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2004.08.16

恐怖!!台湾夜話(中)

そして恐怖を目前に控えた僕等の台湾旅行ははじまった


僕等があきれ顔のOBを無視して組んだスケジュールはこうだ。

初日 朝羽田から台北へ。貸し切りバスで空港から台北にはいり台北観光

二日目 すべてフリー

三日目 すべてフリー

四日目 高尾に移動。移動後フリー

五日目 帰国

考えた末、前回のような散財を防ぐには、ともかく現地のガイドとの接触を最低限にすることと考えた。

奴らにはすでにガイド料込みの旅行代を払っているのだから、それ以上はビタ一文やらん!!

僕等は心に堅く誓った。

現地ガイドは、言葉がしゃべれない僕等にとって味方ではあるが、同時にお金の乏しい僕等にとっては敵なのだ。

出発前の3.4年合同会議も、前回とは違い実戦的なものになった。

1.写真に気をつけろ。沢山うつれば後で高くつく。
2.美人バスガイドに気をつけろ。一緒に写真をとったら後で高くつく。
3.可能な限り自分の力でなんとかしろ。ガイドに頼ると高くつく。
4.ガイドが案内した店では買うな。ガイドのコミッションが上乗せされている。町中で買えばかならず同じモノが安く買える
5.メモ帳と鉛筆を忘れるな。漢字文化圏なので、言葉が通じなくても文字ならなんとかなる。

その他思いつくことのすべてが書き出され、全員に通達された。

「うん。これだけのレクチャーがあれば、今度は絶対にお金をもって帰れる」

前回一文無しで日本に到着するハメになったヘルニア友人も珠玉の台湾旅行マニュアルに感動した。

こうして僕等は台北に出発した。

しかし・・・・

羽田空港でセキュリティーゲートを通った時点で問題は発生した。

ビーッ!!

金属探知器がなった。

モトちゃんだ。

係員にポケットの中を調べられ、再度ゲートをくぐる

ビーッ!!

何度やってもモトちゃんはビーッ!!だ。

バンドがデビュー寸前で音楽に関する考えの違いから解散となって、さらに銀座に本社がある会社に就職を決めたにもかかわらず、いきなり桐生支店に配属が決まってガックシきていたモトちゃんはとほうにくれていた。

ヘルニア友人がいった。
「モトちゃんのGジャン。やたらと鋲が打ってあるけど、それじゃない?」

係員もそれに気づき、モトちゃんにGジャンを脱いでゲートを通るように言った。

ゲートは鳴らなかった。

「さすがはパンク。金属探知器が反応するほど服に鋲を打ちまくるとは」

僕がいうと、ヘルニア友人もまじめな顔でモトちゃんを見て言った。

「重くない?」

「うるせえっ!!」モトちゃんの顔は真っ赤だった。

前回とは違い、飛行機は揺れることもなく台北についた。

しかしここでも、問題が・・・・・

台湾に入国するとき、メンバーの一人が「これ・・」と袋を出してきた。

「何?」僕はきいた。

『さっきしらないおじさんが「ちょっともってて」っていって、いなくなった。お酒だと思うけど』

「なに~!!」

僕とモトちゃんはあわてた。

ゲゲボツアーの本に『通関の時にお酒などを「あずかっていて」と知らない人に持たされる事がある。たいていは持ち込みのお酒の本数がオーバーした為だが、なかには団体旅行客の検査が甘いのを利用して、非合法な品(麻薬など)を持ち込もうとすることがあるので、知らない人の荷物は預からないように』と書いてあったぞ!!

どうする?

「かせっ!!」

僕は荷物をもつと、トイレにかけこんだ。

トイレで中身を確認して、やばいものだったら流すか、トイレにおいてくるしかない。

麻薬の類だったら正直に言ったところで、半日は取り調べでつぶれてしまう。

僕はトイレの個室に入ると、ハンカチを出し、袋の持ち手を拭き、なかにある酒の箱を取り出した。

なんてこった!!空港でる前に麻薬事件に巻き込まれたかも(>_<)なんて!!

