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2005.05.29

劣情モラトリアム SIDEーB 

悪魔系誕生秘話?????

衝撃のスエーデンポルノ事件から数ヶ月後。

僕は女子が集団でヒソヒソ話をしているのを耳にした。

何事?

とりあえず、隣の席の女子に聞いてみた。

「なんの話?」

「えっ・・・・・」

おとなし目の彼女は、そういって顔を伏せた。

これはただごとではない。

間違いなく、下ネタ事件だ!!

僕は仲良しの女子にこっそり聞いてみた。

「穴があいているらしいの」

「どこに?」

「わからないのよ」

「はあ?」

「男子と女子のトイレは、1つが男子トイレの側のドアが開いて、残りの4つが女子トイレの側に開くようになっているでしょう?その男子トイレと女子トイレの間の壁に、誰かが穴をあけたっていうの」

「ふさげばいいじゃん」

「わかればふさぐわよ。でも誰もどこのトイレだかわからないから、ふさぎようがないの。ただの噂かもしれないし」

なるほど。

それは女子にとって大問題といえよう。

今で言えば、盗撮カメラが仕掛けられているという噂がかけずりまわっているようなもの。

どこにあるかわからなければ、もしかして盗撮されているのではないか?と怯えつつ、日々の欠かすことのできない用事をかたずけなければならない。

それから数日後。

僕たち男子は3,4時間目の連続授業を技術室で折りたたみ椅子をつくって過ごしていた。

3時間目と4時間目の間の休み時間は20分もある為、実技で時間オーバーしやすい技術家庭の授業は、3時間目と4時間目の続き授業となることが多かったのだ。

担当の技術講師には凄い噂があった。

この先生、まず服装からして工場のおじちゃんなのである。

本当に教職免許もっているのか?と心配になる。

そして、何故か腰にはベルトではなく荒縄を締めているのだ。

荒縄を腰にまきつけて縛ってベルトのかわりにしているのだ。

荒縄先生である。

技術室には技術準備室というのがある。

このような腰に荒縄を締めた異端の講師が神聖な職員室に定住しない為の特別室だ。

彼はタイムカードを押すと、職員室に顔を出したあと、授業以外の時間をここで過ごす。

噂によると、ある生徒が所用があってそこへいくと、その講師が読んでいたエロ本を机の上に堂々と置き、「なんだ?」と言ったと。

その噂にはさらに後日段があり、ある生徒が技術室に忘れ物して、昼休みに技術室にいき、忘れ物をとったついでにふと準備室を見ると、荒縄先生がエロ本みながらXXXXをこいていたと。(今風にいうとマスターベーションをしていたとなります。「せXXり」。21世紀になってすっかり死語になりましたな)

それを信じた生徒は多分誰もいなかったが、荒縄先生の風貌がまさにXんずXをしそうなイメージだったので、この話は、彼が僕等の中学にいるあいだ語りつがれたという。

3時間目後半。

僕はすでに組みあがった自分の折りたたみ椅子への塗装が終わったところだった。

あとはニスを塗ってかわかせば完成だ。

荒縄先生は、授業がはじまると早々に、「なんかわからんことあったら準備室にこい」といって、ひっこんでしまった。

実技の時は皆真剣だし、作るのがおくれれば、昼休みをつぶしてやるしかないので教師がいなくても誰もさぼったりはしないのだ。

ニスは4時間目にやろうと思い、一息ついたぼくは、見慣れた顔が教室にないのに気づいた。

ヨシケンがいない。

僕はとなりで下塗りをしているチヒロに言った。

「ヨシケンがいない・・・」

チヒロも教室を見回し、「本当だ。」といった。

僕は空いているテーブルに腰掛けるとぼんやりと教室をながめていた。

その時、他の班の作業テーブルの上に、ねじ穴をあけるためのドリルと、釘をうつための穴をあけるためのキリを見つけた。

僕の中で何かがはじけた!!

僕等の中学の校舎は変形のコの字だ。

本館にあたる部分が一番長く、ここに1~3年までの教室のほとんどがある。

中央のブリッジの部分は、本館部分の半分程度の長さで、ここには給食室や、家庭科室、今僕等がいる技術室と教室の一部がある。

そして最後の部分は、各階ワンフロアの箱形で、ここには美術室や、第二音楽室などがある。

トイレのある場所は、本館の両端と中央の各階。

それにブリッジ部分の箱形校舎側。

つまり僕等が今いる、技術室の隣だ。

「穴がある」

それは技術室の工具を使ってあけられた穴ではないだろうか?

「穴があると言うけど誰も見たことがない」

それは使用頻度があまり多くないトイレだからではないか?

技術室から工具を持ち出せば、かならず荒縄先生にばれてしまう。

という事は、授業中にこっそりトイレにいき穴を開けたのでは?

そういう意味では、その作業が可能なのは技術室のとなりのトイレである可能性が一番高い。

僕はヨシケンが不在なのを同じ班のチヒロや、岡ポン、ジュンに伝えると同時に、女子トイレの穴の話もした。

「ありえる。ヨシケンはD組のエロエロ軍団と仲がいいし、女子トイレに穴をあけるような連中はあのエロエロ軍団しかいないからな。それに本館のトイレで、男子用の大便トイレの鍵がしまっていたら、誰かがうんこしてると大騒ぎになる。ここならそれもない。」

チヒロが言った。

そう、このブリッジ校舎の端にあるトイレは、箱形校舎にある第二美術室や、第二音楽室が使われない限り、めったに人はこない。

だから男子が校内にいるとき、大便をしたくなったら、このトイレを使うしかない。

本館のトイレで踏ん張っていたら、すぐに「おい、誰かうんこしてるぞ!!」「誰だかたしかめろ!!」などと言うことになって、ウンコどころではなくなる。

ウンコしないで出てきたとしても「あいつはウンコしようとした!!」とすぐ噂になるのだ。

僕等は教室の時計を見た。

あと10分で3時間目は終わり20分の休憩時間になる。

「休み時間の20分にかけて、こんな時間からトイレに潜んでいるのか・・・ヨシケンは・・」

「4時間目にはG組が第二音楽室使うぞ」

「20分・・・・確かに誰か一人くらい入る可能性はあるな」

僕等4人は、荒縄先生がいるはずの準備室の前を身をかがめて通り、トイレへと向かった。

 

(-_-)(-_-)(-_-)(-_-)(-_-)

 

僕等は校庭で体育の授業をしていないのを確認して、トイレへと入っていった。

4人も一緒に授業中にトイレいくところを見られたら、当然調べられる。

トイレの床は水磨きの床で、薄暗かった。

僕等は男子用個室のドアをあけようとした。

開かない。

やはり・・・・

僕等4人は顔を見合わせた。

ヨシケンはやはり中に潜んでいるのだ。

スエーデンの写真ではもの足らず本物を見ようとしているのだろうか?

