違う!!炊いているのはお米でおでんではない。間違っておぼえているぞオレ!!

まあ、これはかまやつとユリちゃんにやらせて、失敗したときには二人のせいにしよう。

すくなくとも二人が家庭科の授業で米炊きをならったのは、僕よりずっと後だ。

それはともかく、夜の12時に長老よっしーの家についた僕等をまっていたのはビールとだだ茶豆。その他数種類のおつまみだった。

さっそく仕事あがりのシュガケンが飲み出した。それに付き合い小田君ものみはじめる。僕はビールをのめないのでウーロン茶をもらった。長老も当然ビールだ。

「あのさ、もう12時過ぎているんだけど。明日は5時半出発だよ。5時には起きなきゃならないけど大丈夫?」

僕がいうと、すでにビールを一缶凄い勢いで飲み干したシュガケンが僕の顔を見て言った。

「何言ってるんですか。まだ一本あけたばっかでしょ」

ビール一本あけたら十分なんだが。僕の場合。

小田君も飲んでいるので、僕もつきあってウーロン茶を飲んだ。

午前二時。

僕は自主的に布団に潜り込んだ。

あと三時間半だぞ?

二時半になったとき、小田君がとなりの布団に潜り込んできた。

シュガケンと長老は、調子が出てきたのかけたたましい笑い声をあげて話していた。

(-_-)(-_-)(-_-)(-_-)(-_-)

眠りに入ったと思ったら目覚ましがなった。

となりの小田君とシュガケンはまだ起きない。

これはヤバイかもしれない。

僕が着替えていると小田君がおきあがった。

「時間ですか?」

「はい」

小田君はおきあがった。

一緒に歯磨きをする。

長老よっしーも起き出し、昨日のうちにつくっておいてくれたおにぎりを冷蔵庫から出してレンジにかけた。

流石は女子挺身隊出身者。(注:ウソです)出陣する男に食事を出すことをさぼったりはしない。

シュガケンはまだ寝ていた。

僕はおにぎりをくわえながら足でシュガケンの尻を蹴った。

「おきろっ!!」

「ううん」

シュガケンは起きる気がないようだった。そりゃそうだ。長老の話では1時間前まではのんでいたのだから、眠くて起きられないのと酔いでおきられないのとのダブルパンチなのは間違いない。だが、リーダーが約束の時間におきられなかったなんてことが隊長に知られたらタダではすまない。

「シュガケンさんおきて下さいよ」

むにゃむにゃ。

そうか起きたくないのか。

だったら死ねっつ!!

僕は片膝をシュガケンのあばらにずしんと落とした。

「うっ」

カエルがつぶれたような顔をして、シュガケンは目を覚ました。

「いてえ・・・なんかしたでしょう?」

「別に。目がさめましたか?」

「いや、眠い」

シュガケンは着替えずに布団に入っていたので、僕と小田君はこのヘタレリーダーをまず下に運んで車に押し込み、エレベーターで長老の家に戻るとワインほかの荷物をもって、車に乗り込み出発した。すでに6時半。

車のなかは、シュガケンの放つ酒のニオイでむんむんした。

小田君は控えてのんでいたので、酒のニオイはしないが、それでも眠そうだった。

「ユリちゃんは西船橋で拾えばいいんですか?」

僕はシュガケンにきいた。

「ん?」

「ユリちゃんです」

流石にいつの間にか車に乗せられ走り出している状況に恥を感じたのかシュガケンが起き出した。

「電話してみますよ」

シュガケンがユリちゃんの携帯に電話をかけた。

なかなか出ない。

出た。

「今どこ」

「あ?」

「そりゃ困った。とりあえず着替えて家出ろ。相談して電話するから」

まさか・・・・・

「まだ家だって」

シュガケンが悪びれる風もなく言った。

「家・・・・・」

僕と小田君は顔を見合わせた。

「来るんですか?」

「来ると言っている」

僕等はすでに西船橋についていた。

小田君は外を見ている。

シュガケンの電話がなった。

「うん。そう?」

シュガケンが僕の方を見て、「もう電車に乗ったそうですよ」と言った。

でもここでユリちゃんが来るのを待っていたら、早朝出発の意味がない。

「千葉まで来てもらって下さい」

僕は言った。

「千葉で待ち合わせ。僕たちも先にすすんで千葉でお茶でもして待ちましょう」

(-_-)(-_-)(-_-)(-_-)(-_-)

