僕とヘルニア友人とみゆちゃんと(3)
僕とヘルニア友人とみゆちゃんの、銀座での長い夜がはじまった・・・・・
テーブルについた僕は、飲み物を注文し、みゆちゃんがすでにオーダーしておいた料理に手をつけた。
前の店では、しゃべるのに手一杯で、料理に手をつけるヒマがなかったのだ。
でも、もうヘルニア友人が来たから大丈夫。
僕は空腹を満たすべく、追加オーダーをして、ガンガン食べまくった。
ふと気づくと・・・・
周囲のざわめきのなか、僕等のテーブルは気まずい沈黙が支配していた。
その沈黙のなかを、時々みゆちゃんと、メーテル髪の彼女の声がする。
ヘルニア友人の声は「ああ」「うん」だけだ。
僕はヘルニア友人を見た。
彼は僕等の背後の窓に目を向けて、正面にいるメーテル髪の彼女の事は見ていなかった。
僕はみゆちゃんを見た。
苦々しい顔でヘルニア友人をちらりと見て、なんとかしろと僕に目配せする。
「あっ・・えっと、夏前に御蔵島にドルフィンスイムしに行こうと思っているんだ」
「あら、東京でイルカと泳げるの?」みゆちゃんがつなぐ。
「三宅島にいって、そっからマスクとフィンもってボートでドルフィンスイムにいくらしいんだけど」
「伊豆七島でできるんですか?」
気まずい沈黙に居場所をなくしていたメーテル髪の彼女も話しに乗ってきた。
「うん。夜、竹芝桟橋からでて、明け方早く三宅つくんだけど。で、当日は三宅でダイビングして、翌日日帰りで御蔵島にいくらしいよ」
「いいですねえ~イルカと泳げるのかしら」
「私も行ったことないけど、話聞く分にはけっこう近くまで来るらしいよ」
「いいなあ~ 私も行きたい」メーテル髪の彼女が言って、僕は思わず言葉をつまらせた。
「連れて行ってもらえばいいじゃない。うちも家族でいこうかな」
みゆちゃんが「誘え!!」という顔をする。
ちょっとまってくれ!!おまえ本当に家族でこれるんだろうな?僕が彼女一人を誘ったとなると、同行のメンバーのなかで、色々と問題がおこるんだぞ!!
「タカさんも行こうよ。イルカかわいいよ」
僕は保険の意味をこめてヘルニア友人を誘った。
「イカネ」
ヘルニア友人は冷たい目で僕をみると、凍り付きそうな無愛想な声で言った。
そしてポケットからタバコを出すと吸いはじめた。
一本・・・二本・・・三本・・・四本・・・
すごい勢いのチェーンスモークだった。
店の空調が良くないのか、彼の周囲は冗談抜きで、タバコの煙につつまれた。
姿が見えないのだ!!
「ゴホゴホゴホ」
メーテル髪の彼女が耐えきれずに咳をした。
「ちょっとタカ君!!」みゆちゃんが怒った声を出した。
「あっ?」
もの凄く横柄な声を出すとヘルニア友人は煙の中からみゆちゃんを見た。
「タバコ吸ってもいいからチェーンスモークはやめなさい!!」
「そう?」
ヘルニア友人はタバコをやめた。
「ねえ、円君。イルカはいつぐらいいくの?」
「ん?多分6月くらいじゃない?」
ヘルニア友人がウエイターを呼んだ。
「ウオッカ。ストレート。ダブルで」
僕もみゆちゃんもヘルニア友人の顔を見た。
すでに彼は、生ビールの中ジョッキを3杯は飲んでいる。
確かに酒には強いが・・・・
まさか酔い潰れる気じゃないだろうな?
(-_-)(-_-)(-_-)(-_-)(-_-)
店を出たとき、ヘルニア友人は全然酔っていなかった。
僕とみゆちゃんは、心配そうな顔をして出てきた。
ヘルニア友人もだが、メーテル髪の彼女がうなだれるような感じになってしまったからだ。
その姿を後ろから見ていると、何か自分の体の中にムクムクと立ちあがってくるものがあるような気がする。
「あっ。俺、あそこで飲んでいくわ」
スタンドバーを見つけたヘルニア友人がいった。
「ん?じゃあ、俺も一杯だけ付き合おうかな?」
僕がいうと、みゆちゃんもヘルニア友人に説教するつもりらしく、「私も」と言った。
するとメーテル髪の彼女も「じゃ、じゃあ、私も」
こうして僕等はまた4人で、しずか~に店の外にでたテーブルを囲む事となった。
「ウオッカ。ストレート。ダブル」
四杯目だぞ。ウオッカのダブル。
流石に途中で、ヘルニア友人の顔は青くなり、目も据わって来た。
こ、こわい(>_<)・・・・
みゆちゃんもメーテル髪の彼女の前でヘルニア友人を説教する訳にはいかず、黙り込んでいる。
僕も流石に話すネタがなくなってきた。
メーテル髪の彼女はますます居づらい雰囲気にしょげてしまっていた。
正面からそのしょげた表情を見ると、僕の中でムクムクと立ち上がってきたものは、おとなしくなった。
時間も真夜中になった。
ヘルニア友人がグラスを開けたと同時に、僕は会計を頼み、全額払った。
自分の分を払おうとする三人に「いや、もう電車の時間があるし、今度で」
そういって駅に急いだ。
ヘルニア友人達はみな地下鉄。
僕はJRだった。
上野まで来ると電車は終電になった。
僕はタクシーをつかまえ、深夜料金もコミで6000円近く払って家に帰った。
シャワーをあびて、ベットに入った時には、3時近かった。
「一体、今日はなんの為に・・・・」
僕は終電過ぎるまで飲む事はない。
11時過ぎて満員電車にのるのがイヤでタクシーに乗ることはあっても終電を逃して乗ることはない。
なんだか人生で最大の無駄な時間を過ごしたような気分になっていた。
8時間前には、メーテル髪に、心を躍らせていたのだが・・・・
To be continue.
Uploads on coming monday!!
see you (^_-)
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