僕はトントンとノックしてみた。

返答はない。

下から足が見えるかどうかのぞこうとしたが、隙間は狭い上に水磨きの床は掃除したばかりなのか湿っている。

ドアの下から中をのぞこうとしたら髪が床についてしまいそうだ。

僕はもう一度ノックした。

やはり答えはない。

チヒロが力まかせにドンドン!!とノックする。

小さくノックしてきた。

いるぞ!!やっぱりいる!!

「うんこしてるの誰だよ」

いきなりジュンが単刀直入に言った。

僕等は我慢しきれず、クスクスと笑った。

「ヨシケン!!お前だって事はわかってるんだよっ!!」

今度は岡ポンだ。

だが、トイレの中では沈黙が守られている。

ドン!!

岡ポンがドアを蹴飛ばした。

「出てこいよ!!ヨシケン!!」

僕等4人は皆でドアを蹴飛ばした。

ドンドン!!ドンドン!!ドンドン!!ドンドン!!

トイレの中はやはり沈黙だ。

ヨシケンの奴。

そこまでしてマルコビッチの穴ならぬマ○☆ビッ◎の穴を独占したいのか?

その時チヒロが、皆に外へ出ようと合図した。

僕等は廊下に出ると、しゃがんでフェンスに隠れるようにして、校舎や、校庭から見えないようにした。

小テストでヒマな教師がぼんやりと校庭を見ていることがあるからだ。

「おまえら、急ぎすぎだ!!もし中にはいってるのがヨシケンでなく、教師とかだったらどうする?まずヨシケンかどうかを確認しろ!!」

それもそうだ。

教師とまではいかなくとも、三年生ということはあり得る。

僕等は再びトイレに戻った。

「中の人。聞いて下さい。僕たちは用があってヨシケンを探しています。あなたがヨシケンでなければ僕たちは帰りますから。なんか声出してもらえますか?」

声なし。

やはりこいつはヨシケンだ。

そして多分個室で大便をしようとしているのではなく、隣の女子トイレに誰かがはいってくるのを待ちかまえているのだ!!

変態めっ!!変質者めっ!!

岡ポンがトイレ内の清掃ロッカーからモップを出してきた。

背を伸ばして上からモップをつっこみ、個室の中をかきまぜようとする。

その時、休み時間のチャイムが鳴った。

モップは当然の如く、個室の中には入らない。

「ジュン!!俺を肩車しろ!!」

岡ポンが叫び、ジュンをしゃがませた。

「まて!!休み時間だぞ!!」

僕は言った。

「関係ねーよっ!!」

「関係あるっ!!女子が入ってきたら、お前肩車で女子トイレをのぞこうとしていたっていわれるぞ!!俺らも仲間扱いされる!!」

岡ポンもそれは理解できたようだった。

確かにそうだ。肩車したら、個室のなかに潜むヨシケンをモップでめった突きにできるかわり、女子がトイレにはいって来たと同時に、職員室に呼び出される。

「くっそ~ どうすればいいんだよっ!!」

恐るべしヨシケン。

意地でも正体をあかさず、僕等があきらめて帰るのを、個室のなかで隣の女子トイレにつづく小穴をのぞきながら待つつもりか?

その時、僕の目に小便器の上にのった四角いボックスが目に入った。

僕の胸の中で、何かがニヤリと笑った。

僕は言った。

「ヨシケン。お前だってことはわかってる。そのトイレにのぞき穴があることもな。すぐに出てこい」

無言。

「そうか。そういう気か。だったらこっちにも考えがあるからな。」

僕はそういいながら、小便器の上の四角いボックスを手にとった。

「10秒だけ待ってやる。10秒立ってでてこなければ、ひどい目にあうぞ。でもそれはお前の責任だからな。さあ、数えるぞ!!」

チヒロ、岡ポン、ジュンの三人が僕の手の中にあるボックスを見て大笑いした。

そこには「クレンザー」と書いてあったからだ。

「10,9,8,7,6,5,4,3,2,1、0」

無言。

「やっちまえ!!」

岡ポンの声で、僕は思いっきり腕を伸ばしてクレンザーのボックスをトイレのドアの上に出すと、中にむけてドンドンとクレンザーをまき散らした。

「ゲホッゲホッゲホッ」中から咳がして、僕等はドアから離れた。

凄い勢いで開け放たれたドアからは白い粉と共に、真っ黒な学生服と髪の毛を真っ白にしたヨシケンが出てきた。

「ギャハハハハ」

僕等は腹を抱えて笑った。

半ベソで学生服についたクレンザーを払うヨシケンを見ながら僕は穴を探した。

金隠しに背をむけてしゃがんだ位置に、キリであけたと思われる小さな穴があった。

そこからのぞくと、丁度かがんで大股開きになった女子の股間が見える角度に穴があけられていた。

確かにこれはあわててトイレをすまそうとしてたら気がつかないかも。

恐るべしマ○☆ビッ◎の穴!!

ほかの三人ものぞき口々に「すげ~」と言った。

「おまえらふざけんなよ!!先週やっとあけたのにっ!!こんなんじゃ納得いかねーよっ!!これから廊下をG組みの奴らが通るから、ここでのぞけるっていってつれてこいよ!!」

ヨシケンの納得いく、いかないはともかくとして(というか、エロエロ軍団ではなく、お前があけてエロエロ軍団に話したのが噂として流出してたのかよっ!!)このクレンザー作戦はおもしろそうだった。

それに見える角度が、女子からするとトイレに入ったら最後逃げようがなく、危険すぎる穴なのだ。

ヨシケン以外の僕等4人は、のぞかれるのはぼくらが密かに思いをよせる彼女かもしれないという微妙に切ない思いを感じざるをえなかった。

それはなんとなくイヤだった。

自分の好きな子が、誰かにのぞかれるのがではない。

自分の好きな子が、あのスエーデンポルノの女性のような複雑怪奇な代物を股間にもっているということが、隠しようのない事実となってしまう事がだ。

昭和の中学生であり、当然の如く童貞ボーイだったぼくらは、まだ事実を知るよりも幻想を守っていきたい、性にもモラトリアムな年頃だったのだ。

G組が通るのを待つまでもない。

ジュンが技術室にいって、トシキを言葉巧みに連れ出した。

「本当かよ。のぞけんの?」

トシキがエロ心丸出しの顔でトイレに入ってきた。

「しっ。聞こえる。その穴だから」

僕はのぞき穴を指さした。

トシキがトイレでかがむと、チヒロがドン!!とドアを閉め、またしても岡ポンの「やっちまえ!!」を合図にヨシケンがクレンザーを投下した。

あけたドアの中には、真っ白になったトシキが呆然として立っていた。

 