千葉駅近くのマックで朝マックしているとユリちゃんから電話が来た。

もう8時近い。

僕はシュガケンから携帯をひったくった。

「今、千葉駅につきました」

「朝ご飯は?」

「まだです。当然ですけど」

「コーヒーと紅茶どっち?」

「コーヒーがいいです」

コーヒーをテイクアウトして僕等は駅に向かった。

駅前でユリちゃんを拾うとコーヒーを渡し、車を館山の方向に走らせた。

「昨日、朝までのんじゃって」

ユリちゃんがそういいながらコーヒーのカップをあけた。

コーヒーの香りがシュガケンの体から放たれる酒のニオイを追い払う。

「昨日じゃね~だろ!!今日だろ!!」

「あ、そうかっ!!」

シュガケンはすでに寝ているので、初対面の小田君を紹介してあげた。

小田君は文句をいうわけでもなく、嬉しそうだった。

ユリちゃんは決して美人でもかわいいタイプでもない。

だが体全体から放たれる雰囲気が柔らかいので、相手を緊張させない。

敵意をもつのが凄く難しいというきわめて稀な女の子で、それは早朝に2時間近い遅刻をしてもかわらない。

得な性分だな。シュガケンとは違って。

房総半島に入ると、案の定渋滞につかまった。

シュガケンとユリちゃんは眠っていた。

小田君も眠っていないから、ここはがんばって起きていなければならない。

だが、京大の大学院を出て、将来のノーベル賞候補の一人になるのは間違いないと言われる彼は、ガンダムヲタでもないし、お笑いヲタでもないし、椎名林檎ファンでも、スティングファンでもピンクフロイドファンでも、僕がカラオケで歌わない理由の一つであるジャニス・ジョプリンファンでもない。

かといって、見た感じはどちらかというとぬぼお~っとした感じで、秀才にありがちなイヤミな感じはまったくないから、ダイビング仲間として付き合っているわけだけど、いざ二人っきりとなるとどんな話を振っていいのか、からきしわからなかった。

あたりさわりのない話をしているうちに僕も眠くなり・・・・・

ハッと目がさめたときには、車は道路からそれ、崖にむかって一直線。

「小田君!!」

目をあけた小田君があわててブレーキを踏んだ。

渋滞気味だったのでスピード自体が遅く、大きな反動があった訳でもなかったが、後ろの二人も飛び起きた。

「なんだ!!」

小田君は冷房の効いた車のなかで汗をかいていた。

「あ、あぶなかった・・・・・」

将来のノーベル賞はあの世でもらう事になるところだった。

「あそこにコンビニがあるから、駐車場に車入れて、小田君は30分くらい寝た方がいいよ。俺、飲み物買うから」

「はい」

コンビニの駐車場に車を入れると、シュガケンが「円さん俺コーヒー」と言った。

本当に役にたたないリーダーだ。

僕がコンビニからお茶とコーヒーを買って出てくると、小田君はシートをリクライニングさせて寝ていた。

他の二人もだ。

僕はお茶だけ取り出すと、コンビニの袋をバックミラーにひっかけガードレールにこしかけて携帯を取り出し、かまやつに電話した。

「今どこ?」

「海ほたるです。」

イベント女のかまやつは楽しそうだった。

「円さんはどこですか?」

「もう目的地まで10キロくらいなんだけど、小田君が運転中にねちゃってさ、危うく崖につっこむ所だったんで、今、コンビニの駐車場で寝かしてる」

「シュガケンさんに運転させればいいじゃないですか」

「ダメだ。あれは。出発の一時間前まで長老とのんでたし、朝も起きられなくてオレと小田君で運び入れたんだから。車に」

「役にたたない人ですねえ」

「30分くらいしたら走り出すから、時々電話してくれない?実はオレも寝ちゃってて気がついたら崖が目の前だったんで・・・・」

「わかりました」

「それから大杉君に聞いてもらいたいんだけど」

「はい」

「小田君寝かせないためにはなしかけておきたいんだけど、何の話ふったらいいの?」

電話の向こうで二人がゴニョゴニョと話し合う声が聞こえた。

「円さん?大抵の事にはついてこれるけどどれも浅い。でも遺伝子工学と脳神経学に関しては世界のトップレベルの話ができるそうです」

「A10神経とか、テロメアとかの話でいいの?」

ゴニョゴニョ

「それでいいそうです。それらの話を切り出せば勝手に一人でしゃべり出すっていってますよ。でも円さんすごいじゃないですか。文系なのにA10神経とかテロメアとかって。一体どこでおぼえたんですか?」

「エヴァンゲリオンと円谷プロの特撮ドラマ、サイバー戦士テロメアで」

「(-_-)・・・・・・・」

電話を切って今度はケンチに電話した。

「今どこ?」

「え~」

「?」

「すいません!!出たところですっ!!」

オイオイ。

でもケンチの家は千葉県内だし、目的地からは近いからいいや。

「1時にはつくと思いますけど」

「1時了解。ついたらご飯食べられるようにしておく。」

「すいません!!」

30分たったので、車を出すことにした。

30分寝た小田君はとりあえずは眠気も去ったようだった。

後ろの二人はあいかわらず寝ている。

ダメな奴!!

「あのさ、小田君。去年くらいサイバー戦士テロメアっていうのがやってたんだけど、テロメアって遺伝子学の用語でしょ?かまやつが小田くんは詳しいっていってたんだけど」

小田君の顔が急に輝きだした。

「テロメアですか?テロメアっていうのは染色体の末端にあって 細胞が分裂する時には必ずDNAの複製するんですが、遺伝情報を二倍にコピーしてから、これを一つずつ娘細胞に受け渡すんですよ。このDNA複製の時、テロメアDNAの末端部分は完全には複製されないんです。つまり正常な細胞では、テロメアDNAは細胞分裂のたびに短くなるんです。つまりテロメアには老化時計というか細胞分裂時計と考えられているんですけど・・・」

こうして僕等4人はかまやつ達がすでに到着しているキャンプ場に、無事着いたのだった。

To be continue.

Uploads on coming monday!!

see you (^_-)

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