緑の魔境といわれるアマゾンのジャングルを思わせる、B級妖怪(系管理人)ラオウ”のココログ・・・
そこで僕等が見たものとは・・・・
「すっごいサイトだな」PCの音量をミュートに切り替えて、緑の魔境を思わせる画面を見て、僕はつぶやいた。緑の木の葉がぎっちりつまった背景に、黒で「裸体の王国」。本文部分では、文字が見にくくて、何が書いてあるのか、判断に苦しみそうだ。
というか、この中に、例の句読点なしの文章が、ひたすら書き込まれていたら、それは密林の木々の声なきつぶやきのような気もする。
「ブウウ~ブウウ~」携帯のバイブレーションが机の上で音をたてた。
『これが“ラオウ”の潜む「裸体の王国」です。緑の魔境みたいでしょ?』
確かに・・・
C級妖怪系管理人の女の子は、自分のココログにつけられたコメントからこの「裸体の王国」に跳んだのだろうか?きっと呆然としたに違いない。
僕でも背筋にゾゾッと来る物を感じる。はっきりいって、電車のなかで、訳のわからないことを、ずっとつぶやいている人みたいに怖い。
「じゃあ、これから、なんでラオウがB級妖怪(系管理人)なのか説明します。あ、PCの音声はミュートにした方がいいですよ。このサイトには、催眠効果があります。円さんなら、諸星大二郎の『暗黒神話』は知ってますよね?あのなかの福岡の古墳にしかけられていた自動催眠装置とおなじようなシステムが隠されているんです。注意して、本文のプロファイリングにかかってください」
いや、いくらなんでも、それはないだろ?まあ、雰囲気を盛り上げたいのはわかるけど・・・・
恐ろしく字が読みづらい本文を読んで、まず、気が付いたのは、意外にも句読点をちゃんと打っているということだった。
「句読点をちゃんと打ってるね」僕はみのちゃんにメールした。
「円さん。それこそが、普段ヤツが人の姿をして隠れている証です。普段は普通の人のように振るまえるが、獲物を見いだすと理性がふっとび、句読点が打てなくなるのです。」
そうか・・・・凄いな みのちゃん。君の想像力は・・・
本文を読むと、ラオウに関してはかなりの事がわかった。ラオウは芸術家である。いや、芸術家を目指している。でもけっこういい年らしい。つまり本人的には芸術家を目指して苦悩する高尚な人間という位置づけだが、世間一般の常識では、いい年ぶっこいて、定職にもつかず、フリーターでもなく「アーティストになりたいなあ~」とひたすら思っている、おっさんのプーである。
内容は、見る人を一切意識してない、ひたすら心の内面をつづるような内容だ。
文章は長く、きっちり自分の考えができて書いている訳ではないので、文の途中で何がいいたいのか、読んでいる方はまったくわからなくなる。これでは句読点がついていても、あまり意味はないかも。っていうか、意味がない。はっきりいって。
「この本文からわかるのはそれくらいでしょう。ではコメントにうつってください」
みのちゃんの要請にしたがい、僕はコメントをさがした。でも一つもついてないんだけど?
「ありますよ。ちゃんとみてください」
あ、あった。コメント2。僕はコメント欄を開いた。
そこにはラオウが通っていると思われるココログの女性管理人からのコメントがあった。
彼女がA級妖怪系管理人なのか?
「スゴいサイトですね。芸術家を目指しているんですね。お元気で」
ん?
なんか、素っ気ないというか、ラオウ嫌われているんでは?(当然だけど)
だが、ラオウはそんなことは、まったく感じていないようだった。
「おおっ!!遊びに来てくれてありがとう。僕も頑張っているよ!!また遊びにいくからね!!」
(-_-;)(-_-;)(-_-;)(-_-;)(-_-;)
「今コメント欄見たけど、この女性のココログに跳んでみていいかな?」
僕はみのちゃんに聞いた。
「やはりそう来ましたか(ニヤリ)跳んで下さい。そして彼女もプロファイリングしてください」
僕は彼女のココログへと跳んだ。ラオウのサイトとは違い、すっきりとした、やや憂鬱な感じのサイトだった。読んでみるとお父さんが死んでココログをはじめたらしい。だが僕のセンサーは何も反応しない。
人間だ。彼女は人間だ!!
「その通りです円さん。彼女は人間です。多少鬱が入ってますが、妖怪(系管理人)ではありません。次にコメント欄を見てくれますか?ラオウのコメントがはいってますから。そこに僕が、ラオウをB級妖怪(系管理人)と断定した理由があります」
僕はコメント欄を見た。ラオウが例のごとく毎日のようにコメントを入れている。初回だけ彼女は「はじめまして。コメントありがとう」とつけているが、そのあとはずっとノーコメントだ。するとラオウのコメントが数日とぎれていた。
どうしたんだ?ラオウ?
と、突然「久しぶり!!元気?しばらくコメントなくてびっくりした?それとも懐かしい?」とラオウのコメントが!!