(-_-)(-_-)(-_-)(-_-)(-_-)

 

20分の休み時間のうちに5人の男子生徒がクレンザーで真っ白になり、ヨシケンがつくった秘密の穴の話は、G組のクレンザーだらけになった奴らから女子にまわっていった。

その翌週。技術の時間の前に、僕とチヒロがマ○☆ビッ◎の穴のあった場所を見ると、折りたたみ椅子をつくった板の切れ端が、思いっきり釘で打ち付けてあった。

こうして僕等は、ごく普通の昭和の中学生として童貞のままで、卒業を迎えた。

そして・・・・

僕が思いを寄せた彼女は、いまでも幾重にもセロファンで優しくつつまれた砂糖菓子ような曖昧さの中で、少女のままの姿で僕の心の中で眠っている。

see you (^_-)

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2005.05.18

ゆんたくアクマちゃん38ーしばらくの間、更新が不定期になりますm(_ _)mー

5月23日現在発熱の為伏せっておりますです(-_-;)直り次第更新させていただきます。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

今週の更新分は右の最近の記事からどうぞ

円海です。

今週のB型悪魔系を読んだ方から、「疲れすぎて性欲がたまってるんですか?」といわれたとです・・・・・・

ちげ~よっ!!

まったく逆だよっ!!

疲れすぎて構成やら難しいことまったく考えられないんで、そういうこと考える必要のない下ネタに走ったんだよっ!!

でもね、自分でも書いていて、こんなことでいいのか?オレは・・・・とか思ったわけですよ。

個人的に書いていて一番楽しかったのは「みのちゃんのココログ妖怪ハンター」だったりしますが、当時は木曜あたりにあらすじを書いて、金、土で、あれこれといじくって、日曜に書き上げるって形だったです。

でも、今年に入ってから、なんか日曜日にさらさらとやっつけ仕事みたいに書く事が多くなって。

まあ、はじめた時に比べ、この一年数ヶ月で、健康状態が極めて良好になって、ちょこちょこお出かけする気になったりしたせいもあるんですが。

やはりね、これじゃあいかんと思うわけですよ。

やっつけ仕事でさらさらとすませて、後で書き直すったってできるわけないんですから。

私の性格からして。

後半には「ブレア大戦」と「中国に真実の愛はあったか?」という二大作(?)が控えているし。

というわけで、しばらくの間、多分3ヶ月くらいだと思いますが、更新が不定期になると思います。

場合によってはもっと短い期間かと思いますが、まあ、3ヶ月以上に渡ることはないと。

体の調子を悪くした3年前、仕方なく棚上げにしてたことが2~3あるんで、それをちょっと整理したいんですわ。

3ヶ月、時間割表を書くくらいの気持で、集中して整理しようと思っているんで。

何卒ご理解の程宜しくお願いいたしますm(_ _)m

一応ペースとしては20日に一度くらいは更新できると思うんで。

あ、今週の劣情モラトリアムですが、もともとはSIDE-AとSIDE-Bの二話だったのですが、Bの方は時効とはいえ、ちょっとまずい話かな?と思い、やるかやらないか考えていたんですが、多分この話が、私の中の悪魔性の芽生えだと思うんで、やっぱやります。(笑)

これを読めば、私が悪は悪でも正義の悪(なんじゃそりゃ?)なのがわかってもらえるはず!!

これは来週予定通りに。

では、ごきげんよう!!(あ、なんか嬉しそう?誰ですか?いい年してサーファーになろうと企んでるとかいう奴は!!違いますからね。夏に一応挑戦する予定はありますけど)

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2005.05.16

劣情モラトリアム SIDE-A

想像を絶する複雑さをもった女体の神秘に昭和の中学生たちは・・・・

僕等がまだ小学生だったころ、性教育の授業があったのは女性徒だけだったように思う。

小学校4年くらいのとき、女子だけに特別授業があり、にもかかわらずその内容に関しては誰も男子に話さなかった。

僕には6歳離れた妹がいるが、小学生の間、ずっと子供は肛門から生まれるのだとばかり思っていた。

もっともテレビなどで、生まれたばかりの赤ちゃんがウンコだらけでないのを見て、あれはどうしてだろう?なぜウンコだらけではないのだ?と不思議には思っていた。

そして自分がウンコするときの事を思って、果たして肛門からあんなものが出てくるのだろうか?と疑問に思っていたことは事実だ。

でもね。

男の子には肛門と尿道管しかないわけで。

人間は平等という戦後民主主義のなかで育てられた僕等(多分)としては、女性に別の穴があるなんてことは、想像もつかない訳で。

それは僕も小学校低学年までは銭湯にいってたから、女性にはおちんちんがないということくらいは知っている。

だが、赤ちゃんの妹がおしめ変える時にみても、そこには一本の線があるだけで、銭湯で成人女性の裸を見ても、そこには黒い茂みがあるだけであり・・・・

人間誰しも、自分にないものに関しては、想像なんてことはできないものなのだ。

中学生になって保健体育の時間で、例の卵巣が両側にあって、子宮があって、それが外部につながっているという図を見て、はじめて男女は機能だけではなく構造が本格的に違うことを知った。

それでも僕の理解は「なるほど、つまり女性というのは男の睾丸が卵巣になっていて体のなかに入り、それに伴い男では外に出ているおちんちんの部分が体のなかにめりこんで、一部はふくらんで子宮になっているわけだな。でも、そうすると女性のおしっこが出るところは月経の血が出たり、おしっこが出たり大変だな・・・」という程度のものだった。

もちろんその理屈からいくと、赤ちゃんも尿道から出てくることになり、赤ちゃんがウンコだらけで生まれない理由も説明できる。

ただ、一方でどう考えても肛門よりも細い尿道からどうやって赤ちゃんが出てくるのか?という疑問は当然もった。

いくらなんでもそれは・・・・

結局当時僕が出した答えは、赤ちゃんは肛門から生まれるが、ウンコだらけでないのは、多分お産に際して浣腸をお医者さんがしてくれるからだろうということだった。

多分女性からすれば笑っちゃう話だと思うのだが、男の子には肛門と尿道しかないのだ。

同じ人間の女性に、もう一つ別の穴があるなんて想像できるわけがない。

確か当時の保健体育の教科書には子宮と卵巣は書いてあっても膣という言葉はなかった(と思う)のだ。

(-_-)(-_-)(-_-)(-_-)(-_-)