ヘネシーの箱だっ!!

ハンカチを使い、指紋をつけないようにして、慎重に箱の中身を確認する。

箱の中には封の切っていないヘネシーのボトルしかない。瓶のなかも確認したが、妖しいものが入っている様子もない。

僕はボトルを箱にいれて袋に戻すと、トイレをでた。

「だいじょぶかい?」
モトちゃん。

「多分。中身はヘネシーだ。それ以外は何も入ってない。封も切ってない」
僕は言った。

ヘネシーといえば高級ブランデー。
当時の大学生にはめったにありつけない。

「大丈夫だ。このまま通ろう」

さすがに羽田でビーッ!!とやられたせいか、モトちゃんは袋を僕に持たせたままだった。

無事通関もきれ、空港ロビーについたが、おじさんは現れない。

「う~ん。仕方がない。」
僕は言った。

「なんだったの?それ?」
ヘルニア友人だ。

「それがさ、ヘネシーなんだよ」
モトちゃん

「はあ?ヘネシー?おじさんいないの?」
ヘルニア友人がおじさんから荷物をうけとったメンバーにきいた。

「いないみたい」

「よし。今夜はみんなでそれ飲もうぜ」
そういうとヘルニア友人はヘネシーの入った袋をもって待っていたバスにのった

「いいのかなあ?」

「いいんでない?ヘネシーだし」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

バスは台北市内にはいった。

なんとなく昭和30年代初期を思わせる(って僕は生まれてないけど)おおざっぱな道路を沢山のオートバイというか、スクーターが走っている。

「なんかさ~。釜山は道が日本みたいに細かったけど、台湾は広い気がするね~」

市内に入ると故宮博物館を見学した。

どうやって作ったんだ!!というくらい細かい細工のものがあり、僕は生まれてはじめて博物館に来て感動した。

そして建物のなかに巨大なおっさんが座ってるところに来た。

おっさんの両脇には兵隊らしき等身大の人形がたっている。

故宮博物館の細工に感心した僕は、この等身大の兵隊も見事なつくりだと感動して、兵隊の真正面にたって見ていた。

すると・・・・

「うわっ!!」

思わず腰が抜けそうになった。

兵隊が瞬きしたのだ!!

「円くん。何を大声あげているのだ」

教授がやってきた。

「先生!!人形がまばたきを!!」

教授はあきれたような顔をして僕を見た。

「キミは何をいっているのだ。衛兵は人間にきまっておろう」

そう、瞬きする以外はぴくりとも動かないが、人間だったのだ。

恐るべし!!台湾!!

僕はモトちゃんと一緒に巨大なおっさんが座ってる大仏殿のようなところをでた。

すると三年女子のよっちゃんが、サルをつれた男と何か話しているではないか!!

僕とモトちゃんは顔を見合わすと、よっちゃんに向かって駆けだした!!

すでに男はよっちゃんにサルを抱かせているところだった。

「よっちゃん!!そのサルを返すんだ!!その男は、サルを抱かせて金をとるつもりだぞ!!」

僕とモトちゃんは日本語で叫んだ。

男は絶叫しながら駆け寄った二人の男に怯えていた。

僕等のガイド兼通訳の鄭さんがあわててやってきた。

「え~と、本当は有料だけど、そのお嬢さんはかわいいからオッケーね」

よっちゃんは安心してサルを抱き、写真を撮ったのだった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「今度は気功のショーを見に行きます。それにしても台北を半日で観光なんて。こんなツアーはじめてだよ」
ガイドの鄭さんがつぶやいた。

気功ショー?そんなのスケジュール表にはないぞ?