「全然懐かしくないです(>_<)」
それが彼女のコメントだった。当然だけど。そのあと、ラオウのコメントはなかった。これか?
『その通りです。ラオウは自分がコメントつけないでいたら、彼女が自分のココログに来て、コメント入れてくれたので、大喜びで、彼女のココログにいって「懐かしい?」とやったら「全然!!」と言われた。当然ですけど。その数日後、ラオウは「自分はダメだ」という内容の日記をつけています。つまりですね、ラオウは打たれ弱いんです。ココログをさまよい歩いて、低位の妖怪系管理人や、弱っている人間のココログにコメントをつけて、喰らおうとしますが、反撃されるとしっぽを巻いて逃げてしまう。それがB級妖怪(系管理人)の証です』
ってことはA級となると・・・・
「まだ存在を確認されていませんが、当然、人間や、低位の妖怪系管理人が反撃すると、負けずに反撃してくるはずです。羅生門の鬼のように、腕を切り落とされると取り戻しにやってくる妖怪(系管理人)。それがA級妖怪(系管理人)です!!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「円さん。僕の考えているココログ妖怪ハンター機関がどういうものか、大体わかったでしょう?」
「はあ・・・・」
「ココログには、コメントやトラックバックという機能があります。B級や、A級の妖怪(系管理人)は、これを利用して、弱った人間やC級妖怪(系管理人)に攻撃を仕掛けてきます。ココログ妖怪ハンターはこれを利用して、妖怪(系管理人)をつきとめます。ココログ妖怪法則が正しければ、芋づる式に妖怪をキャッチすることができるはずです。そしてココログ内の“妖怪(系管理人)相関図”を作成するのです。どう思います?」
ココログ妖怪(系管理人)相関図・・・・・・
まあ、そういう楽しみ方(?)も・・・・・・あるかな?
「楽しみ方でもあるんですが、これは日記ブログ流行の時代のインフラなんです。誰もが安心して日記ブログをやれるようにするには、ココログ妖怪ハンターが絶対必要なんです!!」
でもねえ、みのちゃん。相関図を作成するだけじゃ、安全は守れないと思うよ。
「そこで円さんに見せたいものがあるんですよ。見てくれますよね?」
えっ?えっ?
「僕は寝ないでこれを作ったんです。いつ見てくれますか?円さん。いつなら時間とってくれますか!!」
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数日後。
僕たちは、僕のお気に入りの喫茶店「談話室 滝沢」にいた。
ドリンク類は一杯千円なのだが、都会の地下に広がるゆったりした大人の空間を味わえる。話が長引いても、気にする必要がない談話空間。それが「談話室 滝沢」。
ウエイトレスのお姉さんが僕の注文した紅茶と、ケーキセットをもってきてくれた。
このお姉さんも、滝沢の都市伝説のごとく、未亡人なのだろうか?
ああ、大好きだ滝沢。一度でいいから滝沢のウエイトレスさんと付き合ってみたい。
久しぶりの滝沢ドリームにひたりきる僕の前にいるのは、当然のごとくみのちゃんだ。久しぶりにあうのだが、相変わらず肌は白く唇が赤い。
みのちゃんと滝沢。限りなくミスマッチかも。多分一生忘れないな。みのちゃんと二人で滝沢いったっていうのは。
でも、ここなら、みのちゃんと二人でいるところを知り合いに見られることはないはず。滝沢には、周囲の客を気にするような客もこないし。
「なんですか?」カリマーのザックをガサゴソとやりはじめたみのちゃんを見て、思わずザックの中身をのぞこうとした僕に、みのちゃんがいった。
「いや、ははは。最近はどんなものがはいってるかなあ~と思って」
みのちゃんはムッとした
「それカリマーのARだよね。さすがみのちゃん。いいよねそれ」
僕は、とりあえずみのちゃんのザックを誉めた
「さすがですね。わかりますか?」
「うん。俺ももってるよ。古いモデルだけど。それは2003モデルでしょ?」
「そうです。僕のお気に入りです」
機嫌がよくなったようだ。僕はちょっとだけ安心した。
だが、安心なんかしてはいけなかったのだ。
「今日、円さんに見て欲しいのはこれです」
みのちゃんが僕に渡したのは、ホチキスでとじられた書類と、一枚のフロッピーディスクだった。
そしてその書類の表紙に書いてあったのは・・・・
「秘密結社 ココログ妖怪ハンター機関 組織図」
都会のオアシス空間「滝沢」での、僕の悪夢がはじまった瞬間だった・・・・
(To be continue)
NEXT 「みのちゃんのココログ妖怪ハンター(最終回)」
Uploads on coming monday!!
see you (^_-)
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前回、今回には、固有のサイト名及びニックネーム
がでてきます。しかし、これらの固有名詞は現時点
(2004年3月29日午前9時30分)でココログ内に
確認されておらず、完全に架空のものです。
以後同名のサイト及びニックネームが使用されても、
当方及び、この記事には、一切関係ないことを、ここ
に明記させていただきます。 円海