中学二年生のある日。

二時間目が終わったころから、男子生徒の間では、なにやらザワザワとした雰囲気があった。

「スエーデンだってよ・・・」 ヒソヒソヒソ。

「ノーカットらしい・・・」 ヒソヒソヒソ。

どうやら隣のE組の生徒が、どこからかスエーデンのノーカットポルノ本をゲットして、学校に持ち込むことに成功したらしい。

昭和の中学生にとって、テレビで見るアイドルタレントは性の対象にはならない。

当時女性アイドルタレントは、おしっこもおならもうんちもしないし、恋愛もしないものなのだ。

今から思えば、これってマスコミを使った凄い洗脳だったと思うのだが。

もちろん当時日活ロマンポルノのようなポルノ映画はあったが、そこに出てくる女性は、小中学生が裸を見て、美しいとか、きれいだとか思えるような代物ではなかった。

大体設定自体が、「団地妻」とかでは、生活臭あふれることこの上もない。

そんな僕等にとっての性の対象は、ずばり「金髪美人」

そして、中学生でも知っている世間の噂では、北欧はフリーセックスの国々であり、とりわけ何故かスエーデンはノーカットポルノ本の聖地ということになっていたのである。

三時間目が終わり、クラスの一人がE組の生徒に交渉にでかけた。

「それ、次の休み時間に俺らのクラスにもみせてくれや」

次の休み時間は昼休みになってしまう。

「ダメだ。時間が長すぎる。先生にバレル可能性が高い。」

そこをなんとか!!と頼み込み、結局給食が配られ、食べ始める前の時間だけ貸してもらえることになった。

4時間目の授業中、先生の目をくぐって、男子にのみメモが回された。

「給前 金 広 全部」

万が一、先生に見つかってもいいように暗号メモになっている。

そりゃそうだ。

ただのエロ本ではなく、海外のノーカットポルノなのだ。

先生に見つかったら間違いなく、見たモノ全員が激しく反省させられ、親は呼び出されるに違いない。

タバコを吸ったとか、酒を飲んだで呼び出されるならまだいいが、ノーカットポルノを見た罪で親、しかも多分に母親を呼び出されるのがマズいということは、皆理解できる。

というより、以後女子が口をきいてくれなくなる可能性すらある。

これは絶対ばれてはいけないのだ。

暗号メモの意味はこうだった

「給食の前に見れる。金髪美人が股を広げていて、全部見えるらしいぜ!!」

僕等はゴクリと唾を飲み込みながら、メモを次の男子に回していった。

授業が終わると、給食当番の男子3名と、ブツを取りに行った2名をのぞいたクラスの男子全員が校舎の一番端にある音楽室に集合した。

専門教室には、給食が終わるまでは誰もこない。

皆、期待に目が輝いている。

「金髪 金髪!!」

金髪という言葉がエロに直結していたあの頃。

懐かしい・・・・

そのうち生徒の一人が言い出した。

「あのさ、俺、前から思っていたんだけど、金髪の人って下の毛も金髪なのかな?」

皆が目を合わせた。

「いや、やっぱり頭だけなんじゃないか?」

生徒達の口論がはじまった。

「そんな事ないだろ?やっぱ頭が金髪なら、下も金髪だろ?」

「え~っ!!じゃあ、男は金髪のなかにおちんちんが立っているのか?」

「じゃあ、白人が上が金髪で下は黒いのかよ?じゃあ、胸毛は何色になるんだ?」

「ジェームスボンドは黒い胸毛だったぞ(ショーン・コネリー版)」

「でも、ジェームスボンドは髪の毛黒いだろ?」

「あ、黒人は肌が黒いけど、手のひらと足の裏は白いというか、黒くないってさ」

「それは白人との混血だからじゃないのか?」

「じゃあ、日本人とアメリカ人のハーフは手のひらと足の裏だけ白かったり黄色かったりするのかよ?」

「いや、それは肌の色だろ?それに黒人の足の裏と手のひらが黒くないのは太陽にあたらないからじゃないか?何代にもわたって日焼けしてないからだろ?」

「だったら脇の下も黒くなくないとおかしくないか?」

ようやく不良の間で髪の毛を脱色するという技が定着してきた頃である。

しかもコーラで脱色するとかいう世界だ。

僕等にとっては果たして金髪美人のヘアが黒か金色か?ということは、本当に未知の領域だった。

「それは本がくればわかるだろ?」

一人がそういったとき、ドアで見張りをしていた生徒が言った。

「来たぞ!!」

ブツを取りにいった二人が小走りに音楽室に入ってきた。

一人は学生服のお腹に、本をかくしているのがバレバレな状態だ。

「もってきたぜ!!」

彼がお腹から本を出した。

プレイボーイなんかと同じ大判の雑誌サイズだ。

「おおっ!!」

みんなが声を出した。

表紙の女性が、びっくりするような美人だったからだ。

「さすがスエーデンだな・・・こんな美人も脱ぐのか・・・」

もちろん金髪だ。

ヌードではなく、パンティをはいて胸をおさえている。

「見ようぜ」

僕等はページをめくった。

「げ~っ!!」

そこに写っていたのは、なんと全裸の男性。

しかも勃起した自分のブツを両手で握っている。

さらには、両手で握っても、そのブツは余っているのだ。

「こんなのチンチンじゃねえ・・・・バットだ・・・・」

誰かが言った。

僕等は一瞬頭が真っ白になった。

勝てない・・・・

このでかさには勝てない・・・・

金髪ロン毛の筋骨たくましい男性は、金色の陰毛のなかにそそり立った、両手でも有り余る自分のブツを握りながら不適にニヤリとこっちを向いて笑っている。

「やっぱ、バイキングだからかな・・・」

その声に、皆、意味もなくうなずいた。

そうだ。スエーデンはバイキングの国だ。

ヨーロッパを股にかけて暴れ回ったバイキングならば、このようなバットのようなブツもっていても・・・・

「いいよそんなの!!次!!次!!」

一人が言い出すと、皆もうなずいた。

僕等に与えられた時間は給食委員が給食を受け取り、配りはじめるまでの僅かな時間だけなのだ。

次のページをめくった。

「やっぱり」

「おお~っ!!」

そこには金髪美人のねーちゃんが、斜め座りでポーズをとっていた。

「やっぱり下も金髪だ!!」

「すげ~」

「そうだったのか~っ」

皆、ひどく感動した。

白い肌にやわやわと茂る金色のヘアからはエロさは感じられず、むしろ崇高さすら感じられる。

これが日本男児がひれ伏す(?)金髪美人の秘密だったのだ!!