「サービスですよ。サービス」

あやしい・・・・

気功ショー。

それは小さな舞台で気功師のお兄さんが割り箸をベニヤ板になげつけてブスッと刺したり、槍の穂先を腹にあてて、僕等に押させても刺さらないことを見せたりという武術気功の類のショーだった。たしかに凄い。

僕等が「おおっ!!」などといい、感動したあとに、それは来た。

「ではこれから、当店秘伝の塗り薬を販売いたします。傷はもちろん火傷にもききますよお~」

その言葉が終わるか終わらないかのうちに、ドアがあけられ、すっごい数のおばちゃんが入ってきた。

みな同じ服を着ている。

20人にちょっとかけるくらいの僕たちに対して、ほぼマンツーマンの数の売り子のおばちゃんだ!!

「これね、うちの秘伝の薬よ」

すっごい早さでしゃべり続ける。しかも日本語だ。何故こんなにうまいんだ?ここも旧帝国領かっ!!

だが、僕はこのときを今か今かと待ちかまえていたのだ!!

ガイドの鄭が「サービス」と言った瞬間から、必ず来ると待ちかまえていたと言ってもよい。

この瞬間を見越して、僕はボリボリ君の隣にすわったのだ。

もっともこれだけの数の売り子おばちゃんが来襲するとは、流石に思ってなかったが。

「あのねおばちゃん。僕トイレいくから。だけど、となりのお兄さんが買うってさ」

すでに別のおばちゃんに猛烈な売り込みをくらってたボリボリ君が「えっ?」という顔をしてこっちを見た。

僕付きのおばちゃんは、そのボリボリ君の視線の動きをとらえて「あなたね、これ、すごく良い薬よ」と話しかけはじめた。

僕は速攻でトイレに逃げ出した。

数分後。

三年で一番要領のよさそうな仲田と溝口がトイレにやってきた。

「円さん早かったっすねえ~」

モトちゃんもやってきた

「いや~まいったよ。てえへん、てえへん。まあ、パキでなれてるからさ~。でもあんた達早かったね~。ボリボリなんて三つもかわされてたぜ。女の子も全滅だな。全員買わされた」

おばちゃん達が部屋から出て行くのを確認して僕等は戻った。

ヘルニア友人が二個オロナインのような瓶を持っている

「おいっ!!おまえらきたね~ぞ!!俺、二個も買わされたじゃね~かっ!!」

買わされたメンツを見ると、全員気功ショーがよく見える中央部に腰掛けた連中だった。

僕等のように、はじっこに腰掛けた者は全員、売り子おばちゃんから逃げられたのだが、中央部にいた連中は椅子と売り子おばちゃんに挟まれて逃げられなかったのである。

僕は学んだ。

海外ではいかなる時も、退路を考えて座らなければならない

・・・・・・・・・・・・・・・・・・


ホテルにチェックインした後、夕食は適当に歩き、デパートのようなところの最上階で飲茶を食べた。うまい。すっごくうまい。

僕等は朝食だけつけてもらっていて、昼と夕食は全部自分たちで適当なところをみつくろって食べたけど、どこでもそれなりにおいしかった。

どこでもそれなりにおいしいというのは台湾の食文化の高さだと思う。

食事が終わり、僕とモトちゃんの部屋で宴会がはじまった。帰る途中のコンビニのような店で、ビールと紙コップは沢山かってきた。ヘネシーもある。

飲み会は夜中の1時過ぎまでつづき、全員が部屋から出て行ったあとには、足の踏み場もないほど、床に酒瓶が散乱していた。

「これどうするよ?」
僕は言った。

「眠い。朝、早かったし。とりあえず寝るには困らないからいいよ。朝片づければ」
そういうとモトちゃんはシャワーも浴びずにベットに入った。

僕は軽くシャワーを浴び、スエットとTシャツに着替えてベットに入ると電気を消した。

となりではモトちゃんがスウスウと寝ている。

僕もしばらくして、眠りにおちかけた。

そして・・・・・

本当の恐怖という奴がやって来たのだった!!

(To be continue.Uploads soon!!)

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