「う~ん。きれいだなあ~」

みな感動した。

「次、いこうぜ!!次!!」

次のページはお尻を突き出した別の女性の写真だった。

「う~ん」

「次!!」

僕等全員に衝撃が走った。

「うっ・・・」

そこにはメガネをかけた秘書風の女性がベットの上に股を広げて横たわっており、その両手は、自分の大事な部分を思いっきり広げていたのだ。

しかもその色はいわゆるドドメ色という奴で・・・・

僕等全員が沈黙した。

これはなんだ?

この複雑怪奇な不思議な物体は?

というか、内臓ならともかく、何故こんなヌメヌメした感じのものが、人間の体の外側についているのだ?

男子のモノはシンプルである。

女性の体に、こんなにも異質なものがついているのだとは、誰も思っていなかったに違いない。

ぼくらは音楽室を出て教室に向かった。

その日の給食を完食できた男子は一人もいなかった。

そしてその日一日、女子と積極的に話をする男子もいなかったのである。

その晩、僕は意味もなくうなされた。

(-_-)(-_-)(-_-)(-_-)(-_-)

高校生になった僕は、家のタンスからヌードトランプを発見した。

海外出張が多かったオヤジが香港で買ってきたものをポンとタンスの片隅にいれておいたらしかった。

13X4+2の54枚のカード全部の、一枚ずつが違う女性のヌードになっていて、もちろんノーカットだった。

人種も白人、黒人、アジア人それに南米のインディオの女性まで多岐にわたってあった。

僕は色々な人種の女体の神秘の形状に関して学ぶことができた。

そして遂に、その複雑な物体に対する違和感を克服することができた。

そのころ世間ではノーパン喫茶なるものが大ブームになっていた。

床が鏡張りで、ウエイトレスがノーパン(だけどパンストははいていたらしい)という喫茶店だ。

だが僕がそんなものに興味を持たなかったのはいうまでもない。

中国に住んでいたころ、出張でやってくる人が、時々香港でプレイボーイを買ってもってきてくれた。

今はどうなったかしらないが、当時の香港ではカラミ写真はダメだが、女性が単独で写っている雑誌は、本屋で買うことができたのだった。

みてみると、どの女性も美しいサーモンピンクでとてもきれいだった。

僕はお昼の日本人スタッフ食堂で、紙袋にいれたプレイボーイ誌を、単身赴任できているスタッフに渡しながら、中学生の時の話をした。

「毎回ハスラーや、プレイボーイもらうと思うんですけど、最近のモデルさんのって凄くきれいな色してますよね。あのときはすっごい色してた記憶があるんですけど」

すると僕から雑誌をうけとった日本人スタッフは、焼きそばを食べながら、雑誌を開き、ヌード写真のページを見ながら言った。

「マイケル・ジャクソンだってあれだけ白くなるんだからなあ~。まあ、そんなもんじゃない?」

おくれてやってきた社長がテーブルにつき、プレイボーイ誌をのぞいて「いいものもってますねえ~」と笑いながら言った。

遠洋漁業船勤務が長かった社長はこういうことに関して、きわめておおらかな人だ。

楽しそうにヌードグラビアページを見ながら食事をする二人を見て、僕はなんともなしに大人になるということの意味を理解したような気がした。

自分にはないものは想像できない。

だが、たとえグロくても実物をみればすぐに慣れる。

そしてやがてそれが美しくも見えてくる。

政治でも商売でも。

そして女性でも。

そういうことがわかってくるのが大人。

それが人類が繁栄していくための偉大な錯覚なのか?

それとも人類を万物の霊長にまで高めた適応能力のすばらしさなのか?

そんな事は誰も知らないし、僕も知りたくはない。

Uploads on coming monday!!

see you (^_-)

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2005.05.09

円海vs触手王(下)

暗闇の中に潜んでいた触手王!!果たしてその恐怖から逃げ出す事ができるのか?

いつものように、僕等は早朝から車ででかけた。

車を運転するのは霞ちゃん。

乗り込んでいるのはシュガケン、ヒトミねーさん、僕の三人だ。

30代の三人は、皆、夜型なので、早朝は激しく機嫌が悪い。

途中のサービスエリアで霞ちゃんが「朝ご飯食べますよ!!」と車を止めたが、三人とも激しくだるそうな顔で、嫌々車を降りるのだった。

元気よくキツネうどんを食べる霞ちゃんの横で、僕はダラダラと天麩羅そばを食べはじめた。

シナシナの天麩羅が激しく不味い。

月見そばにしておけばよかったな。

シュガケンとヒトミねーさんはコーヒーを頼むと、固形物を食べる僕等を信じられないといった顔でみた。

シュガケンがタバコに火をつける。

僕は天麩羅そばにドバドバと七味を入れた。

そうでもしないと食べられんがな。

「たまには伊豆とは逆の方にいくのもいいですね」

霞ちゃんが元気に言った。

「そうだね。伊豆みたいに道路が曲がっていないから、すっきりしていていいね。爽やかな感じ」

僕は道路の向こうに見える海を見て言った。

ヒトミねーさんは、恐ろしくアンニュイな顔で海を見ている。

「ヒトミねーさん。もう少しやる気出しましょうよ」

僕はやる気のない一つ年上の新潟出身女社長に言った。

「円さん。あなたは男だからわからないのよ。三十路女が外出するには、男より1時間は余計にかかるの。つまり私はあなた達より早起きしてるの。なんでかわかるわよね?」

ヒトミねーさんは「何でですか?」とツッコまれないように言った。

こういういい方をしたヒトミねーさんに「何で?」などとツッコミを入れると、悪意のあるバカ、もしくは頭の回転が悪い奴として5時間は口をきいてもらえなくなる。

「そんな~。ヒトミねーさんなら男と一緒におきても大丈夫ですよ。こないだ長老よっしーも言ってましたよ。流石新潟女の肌は違う。すっぴんでもきれいよね~って。」

僕は不機嫌なヒトミねーさんの機嫌を直すべく、長老の名前をだした。

「そうかしら?」

「そうですよ。ほっぺにさわってもいいですか?」

「さわらせてあげたいのは山々だけど、私、彼氏がいる身だから。別れたら触らせてあげてもいいわよ」

ヒトミねーさんはとたんに機嫌良くなった。

シュガケンはプカ~ッとタバコをふかし、気怠げに海を見た。

(-_-)(-_-)(-_-)(-_-)(-_-)

僕等は携帯電話で、すでに現地入りして潜っている先発組と連絡をとり、直接その小さな入り江に向かった。

すでに一本目を潜り終わった先発組は、誰もいない岩場でたき火を囲んでいた。

凄い。

早朝たき火だ。

だがそのたき火の炎には、串刺しにされたタコがっ・・・・・

「喰う?」

三日前からきている先発組が、ダイビングナイフで、タコの足を切り取ると僕にすすめた。

「いや、ついさっき天麩羅そば食べたばっかなんで(^_^;)」

そのタコの足は霞ちゃんが受け取った。

荷物をおろしてから、市内にタンクを借りに車を戻すということで、僕等はたき火を離れ車に向かった。

霞ちゃんが歩きながらタコを囓っているが、まったくかみ切れなかった。

「か、カタい・・・・でもそれ以上に・・まずい(*_*)」

そりゃ海でとったであろうタコを塩もみもしないで焼いたって・・・

僕等は着替えて、機材の準備をしながら車がタンクを積んで戻ってくるのを待った。

「自動販売機ないな。トイレも。キャンプ用具が必要だったな」

シュガケンが言った。

どこの漁協も管理していない浜=自然のままの浜=トイレも売店も自動販売機すらない浜=ベンチも日よけもなく、太陽の下で肌を焼かせるにまかせるしかない浜・・・

「椅子くらいは欲しいわね。」

ヒトミねーさんも体育座りをしながら言った。

ようやくタンクを積んで車がやってきて、不満たらたらの僕等はタンクをBCに接続すると、現地のガイドの説明を受けた。

「見たとおりの小さい入り江です。水深は6m。外海に出るのはあそこだけなんで。水中ではケルプが茂っています。出たところでの水深は18メートルです」

「出ると何かあるんですか?」

僕は聞いた。

現地のガイドは一瞬目を泳がせてから小さな声で言った。

「アワビとか、伊勢エビとか・・・・」

何?

「密漁ターゲットが?」

「あっ、えっと、密漁ではありません。この入り江はどこの漁協の管理下にもないんで。密漁は犯罪です。もしここで生物を捕まえたとしても、それは採取活動ってことなんで、密漁とは口が裂けても言わないように」

僕は思わず口を押さえた。

僕等は入り江に入った。

「ではこれからエントリーします。ここにこれをおいていくので、もし、めったに見つけることができない生物を採取したときには、あがる前にここに入れて下さい。あとで、私が責任をもってひきあげます。でも、ナイトがあるんで、今回は入り江の状況を確認してもらうってことで」

そういうと現地ガイドは釣り人がもっているような青い網カゴをぼくらに見せた。

「密漁気分がもりあがりますね。採取活動ですけど」

「潜行!!」

現地ガイドは一瞬僕を睨むと水中に没していき、僕等もそれに続いた。

海中は陸と同じ岩場で、所々砂がたまっている。

水深は5m程度でずっと続いているようだった。

岩の間にはガンガゼがつまっている。

夜はこいつら岩の間からでてくるから、中性浮力をきちんととっておかないとやばいな。

サザエはそこら中にいた。

これだけいると、サザエは“めったに見ることができない生物”にはあてはまらない。

僕は岩と岩の間をたんねんに見ていった。

すると・・・・

でっかいほら貝のような貝がっ!!

僕はヒトミねーさんを捕まえて指さした。

「うっ!!」

ヒトミねーさんも驚いた。

手をニギニギして、ゲットせよとの指令を出す。

しかし、ほら貝の前にはガンガゼが3つあり、とげを張り出していて、とてもゲットできる状況にはない。

┐( ̄ー ̄)┌  お手上げさあ~

僕がジェスチャーすると、ヒトミねーさんは僕の肩についているSEALナイフを指さした。

刃渡りが24センチくらいはあるヤバ目のナイフだ。

これ使うの?

ウンウンとうなずくヒトミねーさん。

僕は肩からナイフを抜くと、ガンガゼを刃の背中で殴りつけた。

ガンガゼのとげはもろくも崩壊して、ぼくは岩の間に手をつっこみホラ貝をゲットした。

ヒトミねーさんに見せようとすると、ねーさんはすでに先に進んでいた。

ゲットを確認したら、あとは食べる事にしか興味はないらしい。

しばらくいくと、今度は岩の間にヒゲが・・・・

ヒゲ?

僕はタンクを叩くと、再度ヒトミねーさんを呼んだ。

僕はヒゲを指さした。

ヒトミねーさんがBCのポケットからライトを出して岩の間を照らした。

やはり・・・・

伊勢エビ・・・

だが伊勢エビの前にはまたしてもガンガゼがっ!!

しかし今度はガンガゼを粉砕するわけにはいかない。

そんなことをしたら伊勢エビは逃げてしまう。

幸いにもヒゲはガンガゼの手前まで出てきている。

ヒトミねーさんが僕の顔を見た。

僕は1秒間で5発の正拳を打ち込める高速の動きで伊勢エビのヒゲを見事つかんだ。

しかし、水中では僕の握力より、伊勢エビの腰の力の方が強かった。

ヒゲは僕の手からするりと抜け、伊勢エビは岩と岩の間の奥へと消えた。

僕はヒトミねーさんの顔を見た。

水中とはとても思えない早さで、ヒトミねーさんのゲンコツが僕の頭を襲った。

欲しいモノが手に入らないと癇癪をおこすのが、この女社長の癖らしかった。

ガイドの指示に従い、僕等はケルプを抜け、外海に出た。

体が僅かだがゆれる。

シュガケンは丹念に崖の部分をみていた。

そして僕等は、ナイトダイブに備えた昼のダイビングを終えると引き返した。

(-_-)(-_-)(-_-)(-_-)(-_-)

夕日が落ちる直前に僕等は装備を調えて、海に入る準備を完了した。

周囲に電灯はないので、日が落ちてしまうと真っ暗になってしまう。

海に入ると、ガイドが緑とピンクのケミカルライトを網カゴに入れて言った。

「エクジットする前に、採取した生物はここに」

今度は僕は余計なことはいわなかった。

この入り江には伊勢エビがいるのだ。

ガンガゼ同様、伊勢エビも夜は岩のなかから出てくるに違いない。

うまくやれば、夕ご飯には伊勢エビの刺身と、頭の味噌汁がつく。

ぼくらは潜行を開始した。

下まで降りた僕は、目の前に釣りをするときにコマセをまく柄杓が落ちているのを見つけた。

今回に関しては潜る目的がかなり妖しいが、基本的に僕はきわめてまっとうな海を愛するダイバーである。

ダイビング中に空カンが落ちていたりするのを見れば一応拾っておく。

その時も、僕は迷わずこの撒き餌柄杓を拾った。

ぼくのキングペリカンライトは、想像以上に強く、かなり遠方まで光をとどかすことができるのがわかった。

周囲を見ると、やはり岩の上にはガンガゼが出てきている。

注意しながら中性浮力をとり、岩の間をてらしつつ進んだ。

岩の間にはサザエがいるが、これは帰りに拾っていけば良い。

今、目指すはただ一つ。

伊勢エビのみだ。

だが、ヒゲも光る目も、まったくみつからない。

すると、僕は岩と砂地の間になにやら動くものを見つけた。

僕は慎重に近づくと岩の下をのぞいた。

タコだ。ライトにてらされたタコはこちらをじっと見ている。

けっこうデカいぞ!!

僕は手にもった撒き餌柄杓で、ツンツンとタコの頭を何の気なしにつついて見た。

すると。タコはいきなり反転。無数の吸盤を僕に見せると、撒き餌柄杓にからみついてきたのだ!!

それもすっごい早さで!!

僕はびっくりして、柄杓をタコに押しつけるようにして振り切ろうとしたのだが、それがまずかった。

逆にタコの触手が伸びてきて、右腕にからみついてきたのだった。

やばい!!

僕はあわてて柄杓を手放したが、タコは手を離してくれない。

僕は自分の腕を引いた。

しかしタコは何本かの触手で岩に自分の体を固定し、2~3本の触手で僕の腕をがっちりとつかみ離そうとしない。

ここにいたって、僕は極めてやばい状況になっていることに気づいた。

ダイビングを始めてから、サメに喰われて死ぬことは一応覚悟していた。

しかし、まさかタコに絡まれて死ぬ事になるとは!!

その時。

一つの人影がゆっくりと近づいて来た。

ヒトミねーさんだ!!

僕は左手のキングペリカンライトでタコを照らすと、ヒトミねーさんの目を見て、レギュレーターをくわえたまま、「やばいっすよっ(>_<)!!」と思わず言った。

しかしヒトミねーさんは自分のライトでタコを照らすと、僕の顔を見てニコリと笑い、オッケー!!と合図すると闇のなかに消えた。

き、きさま・・・・・

私を見放したな・・・・・

私を見殺しにしようとしているな・・・・

僕の心の中で金色の瞳がゆっくり開きはじめた。

コノウラミ・・・・

コノウラミハラサデ・・・・

ぬわっ!!

タコの触手が手首から前腕全体に伸びてきたっ!!

ヒトミねーさんに復讐を誓っている場合ではない!!

そう、海の中では言葉が通じない。

僕が伝えたかった事。

「タコに!!タコに絡まれてます!!死にそうです!!助けて!!」

ヒトミねーさんの脳内会話。

「タコがいます。でかいでしょう?」
「わかったわよ。おっけー!!」

うを~いっ!!

俺、一人だよっ!!

夜の海で一人だよっ!!

しかもタコにつかまってるよっ(>_<)

浮上だってできないよっ!!

(-_-)(-_-)(-_-)(-_-)(-_-)

冗談事ではなく、僕はマジピンチだ。

ヒトミねーさんは先にいってしまったし、ガイド、シュガケン、霞ちゃんは、アワビを目指してヒトミねーさんの更に先にいってしまっている。

タコは腕をどんなにひっぱっても僕の事を離してくれない。

しかも手首をつかんでいた触手は、すでに腕全体にからみつき、顔にまで伸びて来そうな勢いだ。

当然体はいつの間にか岩にひっぱりこまれている。

僕はとりあえず落ち着くことにした。

水深はたかが5メートル。

呼吸をきっちりと制御すれば1時間どころか2時間だって潜っていられる水深だ。

それだけ潜っていれば誰かが助けに来てくれる。

ともかく落ち着け。肩の力を抜いて、呼吸をゆっくり。

ぐんっ!!

いきなり体が引っ張られた。

そしてタコの触手がついに肩のところまで伸びてきた!!

体の力を抜き、呼吸をゆっくりにしたために、タコは「こいつ弱りやがった!!」と思い、一気に攻勢を強めてきたらしい。

やばい!!

マジやばい!!

仲間が来るまで待機作戦は、あくまでレギュレーターをくわえていての話だ。

このまま触手が顔にまで伸びて来てレギュレーターをむしりとられでもしたら、冗談抜きで水深5メートルで溺死してしまう。

死んでもタコが吸着していてくれれば、「ああ、円君タコに襲われて死んじゃったのね」と原因もわかり、まだ救われるというもの。

しかし僕の死体からタコが離れてしまえば、「なぜ水深5メートルのところで・・」と不思議がられ、しかもバカダイバー呼ばわりされるに違いない。

ああ、せめてグローブだけでもはずしていれば、吸盤の後が残ってバカダイバー呼ばわりだけはさけられるのに・・・・

その時、僕の右の頬に、ヒラヒラと触れるものが・・・

やばいっ!!

マジ、肩を越えて触手が顔に迫ってきている!!

本当に殺されるぞ!!

僕は自分の腕に巻き付いている触手を見た。

思ったより太い。

そっか。

タコめ!!

腐れダコめ!!

このオレ様になめたマネしやがって!!

海の生物を傷つけてはいけないというダイバー精神を守っていれば、いい気になりやがって!!

僕は左手でもっていたキングペリカンライトを砂地にゆっくりおいた。

そして左の肩につけているSEALナイフを左手でゆっくりと抜いた。

ははははっ!!

後悔しやがれ!!この豚ダコ!!

僕は右手に絡んだタコの触手を自ら掴むと、ナイフの刃先を腕とタコの触手との間にねじ込んだ。

岩の間からキングペリカンライトの強力な光に照らされたタコの目が見えた。

地獄の痛みにのたうちまわりやがれっ!!

僕はナイフの刃先を触手にむけてたてると、力づくで押し、のこぎりのように挽いた。

すごい勢いで視界が遮られて行き、僕の右手からスルスルと触手が抜ける気配がした。

僕は光るライトを掴むと、思いっきりフィンキックしてその場を離れた。

触手王は去った。

僕はエアの残量をチェックした。

80。

深度5メートルの海底をサザエを探してうろつきまわるには十分な量だ。

僕はコンパスを見て、ケルプの方へと向かった。

すぐに4本のライトの光跡が見えて来た。

(-_-)(-_-)(-_-)(-_-)(-_-)

その晩、僕等はサザエご飯を食べ、サザエの壺焼きを食べ、シュガケンが三個もみつけたアワビの刺身を食べてお腹一杯になった。

すると今度は舟盛りが出てきた。

「もう食べられないよ~」
「すげえ!!まだ舟盛りがでるのかよ!!」

テーブルにおかれたのを見ると、すべてサザエの刺身だった。

「サザエいらない」

「二きれ食べれば十分だね」

「でも、これとったの私たちですよ」

僕等は別の宿にいる先発組にサザエの刺身を押しつけることにした。

どうせ奴らは夜通し飲むのだから、おいておけば酒の肴に誰かが喰うに違いない。

霞ちゃんを先発組へのお使いに出してからシュガケンが言った。

「やっぱその日喰う分だけとらないとダメだな」

「そうですね。きっと古代の人達は、その日必要な分だけを自然からの恵みとしてとってたんでしょうね。多く取って、保存しておくということを人間がするようになってから、“自然の恵み”って感覚は無くなっていったのかもしれませんねえ」

(-_-)(-_-)(-_-)(-_-)(-_-)

それから何年かして、うちの会社の税理士さんに聞いたのだが、子供の頃、戦後間もない瀬戸内海で素潜りで魚をとってあそんでいた彼らにとって、一番恐ろしいのがタコだったという。

「あれはさあ、素潜りでからみつかれると致命的なんだよね。だから僕等は布つけたヤスをもってて、タコみつけたら必ず離れたところからヤスを突き立てたのさ。それであとは海面から布を水中メガネでおいかけていて、砂地に出てきたら引き上げる。岩場ではタコが足ふんばっちまって、絶対とれないからね。でも、それ知らない友達が岩場のタコを手づかみで取ろうとして、2人くらい死んだな。小さくても力強いからねえ。素潜りだと30秒つかまったらダメだよ。」

タコは知能も高い。

人型をしてないからといって、下等動物と侮らないように。

The End

Uploads on coming monday!!

see you (^_-)

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2005.05.06

ゆんたくアクマちゃん37ー悪魔系100人地獄ー

こんにちは!!

5日間の連休を終えて久しぶりに出社したら、時々というか、しばしば出前を頼むお店のおばさんが亡くなったという回覧が。

まあ、会社界隈では唯一「おいしいかな?」と思えるものを出前してくれる店で、私はここのカキフライランチが大好きです。

電話して「カキフライランチ1つ」というとすっごい早口且つ、お前喧嘩売っているのか?と思うようななげやりな勢いで「カキフライですねっ?」と確認をとります。

日本に戻ったばっかりの頃は、今より忙しかったので、「今すぐですか?出前は11時前に電話してくださいっ」と、それは厳しい口調で言われてビビリました。

やっぱもってきてくれるとはいえ、1人前は非常識かな?と思い、3人前頼んだり、1人前でも一番高いエビフライランチ頼んでもやっぱ口調はかわらず、結局は慣れてしまいました。

そのおばちゃんも1年くらい前から電話にでなくなり、出前してくれる息子さんに「最近お休みなんですか?」ときいたら「はあ~」とか言ってたので、病気なのかな?とは思っていましたが。

もう、ビビリながら出前頼む必要がないと思うと嬉しいのですが、やっぱり10年も聞き慣れた声を聞けなくなるのも悲しいですね。

顔見たこと一度もないんですが(^_^;)

けっこう身近な生活のなかに死を感じて「今のうちに善行一杯積んで、なんとか天国に行きたいもんだ」と激しく思ったのですが。

地獄ってどういう所なんでしょうか?

いや、もちろんあったらですが。

私が思うに、鬼とかにシバかれる地獄はしょうがないとして。

自分と自分が嫌いとまでいわれなくても苦手な人と二人だけの地獄。

しかも相手はクローンみたいに100人くらいいて。

たとえば生前、酒と女と博打にあけくれる旦那を持ち、寝る間もおしんで働きつづけ、常に旦那に「金よこせ!!」とかいわれてドメスティックバイオレンスの嵐のなかにいた女性が死んだとします。

で、はっと気づいたら、世界には自分1人と、旦那が100人。

しかも100人の旦那は常に自分を取り囲んで「金よこせ!!」と永遠に叫びつづける地獄だったら?

たとえば生前、おねだりしかしない彼女を「うぜ~な」とおもっていた男が死んで、はっと気がついたら世界には自分1人と、おねだり彼女100人。

しかも100人の彼女が常に自分を取り囲んで「エルメス買って!!」と永遠に叫びつづける地獄だったら?

私だったら、一生懸命誠意を込めてローストした珈琲を飲ませたら、100人のその人が一斉に「こんな珈琲のませやがって!!」とカップ投げつけてくるような地獄があったらイヤです。

せめて「まだまだだな・・・」くらいは言って欲しいと思うのはワガママでしょうか?

「ああ、やっぱりこっそりとグルソー入れたのがマズかったのかっ?!」と明るく切り返す自信は0ですね。

いれてないですけど。グルソー。

ほかの人の顔を見ながら「こいつはこんな地獄に堕ちたらイヤだろうな」と考えていたらおかしくておかしくて笑いが止まらなくなりました。

「クッ クッ クッ クッ ぶわ~はっはっ!!」と会社で笑い、「大丈夫ですか?」と言われた私です。

最終的に

「いろんな人がいるこの世はすばらしい!!」

という事に気づいた訳ですが。

まあ、世の中色々な人がいるから、イヤな人もいるけど、いい人もいるわけで。

死んだからといって、いい人ばかりの世界にいける保証なんて何にも無いわけで。

農業とか、まあ、製造業一般に言えることですが、二級品以下の不合格品というのは、発生率を少なくすることができても、0にするのは難しいです。

「あんたは2級品の人間。不合格」なんてことが言えないし、できない人間社会では、いい人ばかりでないのは当然です。

もちろん自分を含めての話ですが。

それに世間的には「あの人は厳しい」とか「怖い」と言われている人が意外と優しかったりする事もあるじゃないですか?

総てではないけど、自分の態度や、行動、言い回しなんかで、多少なりとも住み心地が良い世界にする事は夢ではないと思います。

がんばりましょう。

この世はまだまだ可能性にあふれている。

きっと一回くらい更新を無断で休んでも許してくれるさっ!!

言い回しさえ、間違わなければ。

それでは5月9日月曜日に!!

See U !!

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